7年の理科において,広島大学名誉教授の林 武広 先生による特別講義を行いました。(藤川 義範 先生もアシスタントとして,実験の準備など支援や協力をいただきました。)
以前,9年生の理科の授業で「宇宙の探究」をテーマにご講義いただきましたが,今回は7年生の理科の授業で,これまでの大地の学習の振り返りや発展的な取組を含めながら「風水害や土砂災害のようすとその備え」をテーマに,洪水や津波,土石流などの災害の状況とともに,その防災についてご講義いただきました。
これまで学習してきた流れる水のはたらき(侵食・運搬・堆積)をモデル実験で再現し,実際に流れる土砂のようすから,その特徴(大きな石より砂などの小さいものから流れ出していくなど)をとらえていきました。また,このはたらきは,平坦な場所でもはたらく(水の流れにより後ろから前に押し出される)ことを実験を通して学びました。ほか,「手を洗うというのは,手の汚れを侵食していること。」「皆さんのお小遣いやお年玉も侵食されていませんか。ちゃんとためていますか。」など時折り,日常の生活に例えたユニークな話もありました。
流れる水のはたらきをもとに,線状降水帯などの気象(大気現象)に触れながら,洪水,津波(海からやってくる巨大な洪水),高潮や高波などの風水害について,それぞれの特徴についての説明とともに,太田川や沼田川など身近で起きた災害や近年で大きくニュースで取り上げられた事例も紹介されました。
流れる水のはたらきは,平坦な場所でもはたらくことを踏まえ,傾斜があるとそれに重力,落下の効果がプラスされることなどを実験でとらえ,それが自然界で起こる様子(土石流などの土砂災害)について,理解を深めていきました。
広島県は土砂災害危険箇所が全国No.1と紹介されつつも,この辺りの多くは風化した花こう岩で構成されており,真砂土となって崩れやすい状況であることなど,地質とのつながりについても学びました。
藤川先生からも,インドネシアでの研究生活をもとに,地震が起きたときの対処法(揺れを感じたら,冷静にまず自分の周りを見渡して,倒れたりするものがないか,少しでも安全なところへ移動すること。50cmや1mの移動距離の違いで,助かる場合もある。)など,ジェスチャーを交えながら体験談を話されました。
自助・共助・公助についての話をもとに,「なぜ災害では高齢者が被害になりやすいか」というクイズでは,「高齢者だから体が不自由だから逃げ遅れる…」と思いがちですが,そうではなく,高齢者は「これまで大丈夫だったから,次も問題ない」と過信してしまうことが原因で,これを心理学で「正常性バイアス」ということも紹介されました。この「正常性バイアス(自分たちの住んでいる場所では前例がないので大丈夫だろうと過小評価して逃げ遅れてしまうこと)をどう克服するか」,また日頃からどう備えておくか(リスクマネジメント),起こったときにどう対応するか(クライシスマネジメント)について,今一度考える機会となりました。
日本は災害が起きてもマナーや秩序を守る美徳があり,誇らしいことであることを紹介しつつ,結びに代えました。
自分の命を守るため,今回の学びをこれからの日常生活にぜひ生かしていきましょう。

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