司馬遼太郎 旅する感性

司馬遼太郎 旅する感性

桑島 秀樹 編

ページ:237ページ
ISBN:978-4-7907-1739-3
発行年月:2020-03
税込価格:(本体2,100円+税)
出版社:世界思想社

旅の想像力が未来へと疾駆する!

日本各地や朝鮮半島に日本人の祖形を探り,アイルランドやオランダ,そしてアメリカに文明の起源をたずねた司馬遼太郎。『街道をゆく』をつらぬく独自の感性を解き明かす,新たな歴史風景論。

司馬遼太郎は「旅する感性」そのものだった。そうした思いから,この本は綴られている。ここでの「感性」とは,眼前の風景のなかに過去の歴史や人間を見抜き,それを現在に蘇らせることのできる力,というほどの意味だ。司馬のこうした手腕が鮮やかに刻印された作品こそ,約二五年の長い歳月にわたって書き継がれた,歴史風景の再現紀行『街道をゆく』シリーズだと思う。(「まえがき」より)

目次

 まえがき
 序章 司馬遼太郎の感性哲学

第一部 欧米篇-市民と文明の意味を問う

 第一章 極西の島国から世界を眺めるー「愛蘭土紀行」
 第二章 ビジネス文明の誕生ー「オランダ紀行」
 第三章 移民のつくるアメリカ文明-『アメリカ素描』「ニューヨーク散歩」

第二部 東アジア篇-鉄・馬・古墳にみる文化往来の夢

 第四章 半島と島の相互交流史-「湖西のみち」「韓のくに紀行」                       
 第五章 日本海=出雲文化圏としての広島-「芸備の道」
 補章  司馬の見残した火山の風土-群馬・渋川金島のみち

 終章  いま『街道をゆく』を読み返す理由

 あとがき


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