広島大学 原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害医学研究センター ゲノム障害病理研究分野 再生医科学研究部門 教授
広島大学病院 未来医療センター長
東 幸仁
TEL: 082-257-5831
E-mail: saisei*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)
花王株式会社 広報部
TEL: 03-3660-7041、7042
広島大学 原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害医学研究センター ゲノム障害病理研究分野 再生医科学研究部門 東幸仁教授(広島大学病院 未来医療センター長も併任)と花王株式会社 生物科学研究所の研究グループは、コーヒー豆に含まれるポリフェノール「クロロゲン酸類」の生体への機能性について研究を行なってきました。クロロゲン酸類には血圧を下げる効果があることが報告されていますが、このたび、血圧が高めの日本人成人を対象にしたヒト試験で、コーヒー豆の焙煎により生成する酸化成分を低減したクロロゲン酸類含有飲料を単回摂取した場合、食後の血管内皮機能*1が改善することを示唆する結果を得ました。
本研究内容はEuropean Journal of Nutrition(2018)に掲載されています。また、研究内容の一部は、第83回日本循環器学会学術集会(2019年3月29~31日、横浜市)および American Heart Association Scientific Session(米国心臓協会学術集会、2017年11月11~15日、アナハイム、カリフォルニア)で発表しています。
*1 血管内皮機能:血管の最内層にある細胞、血管内皮細胞の機能のこと。血管壁の収縮・弛緩(血管の硬さ、やわらかさ)、血管壁への炎症細胞の接着、血管透過性、凝固・線溶系の調節など、健康な血管の維持に重要な役割を果たしています。動脈硬化は血管内皮機能の低下から始まるとされています。血管内皮機能の低下は高血圧症や糖尿病などの病態に加えて加齢、肥満、運動不足、喫煙、塩分の過剰摂取などの生活因子でも引き起こされることが知られています。
これらのことから、酸化成分を低減したクロロゲン酸類含有飲料の単回摂取によって血管内皮機能が改善すること、および、焙煎により生成する酸化成分がクロロゲン酸類の血管内皮機能改善効果を弱めることが示唆されました。
図1 試験飲料摂取後の血管内皮機能の変化
平均値±標準偏差 Paired t test (vs. baseline) European Journal of Nutrition(2018).より改変、作図
Kajikawa M, Maruhashi T, Hidaka T, Nakano Y, Kurisu S, Matsumoto T, Iwamoto Y, Kishimoto S, Matsui S, Aibara Y, Yusoff FM, Kihara Y, Chayama K, Goto C, Noma K, Nakashima A, Watanabe T, Tone H, Hibi M, Osaki N, Katsuragi Y, Higashi Y Coffee with a high content of chlorogenic acids and low content of hydroxyhydroquinone improves postprandial endothelial dysfunction in patients with borderline and stage 1 hypertension., Eur J Nutr. (2018) doi: 10.1007/s00394-018-1611-7 [Epub ahead of print].
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29330659
広島大学 原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害医学研究センター ゲノム障害病理研究分野 再生医科学研究部門 教授
広島大学病院 未来医療センター長
東 幸仁
TEL: 082-257-5831
E-mail: saisei*hiroshima-u.ac.jp (注: *は半角@に置き換えてください)
花王株式会社 広報部
TEL: 03-3660-7041、7042
掲載日 : 2019年04月05日
Copyright © 2003- 広島大学