メールマガジン No.26(2008年9月号)

リテラ友の会 メールマガジン No.26(2008年9月号)
2008/9/24 広島大学大学院文学研究科・文学部

□□目次□□
1.帝釈峡遺跡群発掘調査レポート
2.今月のコラム(総合人間学講座准教授 高永 茂)
3.文学研究科・文学部主催の公開講座のご案内
4.文学研究科(文学部)ニュース
5.広報・社会連携委員会より
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【1.帝釈峡遺跡郡発掘調査レポート】

  考古学分野では1961昭和36年の帝釈馬渡岩陰遺跡の発見以来、翌年から第1次調査を開始し、毎年継続して発掘調査を実施しています。今年の夏も野外考古学実習の一環で、神石高原町の帝釈大風呂洞窟遺跡13次調査と庄原市の佐田峠墳墓群2次調査を行いました。8月12日に出された『いわかげ』114号から文学部2年生小林彬君のコラムを掲載します。発掘に初挑戦する学生さんのういういしい体験記をご覧ください。

「初めての帝駅峡発掘 考古学分野2年 小林 彬 」

 考古学に期待を寄せて広島大学に入学した僕にとって、今回が人生最初の発掘です。僕が担当させてもらったのは今回が第1期の発掘となる佐田峠墳墓群の3号墓です。初めての発掘のため、第1期の発掘は正直プレッシャーでした。掘るにしてもどのように掘ればいいのか、どこまで掘ればいいのか、全然わからなくて、発掘前に緊張で押しつぶれそうでした。でも、いざ発掘にはいってみると先輩たちはわかりやすく掘り方を教えてくださり、先生は軽くジョークをとばしてくださったりと、周りの人たちの気遣いで僕はこころに余裕をもつことができました。それからは発掘をするのが楽しくなり、毎日早起きをして発掘を心待ちにしている自分がそこにいました。発掘中もただ掘るだけでなく自ら意見も出しました。右も左もわからない僕ですが、先輩たちは意見をないがしろにせずにしっかリ受け入れてくださって、僕は素直に感動しました。発掘初期のいま、帝釈峡発掘に楽しみを見出せたのですが、これからの発掘でも多くの楽しみを見出していこうと意気込んでいます。

ここに紹介する『いわかげ』は、地域の皆さんに発掘の成果をお知らせするために発行している調査速報です。
『いわかげ』バックナンバーは考古学研究室のホームページからご覧いただけます。
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【2.今月のコラム】

「周防大島に通って早4年」 総合人間学講座准教授 高永 茂

  私が周防大島に通うようになってから丸4年が経とうとしています。
周防大島文化交流センターの開所式で職員の方と話をしたことが、宮本常一の蔵書の整理を始めるきっかけになりました。たまたま隣席となった職員の方から、多くの貴重な資料があるのだが整理をする手が足りないという話をうかがいました。それならば広大の学生たちに声をかけてみましょうと私は答えました。私の呼びかけに数人の学生が手を挙げてくれました。ただし、最初の1年半ほどは本当のボランティアでした。宿泊場所として町の公民颳を無料で貸してもらいました。それでも学生たちは何度も周防大島に来てくれました。話をしながら一緒に作業を進める日々は楽しいものでした。その後、サタケ財団の助成金や地域貢献研究の研究費を頂戴できるようになり、旅費や宿泊費で学生に迷惑をかけることはなくなりました。その点だけでもホッとしています。現在も手分けをして蔵書整理の作業を進めています。
  宮本常一自身の著作約2500点については今年度中に目録が完成する予定です。

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【3. 文学研究科・文学部主催の公開講座のご案内】

今年も「21世紀の人文学」講座を開催いたします。
5年目を迎える今年のテーマは「日本文化を読み解く」です。
私たちの生活をとりまく、「日本文化」とはいったいどういうものでしょう?
「日本文化を読み解く」というテーマのもと、日本文化の具体的な姿と日本文化の持つ可能性について、国内外のさまざまな視点から、大胆に解説・展開するという内容にいたしました。この講座を通じて、私たちの生活や文化、地域や世界を見るまなざしを、あらためて考えていただければと思います。

日時:11月1日(土)・8日(土)・15日(土)13時~115時30分
場所:広島市中区公民館・広島大学霞キャンパス(歯学部)
定員:50名(先着順受付)
申し込み締め切り:10月20日(月)

【プログラム】
第1回 11月1日(土) 「言語と環境」
高永 茂(文学研究科准教授) 「日本語の敬語を考える」
岡 元司(文学研究科准教授) 「“環境”が結んだ中世東アジア」

第2回 11月8日(土)「地域から世界へ」
本夊 博之(文学研究科准教授) 「石見銀山をめぐる人々」
山代 宏道(文学研究科教授) 「移り住む日本文化?広島からハワイへ?」

第3回 11月15日(土)「交差する文化」
河西 英通(文学研究科教授) 「日本文化をひっくり返す?」
田中 久男(文学研究科教授) 「日本の文芸家が見たアメリカ」

受講対象:高校生・一般
会場:第1回・第2回/広島市中区公民館大集会室 (広島市中区西白島町24番36号)
アストラムライン 城北駅下車 徒歩3分
市内バス 広島バス23号線及び23-1号線 西白島下車 徒歩3分
*会場には駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用ください。
第3回:広島大学歯学部講義室
広島市南区霞1丁目2番3号
市内バス:広島バス5号線及び広電バス26-1号線
夓学病院下車 徒歩1分

申し込み:下記の方法で必ず事前に申し込みをしてください。
統一テーマによる講座ですので、3回の講座すべてに出席いただくことを希望します。

申し込み方法:電話・ファックスまたはEメールで『住所・氏名・電話番号・年齢』をご連絡ください。
TEL.082-424-6620 FAX.082-424-0315
E-mail: bun-soumu@office.hiroshima-u.ac.jp

共催/(財)広島市ひと・まちネットワーク 中区公民館

問い合せ先:広島大学大学院文学研究科
〒739-8522 東広島市鏡山 1-2-3
TEL:082-424-6606

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【4.文学研究科(文学部)ニュース】

○「文藝学校」講演会のおしらせ

文学研究科では、文学・語学系の教員を中心として、「文藝学校」と名づける社会貢献活動を展開しています。米子での講演を以下の要領で開催します。米子での活動は今年で6回目、恒例となっています。

日時:9月27日(土)13時 30 分~16 時 40 分
場所:本の学校 2階 多目的ホール

演題 1:「源氏物語千年紀」とは何か?
講師:妹尾好信(広島大学大学院文学研究科教授)
今年 2008 年が「源氏物語千年紀」とされる理由とその意義について、主に『紫式部日記』を材料に考えます。

演題 2:ハックの旅の光と陰
講師:田中久男 (広島大学大学院文学研究科教授)
マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』(1885年)が、なぜ今でも問題作として注目されるのでしょうか?

演題 3:お芝居の歴史と面白さ
講師:松本陽正(広島大学大学院文学研究科教授)
フランスにおける演劇の確立から戦後のヌーヴォー・テアトル(「新しい演劇」)までの流れを分りやすく辿ってみます。

主催:広島大学大学院文学研究科「文藝学校」・「本の学校」郁文塾
共催:(株)今井書店グループ
後援:鳥取県教育委員会・米子市教育委員会・「本の学校」生涯読書をすすめる会
                                (「文藝学校」世話係 松本 陽正)

○広島大学ホームカミングデー
文学部・文学研究科企画「世界とふれあう語学カフェ」&「私が見たニッポン・ヒロシマ」

今年で3回目となる「世界とふれあう語学カフェ」。
文学研究科に在籍する韓国・トルコ・中国などの出身の留学生が日常会話や国・地域の生活や文化を楽しく紹介します。出身国のお茶やお菓子のサービスもいたします。あわせて学生ロビーでは「私が見たニッポン・ヒロシマ」と題して、留学生が撮影した日本の風景や素敵なショットをパネルにして展示します。また、千田キャンパスに思い出の多い卒業生のみなさんには、当時の学生生活を懐かしんでいただけるように、千田キャンパスの写真も展示いたします。

日時:2008年11月1日(土)14時から
場所:文学部B153講義室
参加費:無料

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【5.広報・社会連携委員会より  後藤 秀昭】

 4月から広報・社会連携委員をしております後藤秀昭です。赴任2年目ですが,文学部が社会からどのように見られているか,期待されているかを考える貴重な機会となっており,感謝しております。

  この夏休みに広島大学総合博物館の主催で「宮島展」が開催されました。島の自然環境などとともに,厳島神社に関わる文学や歴史,文化財の展示が多数あり,多くの文学部の先生方が協力しておられました。熱心にご覧になる来訪者も多く,身近にある対象を再発見し,興味深いと感じた方が少なくなかったと聞いています。いにしえを知り,思いをよせ,味わうという文学部の本質的な部分でよろこんでくださる方は少なくないようで,文学部の一員としてうれしく思っています。

  文学部の玄関ホールと2階ロビーには総合博物颳のサテライト展示があります。数ヶ月毎に展示は入れ替わっています。「お宝」の陳列ではなく,文学部の「財産」を生かし,多くの方に関心を寄せていただける展示を委員会では考えています。次回は,西条やキャンパス周辺の地域の変化がテーマです。100年前の西条や大学の様子をご覧いただき,地域を再発見してくださればと願っています。展示物は,地理学教室の私が準備します。

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リテラ友の会・メールマガジン

オーナー:広島大学大学院文学研究科長  富永一登
編集長:広報・社会連携委員長  河西英通
発行:広報・社会連携委員会

広島大学大学院文学研究科・文学部に関するご意見・ご要望、
メールマガジンへのご意見、配信中止・配信先変更についてのご連絡は
下記にお願いいたします。
広島大学大学院文学研究科 情報企画室
電話 (082)424−4395
FAX (082)424−0315
電子メール bunkoho@hiroshima-u.ac.jp

バック・ナンバーはこちらでご覧いただくことができます。

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