平成30年度後期国際学会参加報告 1

氏名 研究室名 国際学会名
尾崎 陽介 分子細胞情報学 ASCB EMBO 2018 Annual Meeting
淺野 昌也 神経薬理学 Society for Neuroscience 2018(Neuroscience 2018)
寺岡 雄吏 消化器・代謝内科学 American Association for the Study of Liver Diseases(AASLD)The Liver Meeting 2018
志賀 裕二 脳神経内科学 International Stroke Conference 2019
内藤 裕之 脳神経内科学 International Stroke Conference 2019
荒木 基亮 精神神経医科学 Society for Neuroscience 2018(Neuroscience 2018)
松下 亮介 整形外科学 Orthopaedic Research Society (ORS) 2019 Annual Meeting
住元 庸二 循環器内科学 American Heart Association Scientific Sessions 2018
松井 翔吾 循環器内科学 American Heart Association Scientific Sessions 2018
板倉 希帆 循環器内科学 American Heart Association Scientific Sessions 2018
竹村 翼 歯周病態学 THE 5th JOINT SCIENTIFIC MEETING in DENTISTRY (JSMiD)
梅原 華子 先端歯科補綴学 The 11th Congress of the Asian Academy of Osseointegration

 

尾崎 陽介(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 分子細胞情報学)

2018 ASCB/EMBO Meeting(San Diego)に参加して

この度2018年12月8日から12日の期間に米国San Diegoで開催された2018 ASCB/EMBO  Meetingに参加いたしました。この学会で、私の研究テーマのムコ多糖症2型原因タンパク質である変異型イズロン酸2スルファターゼ(IDS)と小胞体関連分解の関係について発表いたしました。ムコ多糖症Ⅱ型はIDS遺伝子の変異によりIDSタンパク質の機能低下をきたし分解基質であるグリコサミノグリカンの全身での蓄積をきたす遺伝疾患です。変異型IDSは翻訳された後、小胞体内で異常タンパク質として認識され速やかに小胞体関連分解によって分解されます。そのため変異型IDSは本来局在すべきリソソームに局在できず、酵素機能が発揮できません。しかし、この分解経路を遮断することによりリソソームに局在する変異型IDSのタンパク質量が増加し酵素機能を回復するという研究結果を報告いたしました。自らの研究結果の発表のみならず、どの程度酵素機能が改善できれば治療効果が期待できるのか等の質問や、他の類似遺伝疾患を研究されている先生方との議論で大変有意義な時間を過ごすことができたと思います。
また、私の研究の関連するような最先端の研究内容や新しいイメージング技術の開発等様々な知見に触れることができ大変勉強になった学会参加であったと感じています。

淺野 昌也(博士課程4年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 神経薬理学)

Neuroscience 2018 (San Diego, USA) に参加して

2018年11月3-7日にアメリカのサンディエゴで開催された“Neuroscience 2018”に参加し、“SKF-10047, a prototype sigma-1 receptor agonist, facilitated the membrane trafficking and uptake activity of serotonin transporter and its mutant through the sigma-1 receptor- independent mechanism”という演題でポスター発表をさせていただきました。
初めての海外発表ということもあり緊張しましたが、同じ分野で研究している多くの国の方々が興味を持って見に来てくださり、自分の英語力の未熟さを感じながらもなんとかディスカッションをすることができたと思っています。また研究分野の広さや規模、最新の実験手法、そして自分と同じ研究分野の演題の多さなど国内学会では感じられないようなことがたくさんあり、視野が広がったと実感しています。本当に参加させてもらうことができてよかったです。ありがとうございました。
最後になりますが、貴重な発表の機会を与えて下さり、そして指導から様々なサポートして下さった神経薬理学研究室の酒井規雄教授、ならびに研究の指導をして頂きました田中茂講師、秀和泉助教の先生方、そして、手続きから渡航援助をしてくださった広島大学大学院医歯薬保健学研究科と霞国際室の担当者の皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。

寺岡 雄吏(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 消化器・代謝内科学)

AASLD(American Association for the Study of Liver Diseases)に参加して

2018年11月9-13日にアメリカ・サンフランシスコで開催されたAASLD(American Association for the Study of Liver Diseases)に参加させて頂きました。本学会は肝臓病学の研究者が一同に会する国際学会であり、専門性の高い権威のある国際学会で、このような場所で発表の機会を頂くことができ光栄に思います。
当学会で講演される講師は肝臓病学の分野において世界的権威の方々ばかりであり、講演内容は最新の内容で興味深いものが多く、非常に勉強になりました。また、各国の著名な研究者や、自分と同様の立場である若手研究者達と意見交換をする機会にも恵まれ、シンポジウム以外においても有意義な時間を過ごすことができました。
今回の私の発表は、「Prevalence of NS5A resistance associated variants in prior DAA treatment failures and an effective treatment for NS5A-P32del HCV in humanized mice」という演題で、ポスター発表を行いました。本研究はヒト肝細胞移植キメラマウスを用いたC型慢性肝炎の治療に関する研究であり、NS5A-P32del変異を有するHCV株の治療抵抗性に関する研究成果の報告を行いました。また、国際学会でのプレゼンテーションは初めてであり、活発な議論ができ、とても貴重な経験ができました。今回の経験を今後の臨床・研究に活かしていければと思います。

志賀 裕二(博士課程2年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 脳神経内科学)

International stroke conference 2019に参加して

歯周病を含めた口腔内環境は脳血管疾患や心疾患のリスク因子と考えられており、我々は急性期脳梗塞患者を対象に歯周病菌血清抗体価と内頚動脈の内膜中膜複合体の肥厚、心房細動との関連について報告してきております。一方で、脳微小出血や白質病変といった脳小血管病も脳卒中のリスク因子であることがわかっております。今回我々は、急性期脳卒中患者における血清歯周病抗体価を用いて脳小血管病との関連の有無について検討をおこない、ハワイにて開催されましたInternational stroke conference 2019(2月6日〜2月8日)において、ポスターセッションで発表をして参りました。
当院、および共同研究機関に急性期脳卒中で入院となった患者を対象とし、歯周病の血清抗体価は脳卒中発症3日以内に採取された検体を用い、当院口腔総合診療科の協力を得て、9菌種16抗体を測定していただきました。結果、今回の解析方法では歯周病菌血清抗体価の実数値と脳小血管病との関連を示すことはできませんでしたが、既に報告されております歯周病や虫歯の結果生じる歯の欠損と脳小血管病との関連は今回の結果でも同様であるという結果でした。引き続き、歯周病を含めた口腔内環境と脳小血管病変を含む脳血管障害との関連性について検討を深めていきたいと考えております。
今回、このような発表の機会を与えてくださいました脳神経内科の同門会員の皆様や歯科の先生方にはこの場をお借りして深く感謝申し上げます。

内藤 裕之(博士課程4年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 脳神経内科学)

International Stroke Conference 2019 ( Hawaii)

この度、2019年2月6日から8日までの期間、アメリカのホノルルで開催されたInternational Stroke Conference (ISC) 2019へ参加させていただきました。ISCは脳卒中に関する最大の国際学会です。私は「Increased blood pressure variability during the subacute phase is associated with 3-month functional poor outcome in patients with acute ischemic stroke」という演題名で、発表させていただきました。
血圧変動の増大は脳卒中後の転帰に影響を及ぼす可能性が報告されておりますが、脳梗塞の急性期では、反応性の血圧上昇が持続するため、急性期の血圧変動が反応性の血圧上昇によるものか、真の血圧反応を反映しているかどうか区別することが困難です。我々は、急性期脳梗塞患者を対象に、反応性の血圧上昇の影響から脱した亜急性期に24時間自由行動下血圧測定で得られた血圧変動と3ヶ月後転帰との関係を後方視的に検討しました。その結果、急性期脳梗塞患者において、亜急性期の血圧変動の増大が3ヶ月後の転帰不良に関連することを見いだしました。ポスター発表でしたが、多くの参加者の方々が足を止めて内容をみていだだき、脳卒中領域における血圧管理への関心の高さを感じました。発表することで多くの質問をいただき、今回の結果をどのように実臨床へ応用していくかについて新たな知見を得ることができましたので、更に研究に邁進して次の国際学会に臨もうと考えております。最後になりましたが、研究のご指導をいただき、国際学会で発表する機会を与えてくださった脳神経内科の先生方、またご支援をいただきました医歯薬保健学研究科に深く御礼申し上げます。

荒木 基亮(博士課程4年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 精神神経医科学)

NEUROSCIENCE2018(サンディエゴ)に参加して

この度2018年11月3日~7日にアメリカ合衆国サンディエゴで開催されたNEUROSCIENCE2018に参加させていただき、ポスターセッションで「The role of glucocorticoid receptor in the induction and the prevention of the hippocampal abnormalities in an animal model of PTSD」という演題でPTSDの病態形成と予防法に関する報告を行いました。近年大きな事故や災害等が多く、PTSDにも注目が集まっていますが、その発症のメカニズムは十分に解明されていません。PTSDモデルとして様々な妥当性が示されているSPSラットを用いて、GRの核内移行、アポトーシス関連遺伝子の発現変動、海馬のアポトーシス、行動変化等を検討し、PTSDの病態形成には急性期のGR核内移行からアポトーシス抑制遺伝子であるBcl-2の発現低下が契機となる可能性があること、GR阻害薬の投与によりPTSDの重要徴候である海馬のアポトーシスや恐怖記憶の消去障害も予防できることを示しました。海外の様々な研究者たちからの質問もあり、SPSを開発したIsrael Liberzon教授ともディスカッションができました。英語の重要性を痛感するとともに、参加者たちの積極性・熱意を間近で味わうことができたことは大きな刺激となりました。
最後に、発表の機会を与えていただき研究を指導していただいた精神神経医科学の先生方、ご支援いただいた霞国際室の方々には深く感謝を申し上げます。

松下 亮介(博士課程4年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 整形外科学)

Orthopaedic Research Society (ORS) 2019 Annual Meeting に参加して

2019年2月2日から2月5日にかけて、アメリカ合衆国のテキサス州オースティンで開催されましたOrthopaedic Research Society (ORS) 2019 Annual Meetingに参加させていただきましたのでご報告させていただきます。
ORSはアメリカ整形外科基礎学術集会で、世界で最も大きな整形外科基礎学術集会の一つであり、世界中の多くの整形外科に関する研究者達が参加する学会です。今回、私は“The effect of minced cartilage implantation embedded into atelocollagen as scaffold on the treatment for the articular cartilage defect in the rabbit model”という題名でポスター発表しました。広範囲の関節軟骨欠損は治療に難渋することが多く、現在は自家培養軟骨移植術が広く行われていますが、軟骨採取し数週間培養後移植するといった、2期的手術や培養に伴う細胞障害などの欠点があります。今回の研究ではこれらの欠点を克服するため、術中に採取した軟骨を細かく細切し1期的に移植することの効果について、in vitroおよびin vivoにて調査しました。
他にも軟骨やその他様々な分野で様々な視点からの研究発表を聞き、知見を深めることができたとともに今後の治療や研究への刺激となりました。最後に学会発表にあたりご指導、ご支援いただきました整形外科学教室の皆様ならびに大学院生海外発表支援関係者の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

住元 庸二(博士課程4年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 循環器内科学)

AHA 2018に参加して

この度アメリカ・シカゴにて開催された、AMERICAN HEART ASSOCIATION Scientific Session(2018年11月10日~12日)に参加して参りました。
私は「A Validation Study of Enclosed-Zone Central Venous Pressure (ezCVP) Measurement Using Non-invasive Oscillometric Method」というタイトルの演題をポスター発表しました。当研究は中心静脈圧を上腕でのオシロメトリック法により中心静脈圧が推定できないかを検討した研究です。
中心静脈圧は心不全患者の体液量や前負荷を表す重要な指標であり、中心静脈圧の上昇は心不全患者の予後を規定する報告もあります。その中心静脈圧の正確な測定には侵襲的な方法が必要とされます。
また、超音波検査や頚静脈怒張の程度から非侵襲的に中心静脈を測定する方法がいくつか報告されていますが、その方法には専門的かつ技術的な訓練を必要とし、実臨床で簡便に施行できる検査ではありません。そこで通常のオシロメトリック法を用いる血圧計で静脈圧を推定できないかを検討しました。オシロメトリック法で通常通り動脈圧を測定した後にそのままカフ圧を低下させ、脈圧が再度上昇した値をEnclosed-Zone Central Venous Pressure (ezCVP)とします。それと同時に右心カテーテルで測定した中心静脈圧を比較したところ、有意な相関がみられました。以上のことを報告させていただきました。
テーマが身近であったためか会場内では多くの質問をいただいき、研究を振り返る最良の機会となりました。この経験を活かして今後の研究活動をさらに発展させたいと思います。
最後に、いつもご指導頂いております木原康樹教授、共同研究者の先生方にはこの場を借りて深く感謝いたします。

松井 翔吾(博士課程4年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 循環器内科学)

AHA 2018に参加して

この度アメリカ・シカゴにて開催された、AMERICAN HEART ASSOCIATION Scientific Session(2018年11月10日~12日)に参加して参りました。
私は「Association of poor tooth brushing behavior with cardiovascular outcome: two-year follow-up prospective observational study」というタイトルの演題をポスター発表しました。当研究は歯磨き習慣に基づく口腔衛生と将来の心血管イベントの関連について検討した研究です。
歯周病は、感染症として世界規模の問題であるだけでなく、慢性炎症を介して動脈硬化を引き起こすことが明らかとなっています。また歯周病に対する治療が、動脈硬化を改善させることも報告されています。過去に私達は、歯周病の予防治療である歯磨き習慣が血管内皮機能との関連を認めることを報告しました。血管内皮機能障害は動脈硬化の初期段階であり、心血管イベントを引き起こすことが明らかとなっています。そこで今回の研究では、歯磨き習慣が心血管イベントに関連するかについて検討しました。その結果、歯磨きの時間と頻度の低下(2回/日未満かつ2分/回未満)は、従来の危険因子を調整した後も将来の心血管イベントに対して独立した関連を認めることを報告しました。
テーマが身近であったためか会場内では多くの質問をいただいた他、学会の公式サイトで当研究の概要についてインタビューを受け、研究を振り返る最良の機会となりました。この経験を活かして今後の研究活動をさらに発展させたいと思います。
最後に、いつもご指導頂いております木原康樹教授、東幸仁教授、共同研究者の先生方にはこの場を借りて深謝いたします。

板倉 希帆(博士課程4年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 循環器内科学)

American Heart Association Scientific Sessions 2018 に参加して

2018年11月10日から12日にアメリカ合衆国シカゴで開催された American Heart Association (AHA)  Scientific Sessions 2018 に参加致しました。AHAの学術集会は循環器領域における主要な国際学会の一つであり、私にとっては今回はじめての参加となりました。
 “The Recover from Persistent Atrial Fibrillation Provide the Contraction in Volume of Right Heart and Tricuspid Regurgitation”という演題でポスター発表を行いました。現在、持続性心房細動に対して、カテーテル心筋焼灼術による治療が広く行われています。この治療による洞調律維持により、三尖弁逆流量及び右心系容量の減少が得られる可能性について報告致しました。他の研究者のポスター発表でも、特に右心系機能にフォーカスした発表も多く、今後の自分の研究に照らし合わせて大変刺激を受けました。また、心臓超音波検査をはじめとしたモダリティ領域のセッションなどが興味深く、他国との患者・研究背景の相違などを知ることもできました。この貴重な経験を今後の診療や研究に活かしていけたらと感じています。
最後に今回の海外学会発表にあたり御支援頂きました関係者の皆様に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。

竹村 翼(博士課程3年 医歯薬学専攻 歯学専門プログラム 歯周病態学)

第5回 Joint scientific meeting in dentistry (インドネシア、スラバヤ)に参加して

私は平成30年10月2日から3日にかけてインドネシアのスラバヤにて開催された、第5回 Joint scientific meeting in dentistry に参加しました。発表題目は絹糸結紮実験的歯周炎モデルマウスの歯周組織における経時的な細胞応答変化についてです。歯周炎は接合上皮バリアが破壊され細菌が上皮下に侵入し、炎症の増悪が引き起こされます。これに伴い歯槽骨を含む歯周組織の破壊が進行すると考えられていますが、詳細なメカニズムについては未だ不明な点も多いのが現状です。私達は、最終的なゴールとして歯周病の新規予防法開発を目指し、歯周病病態の詳細解明を目的とした研究を行っています。歯周病に関する研究を行っているインドネシアや韓国、マレーシアなど、アジアの多国籍の研究者と発表を通してディスカッションを行うことができ、自分とは異質な考えやアプローチに直接触れ、意見を交わすことで、自身の研究をより多角的な視点から評価する機会を得ることができました。また、学会が開催されたアイルランガ大学の歯学部付属病院の歯周診療科での症例検討会に参加する機会もあり、基礎的研究だけでなくインドネシアにおける歯周病治療の実際についても知ることができ、臨床面でのディスカッションを行えたことは非常に貴重な経験となりました。海外発表を行い、自身とは全く異なる考えに触れることで自身の研究についての理解がより深まったと感じます。今回の経験をもとに、自身の研究をより深めていき、積極的に国内外の学会発表に参加していきたいと思います。最後になりますが、今回このような発表の機会を与えてくださり、日頃からご指導頂いております歯周病態学分野研究室の皆様、ならびに大学院生海外発表支援関係者の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

梅原 華子(博士課程2年 医歯薬学専攻 歯学専門プログラム 先端歯科補綴学)

The 11th Congress of the Asian Academy of Osseointegration (Seoul) に参加して

2018年11月10-11日に韓国(ソウル)にて開催されたAAO (The 11th Congress of the Asian Academy of Osseointegration) に参加させていただきましたのでご報告いたします。今回私は「Investigation of material property and bioactivity of novel developed bioactive titanium membrane」という演題名でポスター発表を行いました。歯科インプラント治療において、埋入部位の骨量が不足する場合、薄膜状の生体材料(メンブレン)を用いて骨量を確保するメンブレンテクニックが必要となることがあります。メンブレンの材料の一つとしてチタンが用いられますが、生体不活性であり、骨形成促進作用は有していません。そこで本発表では、アルカリ処理によるチタンメンブレンへの生体活性付与の可能性について検討しました。アルカリ処理はチタンメンブレンの強度を保ったまま表面改質が可能であること、またアルカリ処理を行ったチタンメンブレンは疑似体液中でアパタイト様結晶析出促進作用を有することが明らかとなり、メンブレンのようなチタン薄膜構造体においてもアルカリ処理による生体活性の付与が可能となる事が示されました。
今回初めて国際学会へ参加させていただき、研究への刺激となりました。より優れた歯科治療を目指して今後も研究に邁進していきたいと思います。最後になりましたが、今回このような貴重な発表の機会を与えていただき、ご指導いただいた諸先生方、ご支援いただいた大学院生海外発表支援関係者の皆様に深く感謝いたします。


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