(廃止)言語と認知の脳科学プロジェクト研究センター

センター基本データ

本センターは代表者異動のため廃止されました

  • 整理番号:14-16
  • 設置期間:2003年04月01日~2015年03月31日
  • センター長(所属/職名/氏名):大学院教育学研究科 / 准教授 / 酒井 弘
  • 連絡先(TEL/FAX/E-mail):

プロジェクト概要

目的

人間精神を支える基盤である高次脳機能に関する科学的研究成果を教育と学習の支援に応用すること,なかでも特に,言語の処理及び学習に関する脳科学研究を推進してその成果を言語教育と結びつけることが本プロジェクト研究センターの研究目的である。

背景

脳波計に代表される伝統的脳機能計測技術を使用した高次認知機能研究の進展と,脳磁計,機能的MRI(磁気共 鳴映像法)など新たな非侵襲的脳機能計測機器の開発によって,言語をはじめとする高次認知機能の解明を目指す脳科学研究は飛躍的な進歩を遂げつつある。本 研究プロジェクトは,このような先端技術を活用した「ことばの脳科学」研究を言語能力の育成及び外国語の学習の観点から推進することを通して,21世紀の 言語教育の可能性を切り開くことを目的とし,次の3つの分野から成り立っている。
(1)言語の脳機能の解明
主に脳波計と機能的MRIを利用して,日本語・英語の母語話者を対象に言語を処理する際の脳の活動パターンおよび活動部位を測定する。言語理論に基づい て計測データを説明する言語機能のモデルを構築し,モデルの妥当性を検証する実験を実施するというサイクルを積み重ねることで,言語の脳機能の解明を目指 す。
(2)高次コミュニケーション能力育成のための脳科学
無意識的・自動的な言語情報の処理と意識化された複雑な言語情報処理における脳の活動パターンおよび活動部位を比較して,複雑な情報を円滑かつ正確に伝 え合う高次コミュニケーション活動の認知メカニズムとその基盤となる脳機能を明らかにする。そして高度なコミュニケーションを可能にする言語情報活用能力 の獲得を支援・促進する方法を考える。つまり「ことばを育む(高度な社会的コミュニケーションを可能にする言語能力の育成)」ために,国語教育の実践的研 究と脳科学の橋渡しをする。
(3)外国語学習支援のための脳科学
外国語(第二言語)学習者が第二言語を処理する際の脳の活動パターン及び活動部位を測定し,母語話者のデータと比較する。習得レベルの異なる学習者の比 較によって第二言語習得の認知メカニズムと脳機能を解明し,外国語学習を支援・促進する方法を考えることで,ことばの脳科学の成果を「ことばを学ぶ(国際 コミュニケーションの基礎となる外国語学習の支援)」ための英語教育・日本語教育の実践的研究に結びつける。

研究計画

【平成20年度】
言語の処理及び学習に関する事象関連電位(ERP)計測,fMRIを使用した脳機能イメージングなどの脳機能計測研究,読文時間計測,言語の理解・算出時の眼球運動計測などの行動データを利用した研究を実施する。

【平成21年度】
実験研究を継続するとともに,国内及び海外の提携研究機関と連携し,相互に訪問し合って研究交流を推進する。研究成果をまとめて国内外の学会で発表する。

【平成22年度】
研究成果をまとめて学術誌に論文として掲載するとともに,国際的な成果発信と研究交流の推進を目的として国際学会MALL(Mental Architecture for Processing and Learning of Language)2010を開催する。


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