7年生の社会科地理的分野の授業では,これまで世界の諸地域(アジア州,ヨーロッパ州,北アメリカ州など)について学習を進めてきました。これまでの学びの総括として,2月・3月は,ゲストティーチャーによる特別授業を実施します。(第1弾はこちら )
第2弾として,3月3日は,TULALA,Xbraid(YGK),Rearthフィールドスタッフの前野慎太郎さんが講義を行いました。前野さんは,広島県出身のプロアングラー(釣りで生計を立てているプロ)です。大学を卒業した頃に旅を始めて,これまで約10年間で世界60以上の国・地域にて様々な大型魚を釣り上げてきました。今回の授業では,訪れた国のなかでも,パプアニューギニア・ベネズエラ・ブラジル・ケニアの4か国に焦点を当てながら,各国の気候的・文化的特色を,現地でのエピソードトークとともに前野さんが紹介していきました。
例えば,パプアニューギニアに行ったときには雨季の熱帯雨林の真ん中で遭難してしまったこと。ベネズエラでは,釣りを終えてジャングルから帰ってくると,世界中が新型コロナウイルスのパンデミックに襲われてしまっていたこと。状況を知らずに町を歩いていたら,ロックダウンを規制していたベネズエラ軍に拘束されてしまったこと。ブラジルを訪ねたときには,バスジャックに遭遇し,命の危険にさらされたこと。ケニアでは,貧しい子どもたちが,必死に生き抜く姿を目の当たりにしたこと。水回りでは1日にバケツ1杯分の水しか使えなかったこと。日本では経験しがたい数々の経験談からは,海外に飛び立って異文化を体験することの面白さや,平和で秩序のとれた国家・社会を形成・維持することの難しさを実感することができました。
前野さんのお話を受けて,生徒からは質問が止まりません。「海外に行くためのお金はどうやって貯めたのですか?」「必ずしも公用語が英語ではない国もあるなかで,言葉には困らなかったのですか?」「海外の食べ物の中で一番おいしかったものは何ですか?」「大きな魚を釣って釣り竿は折れないのですか?」などなど。一連の質疑応答を経て,海外に対する生徒たちの関心はいっそう高まっていきました。
授業の最後には,前野さんから「世界の国々と比べると,日本は教育のレベルがとても高い。これからも社会科の時間では,歴史や政治をしっかりと学んで,日本や世界で堂々と活躍してほしい」として,4月に進級する生徒に向けて期待の言葉をいただきました。
国際的に活躍する2名のゲストティーチャーによる講義を受けた成果も踏まえつつ,引き続き,社会科の授業では,地理・歴史・公民の学びを通じて,国際社会に生きるグローバル市民にとって必要な力を磨いてまいります。

