院内感染症プロジェクト研究センター

センター基本データ

  • 整理番号:18-11
  • 設置期間:2006年10月01日~2024年03月31日
  • センター長(所属/職名/氏名):病院 / 教授 / 大毛 宏喜

プロジェクト概要

目的

院内感染原因菌の病原性評価のための情報基盤の確立を目指した基礎研究を推進させるとともに、地域医療に根ざした応用研究を発展させ、その成果を医療現場にフィードバックさせ、院内感染事例を減少させる。
 

背景

院内感染において近年最も大きな問題となっているのは黄色ぶどう球菌(MASA)ならびに緑膿菌である。院内感染対策が叫ばれながら、入院患者の多くが常在菌としてこれらの細菌を保有している。両菌は共にゲノム解析がなされ、その膨大な情報を取得することは可能であるが、それを元にした病原性の評価、薬剤耐性の評価、院内感染対策へのフィードバックはまだほとんど行われていない。私どもは大学病院レベル、広島地域レベル、および国内レベルにおいて様々な医療機関と協調し、院内感染の原因菌を解析し、その病原性、薬剤耐性を評価し、結果を臨床の現場における院内感染対策に役立つ情報として提供することを目指し本研究を行う。

① 院内感染,市中感染で様々な臨床症状を呈した黄色ブドウ球菌の収集を行う。
② 院内感染あるいは環境分離の緑膿菌(特に薬剤耐緑膿菌)の収集を行う。
③ 得られた細菌について,パルスフィールド電気泳動,マイクロアレイを用いたクラスタリング解析,Comparative Genemic Hybridization,PCR,サザンハイブリダイゼーション等を駆使した分子疫学解析を行う。
④ 得られた細菌の薬剤耐性の評価ならびにその細菌の院内,地域,国内での伝播・分布を評価解析する。
⑤ 医療機関の依頼を受けて院内での耐性菌発生状況を分子疫学的手法を用いて解析し,その結果をもとに院内感染制御に関するコンサルテーションを行う。
⑥ 医療機関の依頼を受けて種々の微生物(細菌・ウイルス)感染症および対策に関するコンサルテーションを行う。
 

研究計画

H18 – H21
 院内感染および市中感染の原因となった黄色ブドウ球菌の収集
 院内感染の原因となった緑膿菌の収集
 院内感染原因菌についての分子疫学解析研究
 地域医療機関への院内感染菌に関する分子疫学情報の提供とコンサルティング
 医療機関の種々の微生物(細菌・ウイルス)感染症および対策に関するコンサルテーション
 


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