2025年1月 スウェーデン・マルメ大学より

広島からマルメへ!

スウェーデン・マルメ大学に留学しています、岡島由奈と申します。マルメはデンマークの首都・コペンハーゲンから電車で30分ほどのところに位置する、とても小さな街です。全部で約10ヶ月間の留学のうち、ちょうど折り返しとなる5ヶ月目を迎えようとしています。

 

 この留学は、私にとって生まれて初めての海外、そして初めての一人暮らしであるため、最初は文字通り右も左もわからないような状態でした。加えて、行きのフライトでロストバゲージとなってしまい、スウェーデンに着いた瞬間に日本に帰りたいと思ってしまうようなどん底からスタートを切りました。多くの方が支えてくださって今留学生活を楽しめていることに、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 広島大学では法学を専攻していますが、マルメ大学では「人権」のコースを選択しています。9月から1月にかけて開講された1セメスター目では、法学・社会学・哲学の視点から見た人権について学びました。英語で専門分野を学ぶことの難しさと、自分の英語力の乏しさをひたすら痛感する日々です。講義ノートを毎回見せてくれたり、一緒に勉強してくれる友達のおかげでなんとか喰らい付いています。特に、初めての筆記試験の際は、「絶対受かる気がしない。必要単位が取れなくて2セメスター目に移れず、帰国させられたらどうしよう」と、不安で不安で仕方がありませんでした。しかし、「何度追試を受けても良い。試験であなたの人格を判断するわけではない」という教授からの温かい言葉と、周りのサポートのおかげで逃げずに受け切ることができ、結果的にクラスの約半分が追試の中、一発合格をすることができました。まだまだグループディスカッションで何も意見を言えなかったり、講義の内容がさっぱりわからなかったりと、落ち込むことも多々ありますが、めげずに努力していきたいと思います。

 

 20歳の誕生日もスウェーデンで無事迎えることができました。お菓子作りが得意なイタリア人の友達に教わりながら初めてケーキを作ったり、コースメイトと大好きなお寿司屋さんでバースデーミールを食べたりと、忘れられない思い出がたくさんできました。節目である成人式に出席できないのは少し心細く感じますが、その分スウェーデンでの時間を大切にしていきたいです。

 

 「留学は人生を変える」。大学の留学交流グループの方をはじめ、多くの留学経験者がそう力強く語る姿を、日本にいた時何度も目にしました。海外経験のなかった私は、「そうなんだろうなぁ」と想像しつつも、心のどこかで「そんなに…?」といつも思っていました。しかし今、まだ留学生活半ばではありますが、その言葉の意味と重さをひしひしと実感しています。言葉も習慣も文化も考え方も異なる場所で生きていくというのは、思っていた以上に大変です。しかしその分、ひとつひとつ向き合って対処していく力や、自分を信じる力、そして何よりも周りへの感謝の気持ちが一層芽生えたなと感じています。

 

 1月下旬から始まる2セメスター目では、少しでもグループディスカッションで自分の意見を言えるようになること、そして私の関心分野でもある、核兵器について考えるセッションを大学で開くことが大きな目標です。まだまだ打ちのめされることもたくさんあると思いますが、ここで得られるひとつひとつの経験を大切にして、帰国後に成長した姿を見せれるよう精進します。

 


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