【研究成果】白血病幹細胞の栄養メカニズムを解明

CMLは白血病の一種であり、治療後の再発が重大な問題となっています。広島大学原爆放射線医科学研究所の仲 一仁准教授(前金沢大学がん進展制御研究所准教授、平成27年4月1日より現職)、瀧原 義宏教授らは、韓国CHA大学校CHAがん研究所のSeong-Jin Kim教授、金沢大学医薬保健研究域薬学系の加藤 将夫教授らとの国際共同研究を平成22年より行い、CML再発の原因となる「CML幹細胞」の代謝産物を解析し、CML幹細胞の栄養源となる物質を発見しました。さらに、動物モデルを使った研究により、この栄養補給のメカニズムをおさえることで、CMLの再発を軽減する新しい治療法を開発しました。本研究成果について、平成27年8月20日広島大学霞キャンパスで記者説明会を実施しました。

【ポイント】

●抗がん剤治療後の再発の原因となる細胞として知られている慢性骨髄性白血病(CML)幹細胞の維持に必要な栄養源獲得のメカニズムを、動物モデルを使って解明しました。

●さらに、この栄養補給の阻害剤を既存の抗がん剤治療と併用することで再発を軽減する新しい治療法を考案しました。

この治療法は、CML幹細胞の発生起源である造血幹細胞には作用しないことから、副作用の少ない新しいコンセプトの治療法として期待されます。この研究成果は英国のオンライン科学誌Nature Communicationsに8月20日午後6時(日本時間)に掲載されました。

原爆放射線医科学研究所 仲一仁准教授

記者説明会の様子

【研究内容に関するお問い合わせ先】

原爆放射線医科学研究所放射線災害医療研究センター

幹細胞機能学研究分野

准教授  仲 一仁

Tel/FAX:082-257-5808
E-mail:kanaka55*hiroshima-u.ac.jp(*は@に置き換えてください)


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