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広大OB田中太郎~リアルを語る~第20弾 「人生を見直したいので旅にでも出ようと思います」

 

Q. 人生を見直したいので旅にでも出ようと思います

A.やりたきゃ、やんなさい。ほとんどの場合、時間もカネもムダ遣いになりますが、それもまた人生です。

 なぜそう突き放した言い方になるのかというと、旅にでも、の「でも」に引っかかっているからです。

 現実逃避、したくなる気持ちはよくわかりますよ。旅ならば、すべての環境が異空間、リフレッシュにはなるはずです。ただし、一時的な逃避だと理解しておかねばなりません。少し長い休みを取っていろんな刺激を受けてきた、さぁ新しい人生踏み出そうってきっかけにはなるかも知れません。「でも」という言葉には、その程度を想定した覚悟のなさがにおいます。

 私の周りにも結構います。何年か社会人として過ごしてみて、自分の限界や社会の理不尽に直面し、精神的に追い詰められてしまうケースが多いようです。

 古人は、こう教えてきました。「ロバが旅に出たところで駿馬になって帰ってくるわけではない」。

 じゃぁ、駿馬になって帰ってくることがまったくないのかというと、そうでもないんですね。覚悟してかかれば、ムダにならないことがあるってことでもあります。ただし、かもしれない、って程度です。

 それは目的の有無と、その目的を完遂する意思の問題です。

 たとえば、「語学を身につけたい」は目的になり得るかどうか。15年ほど前、ロンドンの友人に連れて行かれた日本式のスナック(こういう店は日本人がいるところ世界中に存在します)にも、隣に女性が座って来ました。聞けば岡山の人で、語学留学でロンドンに来たのだが、、、と良くある転落パターンです。それでも地方都市であれば英国帰りってことで多少は何かいいことがあるんでしょうね。でもそれはかけたカネと時間を考えたら、絶対に見合っていません。多少毛並みのいいロバになれた、くらいでしかないのです。

 では「介護の職場で使えるような英語を身につけたい。1年くらい現地でインターンしたい」だったらどうでしょうか。これからは日本でも間違いなく、外国人の要介護者が出てきます。あるいは日本の介護ビジネスが海外に市場を求めて出て行くことも、十分にあり得ます。そう考えると、この目的意識は正しいと考えてもいいでしょう。

 日本との関係が深いにもかかわらず、話者の少ない言語もたくさんあります。その意味では東欧やアフリカなどの言語の専門家は重宝されていますが、それにしたって教育機関が乱立しているいまどきの東京で、海外に語学の学びを求める必要性は見極めておかねばならないでしょう。私なら、英検でいえば2級程度までは日本で学んで、そこから先の学びを現地で、と考えます。

 何かを極めるという目的があるのなら、それもありです。

 でも「ワインが好きで、フランスをいろいろ旅したい」じゃ物好きに過ぎません。「主要な産地をすべて回って、少なくとも舌で違いが分かるようになる」だったら少しは可能性が出てきます。「ヨーロッパのサッカーを見てみたい」なら単なるファンです。「1シーズン、チームのすべての試合を追いかけた」だったら、その道の専門家の第一歩くらいは踏み出したことになります。「世界の貧困層の実態を知りたくて、ボランティア団体を訪ねてみました」なら、これまでの生き方を考えてみましょうね、程度で終わりますが、「3年間、現地でがっつり支援活動に取り組んできました」なら、あなた自身が大きく成長している可能性があります。「安いツアーですが、船で世界一周して見聞を広めます」なら単なる小金持ちの暇つぶしですが、「陸路をスーパーカブで世界一周、走破しました」なら本の一冊も書けようというものです。

 そんな覚悟がありますか? 

 問題は、易きに流れて、旅に何かを求めてしまっていることに、あなたは気がついていないことです。「旅にでも」出れば何とかなる、あなたの悩みはその程度のものです。ならば2週間ほど旅行すれば、すっかり気分転換になるでしょう。そしてまた、いま置かれた場所でがんばりましょう。

 

 本当に逃避したいのであれば、仕事や居住地をがらりと変えてしまう手があります。

 ワタシの知り合いに、地方都市での生活から逃げ出すために、まったく生活体験のない街に移り住んで鍼灸師の専門学校に入学し、資格を取って開業したって人がいます。しかも50歳を過ぎてからのトライアルです。すごいなぁと感心するばかりです。本気で人生見直すってのは、ここまでの覚悟と見通し、それを支えるある程度の余裕が必要なのです。

 旅で散財などせず、長期戦で将来設計するのもひとつの道です。

 

 

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