【研究成果】卓上型対話支援システム「comuoon®」脳科学的視点から語音弁別の有用性を発表

 ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社(本社:東京都港区 代表取締役:中石 真一路 、以下『ユニバーサル・サウンドデザイン』)の代表取締役・中石真一路が研究員として所属する広島大学宇宙再生医療センター 聴覚リハビリテーション研究グループは、このたび米国で開催された米国脳科学関連学会「14th Annual World Congress of Brain Mapping and Therapeutics」および、「第118回日本耳鼻咽喉科学会通常総会・学術講演会」において、当社が開発・販売している卓上型対話支援システム「comuoon®(コミューン)」に関する新たな有用性について発表いたしました。

 近年、加齢に伴う難聴者の人口は年々増加しており、日本の難聴者率は人口の10.9%に上ります(※1)。また、「インフォームドコンセント」という考え方が浸透し、病院窓口での高齢患者とのコミュニケーション課題が問題視されるようになってきています。このような背景の中で、話者側から音声コミュニケーションを支援する世界初(※2)の卓上型対話支援システム「comuoon®」は対話支援の世界における新しいトレンドとして注目を集め、現在学校や病院、福祉施設、一般企業、行政機関など、全国各地約3,000ヶ所以上の施設に導入されています。

 本研究は、全頭の神経活動を評価できる脳磁計を使用し、comuoon®と一般的なスピーカーにおいて聴き取りにどの程度改善が得られるのかを調査したものです。検証の結果、comuoon®は一般的なスピーカーと比較した際に、大脳皮質レベルで難聴者の語音弁別の有用性を確認しました。これは、comuoon®が難聴者への生活支援ツールならびに、聴覚リハビリツールとして活用できる可能性を示唆しています。本研究成果については、オンライン版では既に公開されており、米国神経学関連誌「Neuroreport」に2017年8月16日、掲載される予定です。今後もユニバーサル・サウンドデザインと広島大学宇宙再生医療センターは、聴こえのバリアフリー社会の実現に向けて、あらゆるシーンでコミュニケーションを支援してまいります。

(※1)一般社団法人 日本補聴器工業会 「Japan Trak 2015 調査報告」より  
(※2)自社調べ(2017年6月時点)

論文情報

  • 論文タイトル:Neuromagnetic evaluation of a communication support system for hearing-impaired patients
  • 著者:Kei Nakagawa, Shinichiro Nakaishi, Takeshi Imura, Yumi Kawahara, Akira Hashizume, Kaoru Kurisu, Louis Yuge(責任著者) 
  • 掲載雑誌: Neuroreport 28(12): 712-719, 16 August 2017 
  • DOI 番号 10.1097/WNR.0000000000000817

学会・研究発表概要

  • 学会発表概要<1>
    学会名:World Brain Mapping 2017
    会期:2017年4月18日(火)〜2017年4月 20日(木)
    会場:Millennium Biltmore Los Angeles(アメリカ合衆国)
     
  • 学会発表概要<2>
    学会名:第118回日本耳鼻咽喉科学会通常総会・学術講演会
    会期:2017年5月17日(水)〜2017年5月 20日(土)
    会場:広島国際会議場
     
  • 研究発表概要
    演題名:難聴者対話支援スピーカーの脳科学視点からの評価
    発表者:
    ・中石真一路(大学院医歯薬保健学研究科 保健学専攻 生体環境適応科学研究室、広島大学宇宙再生医療センター、ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社)
    ・中川慧(大学院医歯薬保健学研究科 保健学専攻 生体環境適応科学研究室)
    ・猪村剛史(大学院医歯薬保健学研究科 保健学専攻 生体環境適応科学研究室)
    ・河原裕美(株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズ)
    ・弓削類(大学院医歯薬保健学研究科 保健学専攻 生体環境適応科学研究室、広島大学宇宙再生医療センター、株式会社スペース・バイオ・ラボラトリーズ)
     
  • 発表サマリー
    【調査方法】
    全頭の神経活動を評価できる脳磁計を使用し、比較的に間違えやすい語音である「ニ」と「ミ」を発信した際の語音弁別能検査を実施。高頻度呈示音「ニ」(80%)に対し、低頻度呈示音「ミ」(20%)を発信した際の脳磁場応答(ミスマッチ反応)を記録し、comuoon®と一般的なスピーカーにおいて聴き取りにどの程度改善が得られるのかを調査した。ミスマッチ応答については、逸脱刺激に対する脳応答から標準刺激に対する脳応答を引いて算出。解析は2種類実施し、左右側頭領域におけるRMS解析(root mean square)および、等価電流双極子推定法(ECD)を用いた。ECD解析では左右側頭領域における双極子を推定した。

    【調査対象】
    健聴者11名 (男性8名、女性3名、年齢24.8±4.3歳)
    難聴者8名 (男性5名、女性3名、年齢20.3±9.2歳)

    【使用機器】
    306ch全頭型脳磁計 Neuromag System (ELEKTA Neuromag社)

    【結果】
    健聴者では、刺激呈示後200~300msで顕著なミスマッチ反応が出現し、一般的なスピーカーと比較しcomuoon®を利用すると出現潜時が早くなった。難聴者においては、comuoon®を利用した場合、8人中5人の被験者にミスマッチ反応の顕著な出現が認められた。 また8人中3人の被験者においても片側半球のミスマッチ反応の顕著な出現が確認された。以上のことから、comuoon®は一般的なスピーカーに比べ、大脳皮質レベルにおいて難聴者の語音弁別の有用性が示された。 
    本研究結果はcomuoon®が難聴者への生活支援ツールならびに、聴覚リハビリテーションツールとして活用できる可能性を示唆している。

「comuoon®」について

「comuoon®」は、聴こえが気になる方に対して、話者側から歩み寄るというコミュニケーション支援の新しい形を実現した、卓上型会話支援システムです。補聴器のように従来の”聴き手”側のみの問題に焦点を当てるのではなく、”話し手”の声を聞きやすい音質に変換しコミュニケーションを支援します。
「話者側からのアプローチ」というアイデアと利便性、使い勝手の良さに加えて、特に明日を切り拓く力をもち、未来を示唆するデザインを兼ね備えたものとして、2016年度グッドデザイン賞を受賞。「グッドデザイン・ベスト100」にも選出されました。「comuoon®」の活用による「聴こえのユニバーサルデザイン」は、医療機関や療育機関、金融機関を中心に3,000ヶ所以上の施設で導入しています。(2017年6月時点)。

広島大学宇宙再生医療センター 聴覚リハビリテーション研究グループについて

2016年3月、ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社(代表取締役:中石真一路氏)と広島大学宇宙再生医療センター(センター長:大学院医歯薬保健学研究院・弓削類教授)が設立し、聴こえが気になる人の「聴こえと脳の関係」を共同研究している。

会社概要

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社

  • 設立:2012年4月
  • 資本金:174百万円
  • 代表者:代表取締役 中石真一路(なかいし しんいちろう)
  • 所在地:東京都港区海岸1-9-11 マリンクス・タワー2F
  • 事業内容:
    聴こえ支援機器の設計・開発・販売 
    各種店舗、建築物および室内空間のサウンドデザイン企画、制作コンサルタント業
    スマートフォンアプリケーションの設計・デザイン・開発
    スピーカーおよびアンプなどの音響機器の設計・製造・販売
    PAおよびSR用音響機器の改修および修理
【本件に関するお問い合わせ先】
ユニバーサル・サウンドデザイン PR事務局(担当:浜野・水村)

TEL:03-5572-7305
FAX: 03-5572-6065
E-mail:usd*vectorinc.co.jp (*は半角@に置き換えてください)


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