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広大OB田中太郎~リアルを語る~第19弾 「文章を書くのが苦手です」

 

Q. 文章を書くのが苦手です。

A. どんな仕事をしようが、なんらかの文章を書くことからは逃れられませんよね。特に最近はSNSとかブログとか、自分が書いたものが多くの人の目にさらされる、そんな時代です。文章が下手くそだと、頭の出来まで疑われてしまいます。

 じゃぁ下手くそな文章とは何か。突き詰めると「なに言っているか分からない」ってことになります。よく「美しい」とか「味わいある」とか「含蓄に富んだ」などという言い方がされることがありますが、それは別次元の話です。まずは「分かりやすい」こと。どんな文章であれ、これが大前提になります。

  分かるって、だれが? 恐らく、そこを突き詰めて考えたことはないでしょう。

 文章ってのは、書く人と読む人のコミュニケーションの1手段です。手紙やメールは1対1、仕事場やグループなら1対10〜20、SNSなら友達とフォロワーの数、ホームページやマスメディアなら興味を同じくする不特定多数です。分かりやすい文章とは、それぞれの読み手が「分かる」かどうかです。裏返せば、読み手によって分かりやすさの基準は変わります。ここをしっかり押さえましょう。
 1対1ならば、たった一文字、「?」でも成立するでしょう。「今朝のあの話、どうなった?」ってメッセージで、「!」が返ってくれば、「やった、やった、大成功」って意味になりますね。苦労はいりません。
 少人数の毎日顔突き合わせているグループなら
「先般より課題の例の件、予想通りあの人が潰しにかかってきました」
でも伝わります。
 でも不特定多数なら、共有できる情報と説明が必要な事項を切り分けねばなりません。
「1週間前、部内の会議の席で経営会議の判断が必要とされた5月17日より開始するネット通販サイトでカープグッズ販売を開始する件は、隠れジャイアンツファンの田中常務が著作権侵害の疑いが晴れないという理由で反対の意見を主張しはじめた」
とせねば、なにがなにやら分かりません。
 あなたが文章を苦手とする理由は、誰に向かって書いているのか、あいまいなまま書き始めているという要因がまず考えられます。

 読み手の存在の重要性から発想すれば、いくつかのテクニックが自然に浮かんできます。

 まず、読み手が目の前に座っていると想像するようにすることです。その仮想の読み手については、ペルソナをしっかり固めておいたほうが効果的です。直接話しかけるように、一所懸命に伝えようとするように書くよう心がけます。そうすればなにを省略し、なにを手厚く説明しなければならないか、どんな言葉を選んだらいいか、自然に分かります。
 次に、読み手ををびっくりさせましょう。
 あなたが面白いことを見聞きした直後に友達に会ったとします。まずなにから話しますか?
 「○ってさ、初打席から5連続三振したんだってよ」(○には適当な選手の名前を入れて読んでください)から始まるでしょう。間違っても「千葉出身のMVPにもなったスラッガーがいてね、それがFAで、、」みたいなことからは話しませんよね。
 文章でも同じです。友達にまず最初に話したいことは何かという視点で考え、それを最初にぶつけてびっくりさせるのです。「ツカミ」の正体がこれです。がっちり掴むことができたら、読み手は「先を知りたい」という気持ちになり、多少稚拙な話でも付き合ってくれるようになります。読みやすさとは、読み手をその気にさせるということでもあるのです。

 「その」「あの」「この」「どの」といった指示代名詞は極力さけることです。「彼」「あいつ」「例のアイツ」などの代名詞(的なもの含む)も減らした方がいいです。代名詞がなにを指すのかを常に考えさせられることで、読むことに集中できなくなるからです。
 凝った文章にする必要なんてまるでありません。たとえば三島由紀夫の文体で書かれた報告書を想像してみてください。あの、3秒の出来事をくどいくらいの比喩を使って10分に引き延ばすスローモーションのような文章だったら、読まされる人はイライラして3分で投げ出すでしょう。よい文章を文学に学ぶのは逆効果です。手本が必要なら新聞記事にしましょう。とにかく、読み手に考えさせずに中身が伝わる書き方が最良なのです。
 文章は短い方がいいです。問答無用です。
 「いまや球界を代表するスラッガーという評価が固まった○は、新しい飛躍の場所として選んだ噂の球団との契約を進めようとしたが、その場で示された条件は金銭的なものだけでなく、子息の有名私立学校への優先的な入学を約束するというものも含まれていたという説があるが、その学校は当時の監督の出身校でもあり、家族優先主義の彼にとっては何物にも代えがたい魅力あふれるものであったはずだ」(○には適当な選手の名前を入れて読んでください)。
 読むだけでうんざりしますよね。次のように文章を4つに分ける、たったそれだけで内容がスッと入ってくるのがお分かりかと思います。
 「いまや球界を代表するスラッガーという評価が固まった○は、新しい飛躍の場所として選んだ噂の球団との契約を進めようとした。その場で示された条件は金銭的なものだけでなく、子息の有名私立学校への優先的な入学を約束するというものも含まれていたという説がある。その学校は当時の監督の出身校でもあった。家族優先主義の彼にとっては何物にも代えがたい魅力あふれるものであったはずだ」(○には適当な選手の名前を入れて読んでください)。

 これをクリアできてからが次の段階です。彼(あるいは彼女)をとろかせるような甘い文章、読む人の涙を搾り取るような感動の物語、行間から品格がにじみ出るような美文は、基礎ができてこその技術です。
 必要であれば、またメールでお問い合わせください。その文面で力量を判断させていただきます。

 

 

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