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広大OB田中太郎~リアルを語る~第7弾 「広大卒ですと、なかなか胸を張って言えません」

Q:広大卒ですと、なかなか胸を張って言えません

A:なにかにつけて、「広島大学の卒業生として、自信をもって過ごしてください」とか何とか、耳障りのいいもの言いをしますね、世間知らずのお偉いさんたちって。この言葉をそのまま理解すると、広大卒ですと胸を張らねばならないのか、自分には誇れる学生時代が見つからないのにと気後れしてしまう人がいて当たり前です。
じつは大学名には胸を張っても機能する部分と、胸を張っても無駄な部分があります。そこを見極めねばなりません。

ちょっと考えてみましょう。
卒業した学校の名前を口にすることには、いくつかの機能があります。
まずは、その人の学習能力に関する品質証明。そして育った場所(とそれに付随する)に関する個人の履歴。そして、その人の自己満足に限りなく近い自己主張です。

たとえば、呉原署の刑事、役所広司さんが「一流大学を出た学士様が、なんでまたこんな場末の署で平刑事をなさっておられるんですかいのぉ」と口にします。この場合は、本人の代わりに自己主張をしてあげているような言い方をしつつ、逆手に取った自分の主張の材料にしているんですね。「呉原署の暴力団担当ってのは、頭じゃなくって体とハートでやるもんなんじゃ」ってことです。わかりやすいですね。
どんな場面であっても、大学名で自己主張をするってのは、まともじゃなく、他にアピールする材料がないってことに他なりません。まだ誇れる自分が少ない20歳代くらいならしょうがないですが、アラフォーでそれなら、何にも取り柄がないってことを告白しているようなものです。大学ラグビー部の経験ばかりをアピールする自称プロ経営者なんて、その典型ですね。
では品質証明機能はどうか。
広島高等師範学校の歴史を知っている人たちにとっては、「広島大学です」とはすなわち、教育界でのエリートを意味します。でも教員免許も持っていなければ、教師の経験もないのであれば、そりゃ品質保証にも何もならないし、却って邪魔ですな。
入試偏差値に裏付けられた高い学習能力を誇るのであれば、●大には勝っているかもしれないけど、TとかKとかには足下にも及びません。じゃぁ、広島大学が日本で最高水準の、大学名だけで教育の品質保証ができるだけの教育をしてくれているという仮説も成り立ちはしますが、ははは、、、、ふぅ。

では胸を張れとはどういう意味か。それは大学名に込められた最後に残された機能にあります。学び育った場所に関する個人の履歴です。じつはこの履歴が持つ意味は小さくないのです。
この10数年、就職活動の現場で起きている潮流のひとつに、地方出身者の評価の高まりがあります。ワタシが就職活動をした30年前は、大手企業への就職は出身大学でがっちりと枠組みが存在しました。ざっくりいえば、旧帝大プラス首都圏の有名私立プラスアルファですね。
高度成長期の余裕がある時代であれば、エリートと一般社員、本社と支社の明確な力関係があり、人事は年功と大学序列が機能していたのですが、その後は「数字をあげてなんぼ」「とにかく問題解決」「新規事業をなんとか軌道に載せよ」となっていきます。つまりは実力主義ですね。加えて、情報インフラの整備と交通手段の発達、規制緩和などで、企業の多くは日本全国津々浦々でガチの競争に向き合うようになります。
そうなると、地方で活躍できる人間の評価が相対的に高まります。
なぜか。
ご存じかどうか、東京生まれ東京育ちで地方での生活経験がないワカゾーは、かなりの確率でこう言うのです。「地方に飛ばされるのはいやです」
いつもながら、マジで殴りつけたくなる失礼千万な言葉ですね。人事担当者が頭を痛める姿が目に浮かぶようです。こんなワカゾーをなだめすかした末に「飛ばす」ことができたとしても、ご当人は地元に根付くことをせず、東京に呼び戻されることを指折り数えるようになります。仕事などできるはずがありません。そんなジレンマに煮詰まった末に、第二新卒となるのです。会社にとっては大損害です。
地方出身者、とりわけ地方大学卒であれば、そこの心配はほぼ不要です(少し警戒する必要はありますが)。少なくとも「地方に飛ばす」とは絶対に言いません。大学名には「正真正銘混じりっけなしの田舎者です」と力強い宣言が込められているのです。さらには、ここ数年の「にわか」ではあっても、正統王道のカープファンを裏付ける証明にもなります。

広大ですと胸を張って言うメリットがあるのは、こういうところです。呉原署の暴力団担当刑事なら別の意味もあるのですが、行数が尽きました。

『孤狼の血』をモデルに痛快な回答!さすが田中太郎さん。

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