2018 ASCB/EMBO Meeting(San Diego)に参加して
この度2018年12月8日から12日の期間に米国San Diegoで開催された2018 ASCB/EMBO Meetingに参加いたしました。この学会で、私の研究テーマのムコ多糖症2型原因タンパク質である変異型イズロン酸2スルファターゼ(IDS)と小胞体関連分解の関係について発表いたしました。ムコ多糖症Ⅱ型はIDS遺伝子の変異によりIDSタンパク質の機能低下をきたし分解基質であるグリコサミノグリカンの全身での蓄積をきたす遺伝疾患です。変異型IDSは翻訳された後、小胞体内で異常タンパク質として認識され速やかに小胞体関連分解によって分解されます。そのため変異型IDSは本来局在すべきリソソームに局在できず、酵素機能が発揮できません。しかし、この分解経路を遮断することによりリソソームに局在する変異型IDSのタンパク質量が増加し酵素機能を回復するという研究結果を報告いたしました。自らの研究結果の発表のみならず、どの程度酵素機能が改善できれば治療効果が期待できるのか等の質問や、他の類似遺伝疾患を研究されている先生方との議論で大変有意義な時間を過ごすことができたと思います。
また、私の研究の関連するような最先端の研究内容や新しいイメージング技術の開発等様々な知見に触れることができ大変勉強になった学会参加であったと感じています。