メールマガジン No.58(2013年11月号)

リテラ友の会 メールマガジン No.58(2013年11月号)
2013/11/22 広島大学大学院文学研究科・文学部

□□目次□□
1.文学研究科・文学部互助会レポート
2.リテラ「21世紀の人文学」講座2013のご報告
3.文学研究科外国人留学生懇親会レポート
4.文学研究科秋期講演会レポート
5.第7回広島大学祭ホームカミングデー「世界とふれあう/語学カフェ」レポート
6.文学研究科(文学部)ニュース
7.広報・社会連携委員会より
    
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【1.文学研究科・文学部互助会レポート 文学部互助会幹事長 後藤 弘志】

 10月5日に、互助会旅行「御縁結びの出雲大社、美肌の玉造温泉にてランチビュフェ」日帰りバスの旅に出かけてきました。

 西条出発の本隊は早朝7時前集合にもかかわらず、バスに乗り込むや酒宴が始まり、広島駅で分隊を吸収して30分後にはすでに緊急トイレ休憩。このまま行けばSAの各駅停車かと心配している内に、なんとかバスは、3月に三次以北が開通した松江道に入りました。県境の道の駅高野はトイレの使用制限を行うほど盛況とのこと。要領よく用を足し、トイレ横の「雪むろ」なる貯蔵施設に集った面々は、おのが肌身で寒さを確かめなければ気が済まない因果な人たち。中には、もう一度トイレに駆け込む者も出る始末。

 宍道湖が眼下に広がるころ、添乗員さんはお決まりの「お賽銭の語呂合わせ」。5円玉1枚は「ご縁がありますように」、15円は「十分ご縁がありますように」、45円は「始終ご縁がありますように」、65円 は「ろくなご縁がない」、75円 は「なんのご縁もない」。「ほうほう」とうなづく一同は、5月に遷宮を終えたばかりの本殿をそそくさとお参りしたのでした。終日雨にたたられた旅行でしたが、このときばかりは天も涙をこらえてくれました。

 昼食は玉造温泉で少々味気ないバイキング。ここで温泉組と勾玉づくり体験組に分かれ、それぞれ励んだのでした。東広島に辿り着いたのは夜8時前。さすがに遠かった、、、参加されなかった皆さん、おみやげの一福のそば、宍道湖のシジミのお味噌汁はいかがでしたでしょうか?

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【2.リテラ「21世紀の人文学」講座2013のご報告 歴史文化学講座教授 八尾隆生】 
 
 10月19日、広島市まちづくり市民交流プラザにて今年度も『リテラ「21世紀の人文学」講座2013』が開催されました。講師をお勤めいただいたのは中国文学の陳翀(ちゅう)先生と日本史学の本多博之先生です。
 
 陳先生の報告題目は「平清盛の天下観と国家像―東アジア海域秩序の再建と『太平御覧』の渡来―」。まず清盛を中心とする日宋交渉の経緯を語られた後、関係が正常化された証として清盛から武具が、そして南宋からは『太平御覧』が贈られたのではないかという興味深い説が披露されました。

 本多先生の題目は「天下統一と銀流通」。石見銀山開発のはなしに始まり、当時の国際貿易の決済手段となった銀をめぐる日本国内諸大名の動向が、時系列に沿ってわかりやすく解説されました。

 当日の聴衆は50名余りで、両報告ともに報告後の質問が相継ぎ、盛況のうちに無事終了いたしました。「中国人の先生に日本史を教えてもらった」「去年の大河ドラマを見ておけばよかった」「石見ってそんなにすごいのか」など、文学部の学生がもらすものとは違う感想も沢山いただきました。ちなみにちゃっかり「一週間後に広大本部キャンパスで広島史学研究会大会が開かれます」と宣伝しましたところ、熱心な方数名が本当に参加されてびっくり。やはり日本人は歴史好きなんですね。両先生、ありがとうございました。

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【3.文学研究科外国人留学生懇親会レポート】 

 10月21日(月)18時より毎年恒例の文学研究科外国人留学生懇親会を学士会館レセプションホールで開催しました。今回は、外国人留学生76人、学生チューター4人、教職員21人、合計101人の参加がありました。新入生の自己紹介や特技のピアノ演奏を披露したり、ビンゴゲームなどで楽しい時間を過ごしました。

 当日、ピアノ演奏をしてくださった薛梅(せつばい)さん(比較日本文化学専攻)の感想を紹介します。

  私は今回、文学研究科留学生懇談会に参加させていただき、下手なピアノ演奏をさせていただいた上にBingoゲームでも当選しました。とても幸運で有難く思っています。
 会では全員揃って食べたり、飲んだリ、話し合ったりして盛り上がり、私も文学研究科の一員としての連帯感が出てきました。
 お陰さまで留学初期の寂しさはなくなり、心が温まりました。この素晴らしい懇談会に力を尽くしていただいた先生とスタッフの皆様に心より感謝いたします。
 皆様と心を合わせ、これからの二年の留学生活を楽しんでいきたいと思っています。

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【4.文学研究科秋期講演会レポート 博士課程前期 歴史文化学講座(日本史学専攻) 阿武 旭】 
 11月1日(金)に文学研究科秋期講演会が開催され、3人の先生方が講演された。
 まず、ホーチミン市国家大学の学長であるセン先生がホーチミン市国家大学の概要について講演された。

 次に、同大学のルック先生が近年のベトナムにおける日本研究の状況について講演された。ベトナムでは、日本経済を研究し、自国の参考にしようとする日本経済研究が積極的に推進されている。私が専門としている日本史においても、現代日本の成長の基礎となった近現代史の研究が中心となっている。現在の日本との関係を視野に入れた研究方法は、時代ごとの研究に偏りがちな日本の研究者にとって見習うべき点が多いように感じられる。しかし、ルック先生は同時に、日本の歴史の良い面ばかりを捉えようとする点がベトナムにおける日本研究の短所であり、多様な視点からの本格的な日本研究が必要であるともおっしゃった。私は日越の研究者の共同研究と史料の共有化を行なうことで、日越そして東アジア全体の研究をさらに進展させることができると感じた。

 最後に、ブラジルの広島県人会の大西会長がブラジル移民の現在までの軌跡について講演された。大西会長は、日本にいる私たちがなかなか知ることのできない、渡航直後から今にいたるまでの現地の状況や勝ち組・負け組といった第二次大戦直後における日系移民間の軋轢、移民の実体験やその際に感じたことなどを詳細に説明してくださった。私は移民研究において、日本やブラジルによる上からの政策だけでなく、現地の移民の実態をもとらえた、多角的な研究が必要なのだと痛感した。

 今回の講演を拝聴して、私の視野は以前よりも広がったように感じる。3人の先生方のお言葉を参考にしながら、広い視野をもって自分の研究に取り組んでいきたい。

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【5.第7回広島大学祭ホームカミングデー「世界とふれあう/語学カフェ」レポート】 
 今年は、ハンガリー、中国(山東省)、ブラジルの留学生に協力していただき、会場を文学部1階学生ロビーに変更し、それぞれのお国のカフェに皆さんをご案内しました。

 今年の「語学カフェ」の特徴は、食べ物にこだわったことです。ハンガリーのお菓子「バニラリング」は、ハンガリーカフェ案内人のカタリンさんのお友達からの直送品。中国カフェの案内人の劉傑さんが紹介する水餃子(国内製造の冷凍品)は、文学部の陳准教授から提供していただいた黒酢で召し上がってもらいました。ブラジルカフェ案内人のウーゴさんが紹介するチョコレート菓子「ブリガデイロ」は、茨城県のパティシエさんからの直送品でした。

 カフェにお越しいただいた皆さんも大変熱心で、最後に設けた「質問コーナー」では、さまざまな質問をなげかけてくださいました。和やかな雰囲気に包まれた「語学カフェ」が小さな国際交流の場になったことは間違いないでしょう。

 今年来られなかった皆さん、来年は是非、お越し下さい。お待ちしています。
 最後にカフェ案内人をつとめていただいた三人の留学生の感想を紹介します。

◇ダルミ・カタリンさん(Dalmi Katalin)
  大学祭の一つのイベントとなっている「語学カフェ」には、今年初めて、発表者として参加させていただきました。
 ハンガリーやハンガリー語が日本ではあまり知られていないと思いましたが、ハンガリーに旅行した経験のある方、またはハンガリーの文化に詳しい方もいらっしゃったので、最初の緊張感がすぐ飛んでいきました。自分の発表が終ってから、ブラジルの美味しいコーヒーや中国の水餃子を試食しながら、両国についての発表を聞くのも大変楽しかったです。また、イベントの後半で行われた質問コーナーで、お客さんからの面白い質問やそれへの答えで皆が一緒に盛り上がって、いい雰囲気のイベントとなり楽しい時間を過ごすことができました。 来年の「語学カフェ」にも、観客だけとしても、是非参加したいと思います。

◇劉 傑さん
 今年の語学カフェで、私は中国の泰山と水餃子について話をしました。
 泰山は、私が住んでいた山東省泰安市に位置する山で、昔は皇帝が「封禅の儀」を執り行った霊山です。私は、泰山文化及び「封禅の儀」とのかかわりを中心に、中国の古代文明の一角を説明しました。水餃子については、中国人と日本人の餃子に関するイメージの違いや中国の水餃子の作り方を簡単に話しました。
 今回の語学カフェを通して、まず、自分の国のことを聞いていただき、また自分の国を振り返って見ることもできました。そして、ハンガリーとブラジルについての紹介を拝聴するチャンスをいただき、日本に居ながら日本以外の文化にも幅広く接触できました。自国では当たり前のことは、他国で当り前ではなくなるようなことを見聞きし、また質問コーナーで自分の考えを述べて、お互いの理解を深めました。そのほか、在席の皆様方に簡単な言葉をお教えした時も、皆様方は元気に反応してくださり、これを見た私もより元気になり、楽しかったです。
 拙い発表ながら、最後までご静聴いただいた観客の皆様方ならびに、私にこのような機会を与えてくださった先生方、スタッフの方々に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

◇ウーゴさん(Hugo Santos de Godoy)
 語学カフエはとても楽しかったです。文学部の留学生達は自分の国を少し説明するのは大学だけでなく、留学生にもいい経験だと思います。語学カフェを行うため、発表者は自分の国の大切なことが沢山あるけれども長くてつまらない話にならないように自分の国のなにを見せるのを考えなければなりません。
 国の文化と言えば、もちろんその国の料理は大切です。そのため、発表者は自分の国の好きな食べ物や自分の国の有名な食べ物などを考えるのも大切です。
 私は私にとってブラジルの大切なことを選んで説明いたしました。その上、日本人の皆様とブラジルのことを話すのは大事なことでした。その機会があったのは嬉しいです。

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【6. 文学研究科(文学部)ニュース】

○内海文化研究施設 第28回 季例会・公開講演会を開催します
【日時】2013年12月2日(月)13:30〜
【場所】広島大学文学部B104講義室 [東広島キャンパス]
          ※無料

○広島交響楽団による『リテラコンサート2014』を開催します
【日時】2014年5月24日(土)14:00〜
【場所】広島大学サタケメモリアルホール
    ※今年度は開催しません

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【7.広報・社会連携委員会より 川島 健】

 冷え込みが厳しくなるとともに、東広島キャンパス周辺の木々もすっかり色づきました。我が家のベランダではつい二週間前まで朝顔が咲いていましたが、今周囲を見回すと赤や黄の葉に覆われています。でもすでにその季節も冬に変わろうとしています。長い夏は日本から秋を駆逐しようとしているようです。「春夏冬中」と書いて「あきないちゅう(商い中)」と読ませるレトリックもそろそろ使えなくなるかもしれません。

 今回のメルマガは国際色豊かなものとなりました。キャンパスを歩いていても様々な肌色、髪色の学生と出会います。ところで来日前から留学生は日本の桜のことは知っていても、紅葉の美しさはまだまだ知られていないようです。確かにニューヨークやロンドンの秋も綺麗ですが、キャンパス周辺(特にブールバールからみえる鏡山公園)の紅葉は格別です。秋は短くなったけれど、この風景のことは帰国後も忘れずにいてほしいと思います。

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リテラ友の会・メールマガジン

オーナー:広島大学大学院文学研究科長  勝部眞人
編集長:広報・社会連携委員長  友澤和夫
発行:広報・社会連携委員会

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