次世代ゲノム細胞創薬

【研究キーワード】

がん免疫療法、養子ゲノム編集T細胞療法、臨床用高精度人工ヌクレアーゼ、T細胞標的ゲノム編集、網羅的シングルセル免疫レパトワ解析

【最近のハイライト】

本研究講座は、がんや難治性ウイルス疾患に対する細胞免疫療法の臨床応用に向け、国内における細胞創薬を加速するために、広島大学原爆放射線医科学研究所血液・腫瘍内科とRepertoire Genesis株式会社の共同で2019年10月1日に設置されました。

Repertoire Genesis株式会社が保有する独自の先進的な免疫解析技術と、本学の腫瘍免疫やゲノム編集テクノロジーの研究シーズを融合させ、国際標準となりうる細胞治療薬の開発を目指します。

次世代ゲノム細胞創薬共同研究講座】 

氏  名 職名
進藤 岳郎 Takero SHINDO 教授

 

【研究内容】
私たちの研究講座は、新規細胞免疫療法の開発を目的として、広島大学原爆放射線医科学研究所血液・腫瘍内科とRepertoire Genesis株式会社(本社:大阪府茨木市)との共同研究講座として、2019年10月にスタートしました。
現在、がん免疫療法は、がん治療において、外科的手術、放射線治療、抗がん剤治療に次いで、第4の柱と言われるまでに発展しました。例えばその代表例である免疫チェックポイント阻害剤は悪性腫瘍にある一定の効果は期待できるものの、がん特異的に作用しない点が問題でした。そのため、効果が認められない方、副作用に苦しむ方が少なからずいるという問題点があります。
私たちが開発を進めているがん細胞免疫療法は、理論的にはがん細胞のみを攻撃する治療薬を造りだすことが可能であり、新たな免疫療法の柱として期待されています。実際に臨床応用が開始されたCAR-T細胞療法(キメラ抗原受容体導入T細胞療法)や、がん特異的T細胞レセプター導入T細胞療法(TCR-T療法)は、がん細胞特異的に作用するため、高い治療効果と、副作用の軽減が期待され、これらの新治療によってがん免疫療法は新たな時代に突入しようとしています。
しかしながら、まだ発展途上の治療法であり、克服すべき課題は山積しています。
私たちは、日本からそして広島から新規細胞治療薬を一人でも多くの患者様に届けることを使命としています。広島大学が現在まで培ってきた研究シーズと、Repertoire Genesis株式会社が保有する先進的な免疫解析技術を融合させ、さらに遺伝子改変技術などの先進的なバイオテクノロジーを駆使して、国際標準となる免疫細胞療法を我が国より発信することを目指します。

私たちは以下のような研究に取り組みます。

  1. 有効性が高く、かつ副作用の少ないがん細胞治療製剤の創出
  2. 新規のがん特異抗原の同定
  3. 抗原特異的なT細胞受容体・B細胞受容体の単一細胞レベルでの同定
  4. 悪性疾患以外への遺伝子改変免疫細胞療法の応用
  5. 合理的なコストによる細胞免疫療法の多くの患者さんへの提供


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