広島大学大学院医歯薬学総合研究科の大段秀樹教授らの研究グループは、強い抗癌作用を持つナチュラルキラー細胞(NK細胞)を、肝移植後の患者に投与し、自然免疫を増強して癌再発を予防する新たな制癌免疫療法を開発しました。
このような治療法は世界でも初めてであり、5月14日、東京都内で記者会見を開催し、発表しました。
肝癌に対する肝臓移植後には癌の再発が起こる場合があり、予防法の確立が望まれています。今回、研究グループは、移植時に提供された肝臓からNK細胞を効率よく抽出する技術を開発するとともに、培養して強い抗癌作用を誘導することに成功しました。このNK細胞を肝移植後の患者に投与する臨床治療では、副作用も癌の再発も現在のところ認められていません。また、このNK細胞には、移植後のC型肝炎ウィルスの増殖を抑制する効果もあることが分かり、現在、C型肝炎の再発を予防する細胞療法の研究を継続しています。
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