平成23年度「博士課程教育リーディングプログラム」に放射線災害復興を推進するフェニックスリーダー育成プログラムが採択されました



 国際的に活躍できる博士人材を育成するため文部科学省が平成23年度から実施する「博士課程教育リーディングプログラム」に、広島大学申請のプログラムが採択されました。

 本プログラムは、博士課程を設置する国公私立大学が、優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え広く産学官にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くために、養成すべき人物像を明確に設定し、専門分野の枠を超えて博士課程前期・後期一貫した質の保証された学位プログラムを構築・展開する事業が対象とされています。

 各大学から101件の申請があり21件が採択されました。



採択された取り組みは以下の通りです。


 採択プログラム名称:放射線災害復興を推進するフェニックスリーダー育成プログラム

-放射線災害による人と社会と環境の破綻からの復興を担うグローバル人材養成-

[複合領域型(横断的テーマ)]



プログラム概要説明図



概 要:

 広島大学は、世界で最初の被爆地に誕生した総合大学として、広島の原爆被害からの復興を支えてきました。

特に、原爆放射線医科学研究所(原医研)は、医歯薬学総合研究
科や病院とともにゲノム障害科学を基盤とした新しい放射線災害医療学を切り開き、被ばく者医療を担う医療人や放射線影響関連研究者の育成・支援を行ってきました。

さらに、広島大学は「西日本ブロックの三次被ばく医療機関」として、緊急被ばく医療活動を展開すると共に、国際原子力機関(IAEA)やWHOの緊急被ばく医療ネットワークに参加し国際的な活動にも取り組んできました。



 平成23年3月11日に発生した未曾有の東日本大震災と、それに続く福島第一原子力発電所事故を受け、日本は初めての原発災害を経験しています。

原発災害では、被ばく
による人体障害や環境放射能汚染に加え、環境放射能汚染に対する国民の不安とストレスによって、結果的に人や社会までもが破綻することが明らかとなりました。



 これら原発災害の様々な問題に対応するため、本プログラムでは、原爆からの復興を支えた広島大学の実績と経験を生かして、分野横断的・実践的学問領域である「放射線災害復興学」を確立し、放射線災害医療コース、放射能環境保全コース、放射能社会復興コースにおいて「放射線災害から生命を護る人材」、「放射能から環境を護る人材」、「放射能から人と社会を護る人材」を育成します。

各コースでは共通科目、専門プログラムに加えて、ヒロ
シマ・フェニックストレーニングセンター(HiPTC)での実践トレーニング(放射線事故被災者に対する緊急時医療、緊急時医療要員の教育訓練、環境放射能線量測定・評価訓練など)を中心に、福島フィールドワーク、国際機関(IAEA、WHO)・関連企業・地方自治体でのインターシップ等の実践教育を提供します。

以上のトレーニングを通して、放射線災害に適正に対応し、明確な理念の元で復興に貢献できる判断力と行動力を有した、国際的に活躍できる分野横断的統合的グローバルリーダー(フェニックスリーダー)を輩出します。

 財政支援期間は,平成23年度から平成29年度までです。







【申請に関するお問い合わせ先】

広島大学リーディングプログラム機構事務室(
教育室育企画グループ) 

TEL:082-424-6152

E-mail:leading-program*office.hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に置き換えてください)


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