題 目 | デュアルフェルミオン法と2次元ハバードモデルの金属絶縁体転移 |
講 師 | 田中 新 (先端物質科学研究科) |
日 時 | 2015年12月22日(火) 16:20- |
場 所 | 理学研究科C212 |
要 旨 | 強相関電子系の電子状態を記述する方法として動的平均場近似が近年盛んに用いられている。しかし、動的平均場近似、あるいはその拡張であるクラスター動的平均場近似は、サイト内、あるいはクラスター内での相関を正しく扱うことができるが、長距離相関の効果を十分に考慮できているとは言いがたい。最近提案されたデュアルフェルミオン法では、動的平均場近似を拡張して摂動論的に長距離相関効果を取り入れる。この方法を用いたほとんどの先行研究では、連続時間モンテカルロ法を有効不純物アンダーソンモデルを解く方法として用いているが、本研究では、新たに開発したランチョス厳密対角化による計算手法を用いる。厳密対角化法は、低温領域を扱うのがモンテカルロ法に比べて容易であり、また、統計誤差の問題がないため、スペクトル関数等を精度よく計算できるのが特徴である。 本セミナーでは、動的平均場およびデュアルフェルミオン法と最近のこの分野の動向に関して概括し、本研究で用いた計算手法の紹介とその応用例として2次元ハバードモデルの金属絶縁体転移についてスペクトル関数(特に絶縁体ギャップ、擬ギャップ等)との関連において議論する。 |
担 当 | 松村 武(先端物質科学研究科) |
*5 研究科共同セミナーの認定科目です