第340回 物性セミナー(5研究科共同セミナー:12月11日)



題目: 放射光構造解析を用いた結晶中の自由度の直接観測



講師: 澤 博(名古屋大学 大学院 工学研究科)



日時: 2008年12月11日 (木) 16:20-



場所: 先端科学総合研究棟 401N



要旨:

放射光の高輝度・高分解能、波長及び偏光度の可変性能、パルス性、高いコヒーレンシーなど様々な性質を駆使した多くの手法が存在している中で、構造解析といういわば確立された手法をこの分野で用いることは、逆に斬新であると言ってもよいであろう。新物質を開発している現場では、極微量物質の構造同定や、超高圧下などの特殊条件下でのX線回折の有用性は誰もが認めるであろうが、単結晶による最先端の技術と呼べるような新しい展開が望めるのであろうか? 我々は、KEK PFにおいて主に分子性結晶の持つ様々な自由度の観測を行ってきた。構成元素が比較的軽い分子性結晶は、PFの波長領域に大変適切な物質群であると同時に、我が国では多くの新機能物質が合成されており興味深い現象が数多く見つかっている。本講演では、物質中の自由度の決定がどのように為されるかを論じ、最近設置された高エネルギー領域までカバーするSPring-8の新しい単結晶回折装置の紹介と今後の展開について紹介する。



担当: 高畠 敏郎 (先端物質科学研究科)・内線7025



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後援 先進物質機能研究センター





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