(廃止)環境技術移転プロジェクト研究センター

センター基本データ

本センターは設置期間満了のため、廃止されました。

  • 整理番号:23-01
  • 設置期間:2011年06月01日~2017年03月31日
  • センター長(所属/職名/氏名):大学院工学研究科社会基盤環境工学 / 准教授 / 川西 澄
  • 連絡先(TEL/FAX/E-mail):082-424-7817 / 082-424-7817 / kiyosi[AT]hiroshima-u.ac.jp
       (※[AT]は半角@に置き換えてください)

プロジェクト概要

目的

広島大学で開発発展した環境関連技術を東アジアおよび東南アジア諸国などに技術移転することにより国際貢献する.
 

背景

国土の整備や保全のために,正確な河川流量の把握が求められることは論を待たない.さらに,近年顕著になりつつある地球規模の気候変動によって,洪水や干ばつが頻発する恐れが危惧されている中で,水循環において重要な位置を占める河川流量の計測法の高度化はまさに喫緊の課題である.センター長は,国土交通省の建設技術研究開発助成により,水環境の革新的計測法である河川音響トモグラフィー技術を世界に先駆けて開発発展させ,従来法では計測できなかった塩水遡上のある感潮河川流量の連続計測に世界で初めて成功している.これまで,オーストラリアとの国際共同研究を展開してきたが,オーストラリアに加え東・東南アジア諸国への河川音響トモグラフィー技術の技術移転を推進したい.また、本プロジェクトに参加する共同研究者それぞれは,沿岸音響トモグラフィー技術,人工衛星計測解析技術,気象レーダ計測解析技術,環境分析技術,環境流体運動シミュレーション技術などの分野で活発な研究を展開している.これらの要素技術を技術移転という視点から統合し,広島大学の国際貢献に資することを目指す.本学独自の新しい環境計測技術は,これまで観測が不可能だったため,実態すらよく分かっていなかった様々な現象を明らかにすることを可能にし,当該分野の学問上の新展開をもたらすことが期待される.
 

研究計画

H23年度:
河川音響トモグラフィー技術を活用してはじめて実現できる,河川流量や水温,塩分の連続計測などを必要としているフィールドを調査・選定する.具体的には,部局間協定を結んでいるクイーンズランド大学(オーストラリア)と亜熱帯河口域を対象とした,中国国家海洋局とは杭州湾・銭塘江のタイダルボアを対象とした共同研究の予備調査,準備を行う.

H24年度:
H23年度に計画,準備した共同研究を実施に移し,音響トモグラフィー技術の技術移転を推進する.あわせて,人工衛星計測解析技術,レーダ計 測解析技術,環境分析技術,環境流体運動シミュレーション技術などの技術移転を,東アジアおよび東南アジア諸国を中心に推進する.

H25年度:
H24年度に引き続き,国際共同研究と研究対象地域への技術移転を推進する.

主な事業活動

河川音響トモグラフィーは,水中音速が流速や水温,塩分の影響を受けて変化する性質を利用して,流速と水温または塩分を同時に計測するものであるが,水面と底面をウェーブガイドとして伝播する音線群から断面平均値を算出するため,流速の断面内分布の影響を受けることなく流量を算出できる優れた特性を持っている.さらに,GPSクロックとM系列変調を利用することによって非常に正確な音波の伝播時間計測を可能にしている.こうして,従来法では不可能であった塩水遡上のある河口域や水深数十センチの浅い河川における流量の連続計測に世界で初めて成功した.


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