講演者：和崎 淳 先生
所　属：広島大学大学院統合生命科学研究科
講演日時：2021年10月27日 (水) 17：00～18：30
講演場所：総合科学部 第一会議室

講演タイトル：植物の低リンストレス応答戦略の分子機構

要旨：植物は環境ストレスに対してさまざまな適応戦略を有している。本セミナーでは、植物の多 量必須元素の一つであるリンが不足することに対しての適応戦略を取り上げる。 土壌中に存在するリンは難溶性化合物もしくは有機化合物であることが多く、生物にとって は極めて利用しにくい。この状況に対して、植物は根から有機酸を分泌して難溶性化合物を 可溶化したり、ホスファターゼを分泌して有機化合物を分解したりして吸収する。また、一旦 体内に取り込んだリンの有効活用を行う戦略も有している。演者らは、低リンストレス適応戦 略のうち、分泌性ホスファターゼと有機酸トランスポーターの機能によるリン吸収と、膜脂質 組成の改編によるリンの有効利用のしくみの解明に取り組んでいる。近年の低リン適応の 分子制御機構に関する研究進展を含めて話題提供したい。

多数の皆様の御参加を期待しています。

(注) 本セミナーは，統合生命科学研究科セミナーとして，プログラム共同セミナーの対象です。
【共催】次世代を救う広大発 Green Revolution を創出する植物研究拠点