2025年度1日目 教科の公開授業・分科会の内容

国語

研究主題:自分や世界について見つめ直し,創造する国語の授業

 私たちは日々の生活の中で,言葉をもとに自分や世界について見つめ,考えます。その言葉が使いなれたものになると,自分も世界も固定化されたものになってしまいます。 
 私たち国語科は,さまざまな言葉の学びを通して,自分とは異なる考えや背景を持つ他者の言葉を理解し,自分や世界について見つめ直すことのできる生徒を育てたいと考えています。 
 本研究会では,生徒が言葉の世界を拡げることを通して,自分や世界について見つめ直し,創造する国語の授業を提案いたします。

公開授業Ⅰ(10:30~11:20)

 金子 直樹    古典をクリティカルに読む    高校1年    言語文化 

公開授業Ⅱ(11:40~12:30)

 北原 隆司    古典世界の文化を体験する    高校2年    古典探究

分科会(13:30~15:20)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 小川 陽子(広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授)

 井上 泰 (福山大学大学教育センター 准教授) 

社会

研究主題:社会的な見方・考え方を働かせ,新たな時代に必要な資質・能力を育成する授業研究 

 社会科(地理歴史科・公民科)では「社会的な見方・考え方を働かせ,新たな時代に必要な資質・能力を育成する授業研究」というテーマで公開授業を行います。中学校社会科公民的分野(中学校3年生)では,「デニムと福山と経済と」と題して,地域の学習と経済の学習をハイブリッドさせた授業を提案します。高等学校地理歴史科地理総合(高校1年生)では,「GISの活用~自分で地図を作成し、分析・考察して、地域の課題の解決策を提案する」と題して,日本が抱える一極集中の問題の解決策を提案するため、GISを活用しながら自分で地図を作成し、分析と考察をおこなう授業を提案します。また,金鍾成先生(大学院人間社会科学研究科准教授)をお招きし,「探究を軸に社会科教育の「越境」を考える―全米社会科協議会(NCSS)のThe College, Career, and Civic Life (C3) Frameworkを手がかりに―」を題目にご講演いただきます。 

公開授業Ⅰ(10:30~11:20)

 蓮尾 陽平    デニムと福山と経済と    中学3年    社会(公民的分野)

公開授業Ⅱ(11:40~12:30)

 見島 泰司    GISの活用~自分で地図を作成し、分析・考察して、地域の課題の解決策を提案する~ 
        高校1年    地理総合

分科会(13:30~15:20)

 授業反省および研究協議

 〈講演〉探究を軸に社会科教育の「越境」を考える―全米社会科協議会(NCSS)の
     The College, Career, and Civic Life (C3) Frameworkを手がかりに―    金 鍾成

指導助言者

 金 鍾成(広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授)

数学

研究主題:数学の本質的な学びを基盤とした新たな時代に必要な能力の育成

 「数学の本質的な学びを基盤とした新たな時代に必要な能力の育成」をテーマに公開授業と研究発表を行います。1時間目の授業では,「パラドキシカルな文章」を中心として生徒が既知の概念や素朴に定義してきた概念と向き合い直す授業の提案を行います。2時間目は一見,数学とは関係なさそうなひらがな・漢字を対象に,ものの「かたち」に着目することで,グループ分けの考え方に触れる授業の提案を行います。分科会では研究発表として,空間図形の具体例を通して,それらの特徴に注目することで,展開図について考察する授業を提案します。

公開授業Ⅰ(10:30~11:20)

 迫田 彩    パラドキシカルな文章    高校2年    数学Ⅱ,数学B,数学C

公開授業Ⅱ(11:40~12:30)

 豊福 共輝    とぽろ字    中学1年    数学

分科会(13:30~15:20)

 授業反省および研究協議

 〈研究発表〉展開図を考察する授業実践    近藤 裕司

指導助言者

 寺垣内 政一(広島大学大学院人間社会科学研究科 教授)

 影山 和也(広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授)

理科

研究主題:課題を科学的に探究する力を育む理科授業Ⅲ

 理科は、「課題を科学的に探究する力を育む理科授業Ⅲ」をテーマに、探究の過程を通して、物事の本質を知るための視点や資質・能力の育成を図る実践研究に取り組んでいます。公開授業では、中学校は1年生「大地の成り立ちと変化」単元(当校では地学的な内容を中学校3年生に集めて実施)で扱う堆積岩について、人工的な岩石であるコンクリートを材料に、実験を行いながら探究する授業を計画しています。また、高校は1年生化学基礎「物質の変化とその利用」単元において、中和に関する実験結果を粒子の動きに着目して探究する授業を計画しています。分科会では、公開授業の研究協議を通じて、授業内容や教材などへのご意見や情報交換をご覧いただいた先生方と行わせていただきたいと考えています。

公開授業Ⅰ(10:30~11:20)

 平賀 博之    コンクリートを科学する    中学3年    理科  第2分野

公開授業Ⅱ(11:40~12:30)

 坪井 庸二    酸・塩基反応にみる物質の変化    高校1年    化学基礎

分科会(13:30~15:20)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 清水 欽也(広島大学大学院人間社会科学研究科 教授)

 網本 貴一(西南学院大学人間科学部児童教育学科 教授)

保健体育

教科テーマ:仲間と協働し,多面的に思考を深める保健体育の授業

 高校1年生のベースボール型では,中学校までの学びに加え,戦術的な思考を深めることが求められています。そこで,「ベースボール5」を教材化して,仲間と協働しながら戦術的な思考を深めることができる授業をめざします。中学3年生のダンスでは,自分の思いや感情を身体で表現し,他者とのつながりや自己理解を深めることができるように授業を展開します。そして,仲間との協働的な学びの中で,心理的・社会的なWell-beingを高めることができる授業をめざします。

公開授業Ⅰ(10:30~11:20)

 福田 健太郎    高校1年生の戦術的な思考を深めるベースボール型の授業実践
        ―「ベースボール5」を題材として―    高校1年    体育

公開授業Ⅱ(11:40~12:30)

 堀家 弥姫    動いて、感じて、解きはなって 
       ―中学3年生を対象とした創作ダンスで育むわたしのWell-being―    中学3年    保健体育

分科会(13:30~15:20)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 手島 祥平(広島県教育委員会豊かな心と身体育成課 学校体育係 指導主事)

 阿部 直紀(福山平成大学福祉健康学部健康スポーツ科学科 講師)

 

芸術(音楽)

研究主題:科学・歴史・文学~越境の視点から「人間社会における音楽の役割」を知る

 音楽を歴史的な側面,科学的な側面といったさまざまな角度から見つめ,触れることで「人間社会における音楽の役割を問いかけ,多様な価値観を知る」公開授業を行います。分科会では,音楽評論家の小村公次先生をお迎えします。「源氏物語と音楽 ~音楽とジェンダーをめぐって」をテーマに,『源氏物語』が当時の音楽の変化を先駆的に描いた作品であり,箏の名手であった紫式部の音楽観と音楽に関わるジェンダーの問題について御講演頂きます。

公開授業Ⅱ(11:40~12:30)

 藤井 惠子    人間社会における音楽の役割と多様な価値観を知る    高校2年
          総合的な探究【創造Ⅰ】音楽表現分野

分科会(13:30~15:20)

 授業反省および研究協議

 講演 「源氏物語と音楽~音楽とジェンダーをめぐって」    小村 公次

指導助言者

 小村 公次(音楽評論家)

家庭

研究主題:課題解決を通して生活の主体者へと越境する家庭科の授業

 家庭科では,「災害への備え」を切り口に,家族・家庭生活分野と住生活分野を横断した家族の減災を計画する課題解決学習を行います。減災につながる「備え」を生徒自身が家族のリーダーとして計画し実践することによって,生活の主体者への越境を体験的に学ぶ授業を試みます。中学3年生は,7月に社会見学旅行として神戸市の阪神・淡路大震災記念「人と防災未来センター」を訪問して研修を行いました。圧倒的に生活体験の少ない生徒にとって,課外研修を生きて働く力とするために,実際の家庭生活の中で「何をどのようにすべきなのか」という具体的な減災計画を展開します。分科会では、公開授業に対する研究協議に加え,瀧日滋野先生(広島大学大学院人間社会科学研究科准教授)に指導助言を頂きながら,普段の授業実践内容や教材などについてご意見を頂いたり情報交換を行ったりとご参加いただいた先生方と交流させていただきたいと考えています。

公開授業Ⅱ(11:40~12:30)

 蔭山 映子    家族の命と暮らしを守る“わたし”になる
       ー減災計画の立案と実践を通してー    中学3年    技術・家庭(家庭分野)

分科会(13:30~15:20)

 授業反省および研究協議

指導助言者

 瀧日 滋野(広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授)

 

英語

研究主題:これからの時代の英語授業の創造-個別最適な学びと協働的な学びの一体化-

 中学3年生の授業では、対人での英語のやり取りを上達・深化させる英語授業を提案します。生成AIとの対話を通して、生徒個々の課題やニーズに応じた個別最適な学習過程を授業内で実現することを目指します。高校1年生の英語コミュニケーションⅠでは、生成AIを活用して、生徒への課題の提示とフィードバックを行うとともに、生成AIとの対話を通じて思考を深化させ、その成果を共有・発展させる協働的な英語授業を提案します。

公開授業Ⅰ(10:30~11:20)

 眞子 和也    Being Fair  NEW CROWN English Series 3:Lesson 6     中学3年    英語

公開授業Ⅱ(11:40~12:30)

 池岡 慎    Technology and Discoveries ELEMENT English Communication Ⅰ: Lesson 7
         高校1年    英語コミュニケーションI

分科会(13:30~15:20)

 授業反省および研究協議

 〈研究発表〉中高英語授業におけるAI活用事例    守田 智裕 

 

指導助言者

 天野 修一(広島大学外国語教育研究センター    准教授(副センター長))

 千菊 基司(鳴門教育大学英語科教育コース 准教授)


up