ナノ粒子の合成・機能化プロジェクト研究センター

センター基本データ

  • 整理番号:14-28
  • 設置期間:2003年04月01日~2023年03月31日
  • センター長(所属/職名/氏名):大学院先進理工系科学研究科 / 准教授 / 荻 崇

プロジェクト概要

目的

本プロジェクトでは,材料種を限定せずに,ナノ粒子に着目し,材料のナノ構造や形態を制御することにより,新たな機能を発現させたり,既存の性能や機能を飛躍的に高度化させたりすることを目的とする。このために,大きさの揃ったナノ粒子の合成技術,ナノ粒子の凝集を抑制する表面修飾技術,塗布などによる薄膜化による機能化技術,さらに計測や評価技術,そしてこれらの体系化の研究開発を実施する。
特に本プロジェクトでは,ナノサイエンスでの新しい研究を行うと同時に,ナノサイエンスの研究成果を利用し,産業界での生産技術に繋ぐことを目的とするが,生産技術におけるナノエンジニアリングを研究開発するものではない。本プロジェクトの目的は,ナノサイエンスおよびナノサイエンスとナノエンジニアリングを橋渡しするナノテクノロジーにおける,ナノ粒子の合成と機能化に関する革新的技術開発と体系化を行うことにある。

背景

今世紀の持続可能な社会構築には,電子・電気・化学・機械・光・バイオ・触媒・セラミックス等の広範な技術分 野で,高機能で環境への影響が小さく,省エネルギーでリサイクル可能な材料を製造する技術が不可欠である。際限なく元素を多様化するこれまでの分子合成に 立脚した材料開発から脱却し,特定の物質のナノ構造を制御することにより,バルク材料と全く異なる新規な電子的,光学的,電気的,磁気的,化学的,機械的 特性を発揮することを利用して,新たな産業を興すことは重要である。たとえば,電子情報でな近い将来,記憶・記録素子のナノ単位構造サイズが10nm以下 となり,エネルギー機器(太陽電池,燃料電池など)や環境材料(光触媒材料,自己修復性材料など)や有機無機ナノコンポジット(高強度部材料,光学材料な ど)のナノ単位構造の構成サイズも100nm以下になる。ナノ構造を形成する最も基本的な構成要素,それがナノ粒子である。すなわち21世紀の材料開発の フロンティア(錬金術)となりうる有力な候補がナノ粒子とそれを用いたナノ構造体である。
 

研究計画

平成20年度:
・光触媒用,太陽電池用のナノ粒子の合成に関する研究
・気相法及び液相法によるナノ粒子の連続大量合成技術の開発に関する研究
・ナノ粒子のポリマーへの分散技術の開発に関する研究
・軟X線によるナノ粒子の電荷及びナノ粒子の計測技術の開発に関する研究

平成21年度:
・光触媒用,太陽電池用のナノ粒子の合成に関する研究
・ナノ粒子の表面修飾技術の開発に関する研究
・ナノ粒子の塗布による二・三次元配列法の開発に関する研究
・ナノ粒子を用いた自己修復性材料の開発に関する研究

平成22年度:
・光触媒用,太陽電池用のナノ粒子の合成に関する研究
・ナノ粒子の塗布による二・三次元配列法の開発に関する研究
・ナノ粒子の分級・回収装置の開発に関する研究
・ナノ粒子を用いた自己修復性材料の開発に関する研究


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