叢書インテグラーレ018

ことばの不思議の国 ―言語学の魅力がわかる本

広島大学大学院総合科学研究科 編
柴田美紀 責任編集

判型:四六判
ページ:160ページ
ISBN:978-4-621-30489-1
発行年月:2020-01
価格:2,090円
出版社:丸善出版(株)

出版社による内容紹介
読む、書く、聞く、話す― 私たちはことばを使って意思疎通をしている。古代ギリシャ時代から始まったともいわれる言語学研究は、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論、応用言語学など、人間の営みにかかわる様々な分野に広がってきた。本書ではそんな言語学という不思議の国に魅せられた3人の言語学者たちが自分たちの追い求める「白ウサギ」=不思議を紹介。音声から学習、思考にいたるまで、言語学への案内役となる一冊。

目次

 

第1章 発音変化に見る音と綴り字のズレ
英語史と綴り字―概観/音量の変化―大母音推移/音量の変化―開音節長音化/子音の変化―r 削除/見え隠れするr ―つなぎのrと割り込みのr /まとめ:母音や子音の変化には法則がある

第2章 魅力的な声の秘密
魅力的な声とは何か/多感覚に訴える―腹話術の知見/滑舌―割り箸と早口言葉/ポーズと強調―多義文/新情報とピッチ幅―感情音声/まとめ:日本語と英語の声の魅力の類似点と相違点

第3章 あいまいな日本語の私
死んだのは誰?/ことばは立体!?/花子はどこで泣いたのか?/赤ちゃんが食べられるレストラン!?/「近藤する」とはどうすることか?/まとめ:ことばはあいまいなもの

第4章 切っても切れないことばと心
知ってるけど知らない/飛行機は生きている?/ウサギアヒル/現実のどこを見るか/言語による好き嫌い/まとめ:見ることは見ないこと

第5章 ことばを通して世界を見れば
言わないけど、わかって/自分からは自分は見えない/自分をどう見つめるか/デートはどこで?/まとめ:ことばと心

第6章 オーストリアはオーストリア語?!
国語と公用語/標準語と生活語/標準日本語の誕生/アメリカ合衆国の標準英語/目くらましの「共通語」/母語と母国語の不一致/言語的少数者の「言語権」/まとめ:「国」が覆い隠す言語事情

第7章 通じる英語と通じない英語
理解の三つのステップ/「通じない」を紐解く/「通じない」の見えない引き金/そのアクセントは通じません―言語態度の問題/まとめ:国際共通語から考える通じる英語

第8章 英語が上手くなるための心得
「英語が上手い」を紐解く/母語習得と外国語学習/言語獲得の出発点と到達点/誤りは創造的言語使用―中間言語という考え方/「上手くなる」を妨げるネイティブ信仰/ポライトネスで英語が「上手くなる」/国際共通語から考える「上手い」英語―対話力をつける/まとめ:現実的な「上手くなる」を目指す

おわりに―オズのことば使い


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