第476回物性セミナー開催(5研究科共同セミナー:1月27日)



題 目 トポロジカル絶縁体・超伝導体の分類について
講 師 塩崎 謙(京都大学理学研究科)
日 時 平成27 年1 月27 日(火) 15:00-
場 所 先端物質科学研究科 402N
要 旨



トポロジカル絶縁体・超伝導体とは自由フェルミオンのトポロジカル相である。トポロジカル相の研究においてはまず、どのような対称性の下どのような非自明な相が出現し得るか、という分類問題が出発点となる。本講演ではトポロジカル絶縁体・超伝導体の分類問題について話したい。

トポロジカル相には以下の3つトピックがある。

(a)トポロジカル絶縁体・超伝導体

(b)欠陥に局在するギャップレス状態

(c)ワイル、及びディラック半金属・超伝導体

上記の3つの項目は「欠陥ギャップレス状態は絶縁体の端状態とみなすことができる」、「バルクのトポロジカル相と境界ギャップレス・トポロジ カル相とは1対1に対応する(バルク-境界対応)」という経験則により互いに密接に関係している。トポロジカル絶縁体・超伝導体の分類表の導 出について簡単に紹介し、3つの同等性について確認する。

さらに進んだトピックとして、結晶対称性によって守られたトポロジカル相の分類問題について議論したい。現在、簡単な点群対称性に対してのみ 分類が行われているに過ぎず、分類が未解明な対称性クラスが多々存在する。位数2の磁気点群(Z2 グローバル、鏡映、2回回転、空間反転)に 対しては系統的な分類が可能であり、このことについて解説する。



Ref: Ken Shiozaki and Masatoshi Sato, Phys. Rev. B 90, 165114 (2014).

担 当 井村 健一郎 (先端物質科学研究科)

*5 研究科共同セミナーの認定科目です


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