2023年度 公開授業・分科会

国語

研究主題:自分や世界について見つめ直し、創造する国語の授業

 私たちは日々の生活の中で,言葉を使って会話し,その言葉をもとに自分や世界について想像し,考えます。しかし,言葉が使いなれたものになると,自分も世界も固定化されたものになってしまうことが多くなります。
 私たち国語科は,さまざまな言葉の学びを通して,自分とは異なる考えや背景を持つ他者の言葉や世界を理解し,自分や世界について見つめなおすことのできる生徒を育てたいと考えています。
 本研究会では,生徒が言葉の世界を拡げることを通して,自分や世界について見つめなおし,創造する国語の授業を提案いたします。

公開授業Ⅰ(9:50~10:40)

 德永 志保  「走れメロス」を読む(中学2年 国語)

公開授業Ⅱ(11:00~11:50)

 大嶋 充敬  鴨長明『無名抄』を読む(高校2年 古典探究)

分科会(12:50~14:40)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 間瀬 茂夫 (広島大学大学院人間社会科学研究科教授) 

 高尾 祐太 (広島大学大学院人間社会科学研究科助教) 

社会

研究主題:社会を分析・考察し,課題解決能力を育てる授業研究Ⅲ 

 社会科(地理歴史科・公民科)では「社会を分析・考察し,課題解決能力を育てる授業研究Ⅲ」というテーマで公開授業を行います。地理的分野(中学校1年生)では,「自然災害と災害への備え」に対してGISを活用し,災害・防災について考える授業を提案します。社会科学(高校2年生)では,「第一次世界大戦と国際社会」を学習し,現代に通じる歴史的事象について考える授業を提案します。また,草原和博先生(大学院人間社会科学研究科教授)をお招きし,「学びの意味を追究した社会科単元デザイン  - IDM(探究デザインモデル)の活用-」というテーマでご講演いただきます。  

公開授業Ⅰ(9:50~10:40)

 番匠谷 省吾  自然災害と災害への備えを考察する(中学1年 社会(地理的分野))

公開授業Ⅱ(11:00~11:50)

 辻本 成貴   第一次世界大戦と国際社会 (高校2年 社会科学)

分科会(12:50~14:40)

 授業反省および研究協議

〈講演〉草原 和博(広島大学大学院人間社会科学研究科教授)

   「学びの意味を追究した社会科単元デザイン  - IDM(探究デザインモデル)の活用-」

指導助言者

 草原 和博(広島大学大学院人間社会科学研究科教授) 

数学

研究主題:数学科の授業における,当事者意識の涵養とともにある課題探究力の育成

「数学科の授業における,当事者意識の涵養とともにある課題探究力の育成」をテーマに公開授業と講演会を行います。中学校1年の公開授業では,不等式を扱うために必要な数感覚や数学的な考え方を育むことを中学1年から取り組み,学力の向上を目指す授業を提案します。高等学校1年生の公開授業は,数学Ⅰ「三角比」の空間図形の計量がテーマです。長方形から立体を組み立てることで,これまでとは違った体積の求め方を考えます。分科会内講演会では,広島大学の影山和也先生,岡山大学の石橋一昴先生をお招きして,新課程における高等学校数学B「統計的な推測」について目指すべき授業についてお話を伺います。 

公開授業Ⅰ(9:50~10:40)

 後藤 俊秀  展開図から考える立体の計量(高校1年 数学Ⅰ)

公開授業Ⅱ(11:00~11:50)

 重松 正樹  中学数学における不等式教材の提案(中学1年 数学)

分科会(12:50~14:40)

 授業反省および研究協議

〈講演Ⅰ〉石橋 一昴(岡山大学学術研究院教育学域講師)

     高校数学B「統計的な推測」の授業づくり

〈講演Ⅱ〉影山 和也(広島大学大学院人間社会科学研究科准教授)

     数学B「統計的な推測」が期待するもの  

指導助言者

 影山 和也(広島大学大学院人間社会科学研究科准教授)

 石橋 一昴(岡山大学学術研究院教育学域講師) 

理科

研究主題:課題を科学的に探究する力を育む理科授業

 理科は、「課題を科学的に探究する力を育む理科授業」をテーマに、探究の過程を通して、物事の本質を知るための視点や資質・能力の育成を図る実践研究に取り組んでいます。公開授業では、中学校「大地の成り立ちと変化」(当校では第3学年で実施)の単元において、土砂災害に関するモデル実験をもとに探究活動を取り入れた授業を、高校2年生物基礎「植生とその変化」の単元において、光合成に関する探究に取り組む活動を計画しています。分科会では、公開授業の研究協議を通じて、授業内容や教材などへのご意見や情報交換をご来校いただいた先生方と行わせていただきたいと考えています。

公開授業Ⅰ(9:50~10:40)

 藤浪 圭悟  光合成(高校2年 生物基礎)

公開授業Ⅱ(11:00~11:50)

 平賀 博之  モデル実験をもとに探究する土砂災害のメカニズム(中学3年 理科)

分科会(12:50~14:40)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 磯﨑 哲夫(広島大学大学院人間社会科学研究科教授) 

 吉冨 健一(広島大学大学院人間社会科学研究科准教授) 

保健体育

教科テーマ:仲間と協働し,多面的に思考を深める保健体育の授業

 中学3年生女子の体育理論では, スポーツへの多様な見方・考え方を拡げるために国際大会の意義や現代のスポーツが抱える倫理的問題などについて考え,議論する場を設けることで,文化としてのスポーツについての理解を深め,豊かなスポーツライフにつながるような授業をめざします。
 高校1年生女子の長距離走では,最適なペース配分や走法などについて仲間とともに工夫しながら取り組み,運動を継続して楽しめるような授業をめざします。 

公開授業Ⅰ(9:50~10:40)

 藤村 繰美  考え、議論する体育理論の授業(中学3年 保健体育)
        ―「文化としてのスポーツ」単元における教材開発―

公開授業Ⅱ(11:00~11:50)

 高田 光代  長距離走を日常に(高校1年 体育)

分科会(12:50~14:40)

 授業反省および研究協議 

指導助言者

 齊藤 一彦(広島大学大学院人間社会科学研究科教授) 

 森垣 雅俊(広島県教育委員会 豊かな心と身体育成課)

芸術(音楽)

研究主題:音楽における多様な価値観を認め,創造的表現の社会的な役割を理解する

 音楽は,人類の長い歴史を通じて,さまざまなアプローチで作り上げられてきました。各時代の最先端の技術を集めて作られた楽器や、楽譜の変遷、歌詞に使用されることばの韻や抑揚,東洋・西洋における音楽の相違点など・・・音楽には,驚くほど多様な価値観を見出すことが可能です。音楽を歴史的な側面,科学的な側面といったさまざまな角度から見つめ,触れることで社会生活における音楽の役割を改めて問いかけます。そして,さまざまな表現活動に対する理解を深め,文章や作品で自分なりに考えを表現できるように活動していきます。 

公開授業Ⅱ(11:00~11:50)

 藤井 惠子  多様な価値観を認め, 論理的表現や創造的表現の社会生活における役割を理解する
       (高校2年 創造Ⅰ(音楽表現分野))

分科会(12:50~14:40)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 伊藤 真 (広島大学大学院人間社会科学研究科准教授) 

技術

研究主題:生活や社会における課題解決を通した,技術イノベーション力の育成Ⅱ

 生徒は中学2年時の「生物育成の技術」において,環境要因データを得られるシステムを圃場に設置し,得られたデータを活用したトウモロコシ栽培を行いました。その際に気づいた問題点を,中学校3年生での本授業において「情報の技術」により解決します。圃場のモデルに各種センサを設置し,栽培管理の効率化を目指した栽培支援アプリの開発を行います。「生物育成」と「情報」の統合的な問題解決の題材を提案いたします。 

公開授業Ⅱ(11:00~11:50)

 三浦 利仁  栽培支援システムを提案しよう (中学3年 技術)
        ~統合的な問題解決活動 「B 生物育成の技術」と「D 情報の技術」~                  

分科会(12:50~14:40)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 谷田 親彦(広島大学大学院人間社会科学研究科准教授)

英語

研究主題:課題探究力の育成をめざした英語教育の創造

 中学校3年生の授業では,視覚資料の描写と解釈を基に意見交換をする,対話的な言語活動を通して,課題探究過程において必要な思考力・判断力・表現力の育成を目標とした授業展開のあり方を提案します。高校1年生の論理・表現Ⅰの授業では,教科書の題材の学習を通して,その題材と現代の社会課題との接点に気付き,当事者意識をもって解決策を提案できることをめざした言語活動を展開します。 

公開授業Ⅰ(9:50~10:40)

 香田 夏美  What Do You Like about Japanese Culture? (高校1年 論理・表現Ⅰ)
        Genius English Logic and Expression Ⅰ:Unit 20

公開授業Ⅱ(11:00~11:50)

 馬越 菫   Imagine to Act(中学3年 英語)
        New Crown English Series 3:Lesson 6

分科会(12:50~14:40)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 小野 章  (広島大学大学院人間社会科学研究科教授)

 富田 京子 (福岡県教育委員会 高校教育課指導主事 ) 

総合的な探究の時間

 広島大学附属福山中・高等学校では,探究課題を生徒自身が設定し取り組む自主的な課題探究を実現すべく,総合的な学習の時間・総合的な探究の時間において様々な取り組みを進めています。現在,「サイエンティスト養成型課題探究学習」と「ジャーナリスト養成型課題探究学習」という課題探究学習の2つの方向性,そして「当事者意識の涵養」といった視点から課題探究のあり方について分析・考察をしています。
 実践報告では,これらの視点に基づいて附属福山取り組みを紹介・説明し,「これまでの総合」についてお話しします。その後,芸術(音楽)の教員が担当する「創造Ⅰ」という総合的な探究の時間の授業実践をご覧いただきます。
 分科会では,「個別最適な学び」について附属福山が何を考え実践しようとしているかについて紹介します。そして,附属福山の実践や考えを呼び水とし,参加者の皆様に様々な疑問・アイデア・悩み・思いなどを語っていただき,「これからの総合」について考える時間にしたいと思います

総合的な探究の時間 実践報告(9:50~10:40)

 下前 弘司   総合的な探究の時間における取り組み

(総合学習の一部としておこなっている音楽の公開授業)(11:00~11:50)

 藤井 惠子   多様な価値観を認め, 論理的表現や創造的表現の社会生活における役割を理解する
       (高校2年 創造Ⅰ(音楽表現分野))

分科会(12:50~14:40)

 座談会形式で,情報交換を中心に協議


up