メールマガジン No.62(2014年7月号)

リテラ友の会 メールマガジン No.62(2014年7月号)
2014/7/25 広島大学大学院文学研究科・文学部
  
□□目次□□
1.「2014リテラ スプリングコンサート」レポート
2.平成25年度サバティカル研修を終えて
3.教員採用試験<面接>必勝法講習会レポート
4.二月会と酒都・西条
5.文学研究科(文学部)ニュース
6.広報・社会連携委員会より
    
------------------------------------------------------------------

【1.「2014リテラ スプリングコンサート」レポート 広報・社会連携委員 金子 肇】

 去る5月24日(土)、サタケメモリアルホールにてリテラスプリングコンサートが開催され、東広島市の内外から230人余りの方々にお越しいただきました。今年でちょうど10回目を迎えたリテラコンサートですが、今回は広島交響楽団弦楽八重奏と東広島マンドリンアンサンブルの皆さんをお招きしました。

 日頃生の音楽を聴くことがない私は、演奏者と聴衆とが一体となるコンサートの素晴らしさに、裏方の仕事そっちのけで正直感動してしまいました。会場の皆さんも、マンドリンが紡ぎ出す美しい音色に酔いしれ、クラッシックからアニメソングまで幅広く取り上げた弦楽八重奏団のアンサンブルを大いに満喫されたようでした。また、司会を務めた渡辺紗優袈さん(文学部2年生)もプロ顔負けの進行ぶりで好評でした。

 ところで、今年のリテラコンサートの参加者数は昨年の430人余りを大きく下回り、ホールはやや空席が目立っていました。恐らく、開催時期が5月という行楽シーズンで、しかも当日が好天に恵まれたということも影響したと思われます。リテラコンサートは、文学部が地域と交流を深める上で大いに貢献してきた催しですし、アンケート調査からは「子供も一緒に来る事ができるので毎年楽しみにしています」、「次回の開催を切に願うばかりです」といった聴衆の方々の熱烈な支持を窺うことができます。演奏の素晴らしさに感動した私自身、「来年が楽しみだなあ」という想いがあります。

 しかし、10回目という節目を迎え、リテラコンサートのあり方をふり返ってみることも必要でしょう。あるいは、コンサート(音楽)以外に、地域との交流という目的にふさわしい別メニューがあるかもしれません。また、発想を転換して、目的そのものから考え直し、メニューを再検討するということも考えられます。本メルマガ読者の皆さんは、どうお考えですか。積極的なご意見をお寄せいただければ幸いです。

最後にコンサートで司会を担当していただいた渡辺紗優袈さんの感想を紹介いたします。

 この度司会を努めさせて頂きました、文学部人文学科日本文学語学コース2年の渡辺です。
 高校時代放送部で、大学に入ってからもMCのアルバイトなどはしていますが、今回のような大舞台での司会は初めてでした。大勢のお客様の視線の中で司会をすることによって数多くのことを学ばせて頂きました。
 例えば、私は緊張することによって早口になってしまうこと、台本の通りに進行するのではなく、その場の状況によって臨機応変に対応できるアドリブ力が足りないということです。これらの反省点に関しては、次回に活かせるように努力を重ねて行きたいと思います。また、今回の経験を通して、司会をすることの楽しさや、やりがいを再確認することが出来ました。
 東広島マンドリンアンサンブルの皆さん、そして広島交響楽団さんのような素晴らしい方々のコンサートのお手伝いをできたことを心から嬉しく思います。貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました。

-----------------------------------------------------------------
  
【2.平成25年度サバティカル研修を終えて 欧米文学語学・言語学講座教授 吉中 孝志】 

 成果報告は、去る6月16日に終えたので、ここでは、願わくば今後の課題として頂けるようにこの制度のマイナス面を体験に基づいて記録しておきたい。まあ、たぶん愚痴にしかならないのだろうけれども。

 かつては在外研究という形で、渡航費、滞在費を保障された研究制度があった。一生に一回とはいえ、否、だからこそ、外国文学を研究している大学教員にとっては、極めて重要な研究期間であった。所属する研究機関や人物にもよるのだろうが、かつては3年間とかいうのも聞いたことがある。どんどん短くされたとはいえ、少なくとも10ヶ月は、時間と資金をもらって研究に専念できた時期がかつてはあった。

 やがて学部での選考もなくなり、大学全体での選考もなくなり、ついに国レベルでの選考もなくなった。

 せめてサバティカルという形で時間だけは確保できないか、と10年くらい前に教授会で声をあげたが、空しく掻き消された。それは全学の決めることだから、と。何もなかったあの頃と比べれば、サバティカル制度が2年前に始められたことは大歓迎すべきことだとは思う。しかし、やはり在外研究に要する渡航費や滞在費をもらえないのは、厳しかった。基盤化された科学研究費を繰越し、前倒しして使ったが、望んでいたような研究が現地でできるような余裕は全くなかった。私費を投じようにも、復興支援の名目で10パーセントカットされた給料と、教育費が一番かかる年齢にある子どもたち4人をかかえ、生活するのがやっと。

 我々のサバティカル制度は、中小企業での育児休暇に似ている。自分がいない間の仕事を誰が代わるのか、という困難が付いて回るという点で。事実、学内業務や授業を補える教員が数的に揃っていない専門分野では、サバティカルを下さいという手も挙げられない。だから私が手を挙げたとき、英文はそんな余裕があるのだから次の補充人事は必要ないだろうという趣旨の皮肉を他分野の某氏から言われさえした。私の場合、代わりに非常勤で授業をしてもらう学外の教員確保にもかなり苦労したし、集中講義で来ていただく場合には、教えていただく間、そのお世話のために研究室に待機していた。大学院生たちの論文指導は、遠隔でも行えたが、例年通りの個別指導にかかるだけの時間は同じようにかかった。それまで出ていた複数の委員会や会議も同僚に代わってもらったが、それでも申し訳ない思いがあって、表には出ない入試関係の全学の会議には自分で出ていた。おまけに、私の留守を任せた准教授が、本人いわく生活に困って(そして、そうは思いたくないが、劣悪な研究環境に嫌気がさしてか)某私立大学に移ることになり、その件で年末から年度末にかけて何度か人事関係の会議にも引っ張り出された。大学院入試に関しても、次年度から指導することになるかもしれない受験生のことを何も知らないわけにもいかないから、ある程度関わらざるを得なかった。

 小手先だけの教育改革、文科省を喜ばせようとしてか、目新しい形だけを求めるような大学制度改革がトップダウンで進んでいる。かつての在外研究がなくなったことで確かなのは、「研究教育」という言葉がいつの間にか「教育研究」という順番に換えられ、研究は、付け足しになったということだ。大学の教育とは研究成果の還元だということが忘れられて久しい。教師が研究者として興奮するような研究をさせてもらえないような大学環境であれば、本当に面白い、わくわくするような授業なんて出来はしない、と私は今でも信じている。

-----------------------------------------------------------------

【3.教員採用試験<面接>必勝法講習会レポート 歴史文化学講座教授 勝部 眞人】 

 6月28日(土)B153教室において、前福井商業高等学校長八田幸明先生を講師として、教員採用試験面接必勝法の講習会が開催されました。

 参加者は、学部3~4年および大学院博士課程前期1~2年の計15人でした。はじめに、最近教育界で問題となってきた事柄(たとえばPISAショック、ゆとり教育など)をどう考えるか、教員として何を心得ておくべきかなど、かなり具体的な話が約90分ありました。

 少し休憩時間を取ったあと、今度は3人の学生が実際に面接を受けるシミュレーションを実践して、それぞれの質疑や態度・口調などについて、参加者全員の意見が出され議論が交わされました。

 模擬面接では「あなたが今勉強している専門科目の魅力を語ってください」「あなたがクラス担任になった時に、もし親から“うちの子が仲間はずれになっているようだ”と苦情が来たとしたら、あなたはどう答えますか?」「民間校長について、あなたはどう思いますか?」など、本番さながらの質問が飛びだしました。模擬面接を受けていた学生も一生懸命考えながら回答し、それに対して見ていた学生からは「熱心さがよく伝わっていたけど、少し早口だったのでは…」「いじめの問題は微妙でそれに対してよく慎重に対応していたけど、周りの先生や上司に相談する間があってもよかったのでは…」など、かなり貴重な意見が出されました。

 八田先生は各面接のあとに質問の意図を話され、回答や意見に対しても丁寧にコメントされていました。また「平均台の教え」というたとえ話をして、体育館の床では平気で渡れる平均台も、11階建てのビルの屋上に渡されると恐怖で自ら足を滑らせてしまう、同じ平均台だと自分を信じて落ち着いて面接に臨むことが大切…と、参加者に心構えを説かれました。終了後に、先生は「さすがに広大生、回答も意見も非常によかった。これで自信を持って臨んだら、みんな大丈夫なんじゃないか」と言われていました。

 日頃こういう経験はあまりすることがないので、本当にいい経験になったのではないかと思われます。参加者の皆さんは、これを大きな糧にして、これからの教員採用試験や面接に臨んでいってほしいと思います。八田先生、参加者のみなさん、本当にご苦労様でした。
                                                  
-----------------------------------------------------------------

【4.二月会と酒都・西条 歴史文化学講座准教授(東洋史学)太田 出】

 私は本校に来てまだ4年目の新参者であるため、その歴史は詳しく存じ上げていないが、ここに紹介する二月会は准教授、専任講師、助教の間の親睦を深めるために結成されたものらしい。たぶん本校の場合、教授会がいわば本当の教授会であり、教授のみ参加が認められているので、准教授以下が情報を共有し、互いの意見を交換する場として設けられたのであろう。私が大阪大学の助手であった頃には、助手会という組織が存在し、教授会(大阪大学の場合は専任講師以上すべてが参加する)と対抗し、自分たちの意見をとりまとめたうえで、教授会に要求を突きつけていた。この助手会の拡大版のようなものとして、二月会を認識してよいのではないか。
 
 では、どのように意見をぶつけあい、要求をとりまとめ、親睦を深めるのか?それはもちろん、酒都・西条ならでは、お酒の力を借りるのである。今年も例外ではなく、川島優子先生と私が幹事役を務めさせていただき、6月16日に決行された。その秘密の隠れ家として選ばれたのは、西条の酒蔵通り沿いにある料亭・本庄。今年は新しいメンバーである根本裕史先生の歓迎、また一方で二月会を脱退し、仮想敵(?)である教授会へと去って行かれる今林修先生の送別を兼ねて開催された。

 最初は、料亭の美味しい料理に舌鼓を打ちつつ、何となく大人しく始まった二月会であったが、お酒がすすむにつれ、メンバーの口も次第になめらかとなり、普段から大言壮語を吐かれている(失礼!)赤井清晃先生、稲葉治朗先生、大地真介先生を中心に、宮川朗子先生、前野弘志先生らが活発に持論を展開されはじめた。いやあ、お酒の力を借りているとはいえ、皆さん、本当に面白いキャラクターの方ばかりである。その場におられない教授の先生方への不満が噴出し(冗談です)、笑い声が料亭中に響きわたり、乱れに乱れた(料亭の店員さんたちも広大の先生って普段からこんなふうなのという疑問を禁じ得なかったであろう、笑)。

 今回の二月会は西条のお酒の旨さを再認識しただけで、教授会に突きつけるべき決議も何も行えないうちに幕を閉じることになってしまった(毎年繰り返されているような気もしないでもないが……)。それでも最後には、今林修先生に「永久会員」の称号が授与され、来年以降の二月会へも引き続きご参加いただけることになり、一同大喜びしたのでした。

-----------------------------------------------------------------

【5. 文学研究科(文学部)ニュース】

○第30回 内海文化研究施設 季例会・公開講演会開催
【日時】平成26年7月28日(月) 14時00分~15時30分
【場所】広島大学大学院文学研究科(文学部)B104講義室

○広島英語研究会第55回夏季研究大会開催
【日時】平成26年8月9日(土)、8月10日(日)
【場所】広島大学歯学部講義棟1階第6講義室(広島大学霞キャンバス)

------------------------------------------------------------------

【6.広報・社会連携委員会より 野島 永】

  梅雨が明け、本格的な夏がやってきました。夏真っ盛りとなる8月7日・8日の両日、文学部でもオープンキャンパスを開催します。
 全16分野の研究室を一挙公開し、専門的な研究をわかりやすく説明します。廣島高等師範学校・廣島文理科大学から続く長い伝統を礎として、現在どのような研究が行われているのか知ることができると思います。また、教員による分野説明・受験相談だけでなく、学部学生による学生生活の紹介や個別相談のコーナーも併設します。人文科学に興味のある高校生の皆さん、ご家族・保護者の皆さん、是非お越しください。
 なお、当日は猛暑が予想されます。水筒などをご持参いただき、水分補給に留意願います。
               

////////////////////////////

リテラ友の会・メールマガジン

オーナー:広島大学大学院文学研究科長 勝部 眞人
編集長:広報・社会連携委員長 吉中 孝志
発行:広報・社会連携委員会

広島大学大学院文学研究科・文学部に関するご意見・ご要望、
メールマガジンへのご意見、配信中止・配信先変更についてのご連絡は
下記にお願いいたします。
広島大学大学院文学研究科 情報企画室
電話 (082)424−4395
FAX(082)424−0315
電子メール bunkoho@hiroshima-u.ac.jp

バック・ナンバーはこちらでご覧いただくことができます。

////////////////////////////


up