肝臓・消化器研究拠点

世界の肝臓研究を牽引 ~新規治療法の開発と世界で活躍する高度医療人育成を目指して~

世界には5-6億人のB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスのキャリアが存在し、近未来に好発癌年齢に達することが予測されている。さらに世界的な肥満者の 増加はこの傾向に拍車をかけ、肝癌・肝不全による死亡の増加が見込まれている。末期肝不全に対しては肝移植による治療が必要となるが、日本のみならず世界 的にドナー不足が深刻化している。この状況を克服するため、肝細胞移植などを含めた画期的な治療法を開発する必要がある。本拠点では世界唯一の技術である ヒト肝細胞キメラマウスを使用した肝炎ウイルスのリバースジェネティクスを開発してきた。これらの技術を利用し、新規治療法の開発研究を実施するために、 肝細胞、リンパ球といった生体材料を必要の応じて提供できるような備蓄体制(レポジトリ)が必要である。そのためには提供者に必要な情報を提供し、イン フォームド・コンセントを取得するコーディネーターが必要であり、細胞を備蓄する設備とそれを管理、維持する人材が必要となる。本拠点では、研究に必要な バイオリソースを貯蔵するレポジトリを整備すると共に、iPS細胞から誘導した肝細胞・免疫細胞の移植といった革新的な肝不全の治療や抗肝炎ウイルス療法 など新規治療法を開発する。また、研究過程を通じて技術職員、コーディネーター、研究管理・運営を担う人材教育を行い、研究マインドを有する医師、歯科医 師、研究者を育成し世界に優れた人材を輩出する。本拠点、広島大学を中心とする世界的な肝臓研究ネットワークを形成し、研究大学としての広島大学の研究機 能を強化し、さらに国際化、国際的求心力強化に貢献する。


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