二酸化炭素(CO2)を炭素資源(カーボン)と捉え、これを回収し、多様な炭素化合物として再利用(リサイクル)する「カーボンリサイクル」(以下「CR」という。)は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、日本が脱炭素化と産業政策・エネルギー政策を両立するための鍵の一つと位置付けられています。既に、広島県大崎上島町にCRの要素技術開発や実証研究を集中的・横断的に実施する「NEDOカーボンリサイクル実証研究拠点」が設けられ、CRの技術開発を推進しています。一方、CRの社会実装・普及に向けては、技術開発だけでなく、将来的に本分野の技術を支える人材の育成や、産業間・産学官の連携を促進するための人的交流が重要です。
本講座では、CRの社会実装・普及に向けて、将来的に本分野の技術を支える人材の育成、産業間・産学官の連携を促進するための人的交流の拡大、周辺研究の推進を図ることを目的とし、以下の事業項目を実施しています。
事業項目①:カーボンリサイクルの実用化を担う人材育成講座の実施
CR技術及び周辺技術を理解するのに必要な知識、CRの社会実装に関係する政策・制度、評価手法等の座学講義を行っています。また、実践的なスキルを習得できる実習を行っています。
事業項目②:カーボンリサイクル分野の人的交流等の展開
本講座の受講者・講師陣及びその所属機関並びに「カーボンリサイクル実証研究拠点」での研究開発実施者をはじめとするCR人材の人的交流を促進するため、ワークショップ・意見交換会等を開催しています。ワークショップでは回ごとにテーマを設定し、プレゼンターと参加者で討議を行っています。
事業項目③:カーボンリサイクル周辺研究の実施
CR技術の普及や発展に資する周辺研究として、太陽光発電の余剰電力で水分解により水素を製造し、混合ガス等から分離回収したCO2と反応させるメタネーションの研究施設を構築しています。また、プロセスシミュレータ等を利用し、CRプロセス・システムの設計・評価手法の確立に向けた検討を実施しています。この研究施設及びプロセス・システムの設計・評価手法を使って、住宅規模の太陽光発電システムの余剰電力発生に応じてグリーン水素製造を行った場合の水素製造装置の稼働率や発生水素量、最終のメタネーションまでの物質収支、エネルギー収支を検証します。
また、本研究施設を人材育成の実習にも活用するとともに、CR技術者以外の一般の方や若年層への見学にも対応し、CRの裾野を広げることに貢献しています。