令和元年度前期国際学会参加報告 2

氏名 研究室名 国際学会名
篠田 真子 口腔生物工学 97th General Session and Exhibition of the IADR
新宅 葉月 地域・学校看護開発学 WADEM Congress on Disaster and Emergency Medicine
酒井 章吾 スポーツリハビリテーション学 World Confederation for Physical Therapy Congress 2019
鍔木 悠里奈 スポーツリハビリテーション学 World Confederation for Physical Therapy Congress 2019
小宮 諒 スポーツリハビリテーション学 World Confederation for Physical Therapy Congress 2019
鈴木 雄太 スポーツリハビリテーション学 World Confederation for Physical Therapy Congress 2019
清水 怜有 スポーツリハビリテーション学 World Confederation for Physical Therapy Congress 2019
竹内 拓哉 スポーツリハビリテーション学 World Confederation for Physical Therapy Congress 2019
小林 怜司 スポーツリハビリテーション学 World Congress on Science and Football 2019
後藤 夏季 運動器機能医科学 The American College of Sports Medicine (ACSM) 66th Annual Meeting
鍵本 篤志 腫瘍外科 IASLC 20th World Conference on Lung Cancer
大谷 一郎 内視鏡医学 Digestive Disease Week 2019
山口 拓朗 外科学 53rd Annual of the Pancreas Club Meeting
清水 千昌 障害者歯科学

1st Asia Association for Disability and Oral Health

 

篠田 真子(博士課程前期2年 口腔健康科学専攻 口腔生物工学)

97th General Session and Exhibition of the IADR (Vancouver) に参加して

2019年6月19日から22日まで、カナダのバンクーバーで、開催されたGeneral Session and Exhibition of the IADRに参加し、「L8020 Effects of lactic acid bacteria metabolite compounded gummi on oral environment」という演題で、ポスター発表を行いました。
発表内容は、う蝕原因菌や歯周病原因菌を抑制するLactobacillus rhamnosus KO3(L8020乳酸菌)の代謝物を配合したグミを作製し、54人のボランティアを対象に、臨床試験を行ったというものです。3カ月間の調査で、L8020乳酸菌代謝物の働きにより、プラーク形成が抑制され、歯肉の状態が改善したと考えられる結果を得ることができました。
私にとって、国際学会に参加することは初めてということもあり、さらにカナダという遠く離れた場所ということで大きな不安がありました。しかし、発表時には、広島大学から参加していらした先生方が気にかけて質問してくださったこともあり、その後、英語で質問された際にも、落ち着いて答えることが出来ました。周りの発表者の方々とも、ディスカッションをすることもでき、今後の研究にさらに励みたいとの想いも高まりました。残り少ない大学院生活ではありますが、ここで学んだことを生かして有意義なものにしたいです。
最後になりましたが、この度の発表に向けてご指導いただき、応援してくださった二川 浩樹教授、田地 豪准教授をはじめ口腔工学専攻の先生方、ご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

新宅 葉月(博士課程前期2年 保健学専攻 地域・学校看護開発学)

WADEM Congress an Disaster and Emergency Medicine (Brisbane) に参加して

私は、2019年の5月7日から10日までの間、オーストラリアのブリスベンで開催された「WADEM Congress an Disaster and Emergency Medicine」に参加しました。開催期間中、1日につき約20名が口頭発表を、約80名がポスター発表をされました。私の発表内容を大まかに説明すると、「被災経験の有無を問わず災害意識を高めよう」というものであり、「災害発生後」よりもむしろ「災害発生前」且つ「予防的概念」に関した発表内容でした。一方で、多くの発表者は「災害発生後」に関した発表をされておりました。
学会中は、興味のある発表者に研究の概要をお聞きした後、質問をして内容を深めることができました。質問した方々に私の研究内容を説明することで私の研究にも興味を持って頂くこともできましたので、国際学会の意義を改めて感じました。BBQなどの学会のオプションプログラムや現地の大学スタッフや学会スポンサーとの交流、災害現場を想定したVRゲームの体験などを総じて、ブリスベンでの4日間は世界各国の方と交流ができる良い機会であり、有意義なものでした。
どの研究者も、災害に関する自国の課題や文化、地理的環境、経済状況などの研究背景を踏まえた研究をされているので、研究者との交流や活発な質疑応答を行うためには、学会のテーマに関する分野のみではなく、世界情勢等の知識が必要だと感じました。
末筆になりましたが、今回の学会発表にあたりご指導ご支援いただきました川﨑教授並びに研究室の皆様に心より感謝申し上げます。

酒井 章吾(博士課程後期2年 保健学専攻 スポーツリハビリテーション学)

World Confederation for Physical Therapy Congress 2019  (ジュネーブ) に参加して

私は、2019年5月10日から13日にスイスのジュネーブで開催されたWorld Confederation for Physical Therapy Congress 2019に参加しました。本学会は、理学療法研究に関する世界大会で、世界中のPhysical Therapistが集まり、日頃のResearch Questionに対する臨床研究や、研究機関での研究など多様な内容の集まる学会です。私は、「The acute effect of cyclic stretching for the Gastrocnemius muscle and Achilles tendon hardness measured by ultrasonography」という演題名でポスター発表を行いました。サイクリックストレッチングという一般的なストレッチングとは違う方法で行うストレッチングの効果に関して発表を行いました。本学会で、私の研究方法を発展させた方法論で研究を行っている研究者に出会い、意見交換を行うことができました。その方とは連絡先を交換し、今でも連絡を取っています。このような貴重な出会いは、海外での学会に参加する機会があったからこそだと思います。末筆ではございますが、日頃よりご指導頂いている諸先生方や本支援金関係者の皆様に心より感謝いたします。

鍔木 悠里奈(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

World Confederation for Physical Therapy Congress 2019(Geneva)に参加して

このたび、2019年5月10日から13日にかけてスイス、ジュネーブで開催された World Confederation for Physical Therapy Congress 2019 に参加させていただきました。
私は「The survey of common injuries in Japanese female adolescent ballet dancers」というタイトルでポスター発表をさせていただきました。クラシックバレエは華やかな踊りを披露しますが、幼少期から練習を積み重ねることが必要であり、他のスポーツと同様に身体的負担が大きいと言われています。海外では、クラシックバレエの傷害調査は多く行われ、幅広い年齢層のデータが存在する一方、日本国内のバレエダンサーを対象とした研究は極めて少ない現状です。今回の研究では、小学生から高校生を対象に傷害調査を行い、年代ごとや練習時間、傷害部位についての考察を行いました。「日本と海外とのバレエ教育はどのように違うのか」、「その違いは傷害などにどのような影響を与えているのか」といった質問をいただき、ディスカッションすることができました。理学療法の学会ということで、幅広い分野の発表を聞くことができ、非常に有意義なものとなりました。学会では、ダンスのセッションも設けられており、治療としてのダンスへの注目が高まっていることを感じました。今後はさらに研究内容を深めるとともに、語学力の向上に努めたいと感じました。
最後に、このたびの海外発表にあたりご指導いただいた先生方および研究室の皆様、ならびにご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

小宮 諒(博士課程後期2年 保健学専攻 スポーツリハビリテーション学)

World Confederation for Physical Therapy Congress 2019(スイス)に参加して

2019年5月10-13日にかけてスイスのジュネーブにて開催されたWorld Confederation for Physical Therapy Congress 2019に参加し、「The acute effects of two different Whole-body-vibration frequencies on ankle dorsiflexion angle and postural stability after landing」という演題でポスター発表をさせていただきました。
本学会は理学療法士の分野で世界規模のものであり、参加するだけでも世界のトレンドを知ることができる非常に有意義な学術大会でした。また、実際に自身の発表や他研究者へ質問をすることで、自分の意見や相手が何を考えているのかについてディスカッションする機会も得ることができました。今回は、あるテーマに対して多国籍のグループでセッションをするものに初めて参加しましたが、日本と世界の共通点や異なる点などを直接話すことができ、充実したものとなりました。英語力や知識の深さなど未熟な点も多々ありますが、今回の経験を生かして成長につなげることができればと思います。
最後に、海外で発表することの意味や重要性を常に唱え、ご指導いただいております浦邉幸夫教授、前田慶明講師、笹代純平助教をはじめ、ご支援いただきました医系科学研究科ならびに大学院生海外発表支援関係者の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

鈴木 雄太(博士課程後期2年 保健学専攻 スポーツリハビリテーション学)

World Confederation for Physical Therapy Congress 2019  (ジュネーブ) に参加して

2019年5月10日から13日までの4日間の日程で、スイス・ジュネーブで開催されたWorld Confederation for Physical Therapy Congress 2019(WCPT 2019)に参加させていただきました。131カ国から4,300人の理学療法士が参加し、約100題のシンポジウムやセミナーに加え、1,800題を超える演題が発表されました。
私は、競泳競技で最も多く発生する肩関節障害の予防を研究テーマの一つとしており、今回は “Relationship between Upper Quarter Y Balance Test and physical function in collegiate swimmer”というタイトルで発表しました。「Upper Quarter Y Balance Test」は上半身の協調性を測定する指標です。本研究では、肩関節障害の予防のためには、柔軟性や筋力の獲得に加えて、身体を「うまく使う」ためのトレーニングも重要である可能性が示されました。スポーツに関連したポスター演題のうち、選ばれた5名のみが発表できるVirtual Poster Walk sessionにも選出いただき、世界のスポーツ理学療法士と有意義なディスカッションができました。本学会での経験を活かし、研究活動をさらに推進していき、競泳選手の障害予防に貢献していきたいと思います。
このたびの海外発表にあたりご指導いただいた先生方および研究室の皆様、ご支援いただいた医歯薬保健学研究科に深く感謝いたします。

清水 怜有(博士課程前期2年 保健学専攻 スポーツリハビリテーション学)

World Confederation for Physical Therapy Congress 2019(Geneva, Switzerland) に参加して

この度スイスのジュネーブで開催されたWCPT(World Confederation for Physical Therapy)2019(2019年5月10日~13日)に参加し、演題発表を行いましたのでご報告いたします。
私は、「Differences in Chest Pass Motion in Wheelchair Basketball Depending on Experience in Playing Basketball」という演題名でポスター発表を行いました。車いすバスケットボールでは、チェストパスが試合中に頻繁に行われており、パス技術は試合の勝敗に関わる重要な技術であると考えられますが、これまでにチェストパスに関する動作分析は報告されておらず本研究を行いました。発表では、経験者は肘関節の屈曲角度が大きいこと、肘関節伸展最大角速度および手関節掌屈最大角速度の出現タイミングが早いことを報告しました。本学会では、障がい者スポーツに関する演題は少なく、理学療法士が障がい者スポーツの研究を実施していく必要があることをアピールできたのではないかと思います。著名な先生の発表も多く、非常に興味深く勉強になりました。海外の理学療法士の研究や働き方など多くのことを知ることができました。この経験を生かして今後の研究活動をさらに発展させていきたいと思います。
最後になりますが、研究に関してご指導いただき、このような発表の機会を与えてくださいました浦邉先生、前田先生、笹代先生、スポーツリハビリテーション学研究室の皆様、そしてご支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

竹内 拓哉(博士課程後期3年 保健学専攻 スポーツリハビリテーション学)

World Confederation for Physical Therapy Congress 2019  (ジュネーブ) に参加して

私は2019年5月10日から13日にスイス・ジュネーブで開催されたWorld Confederation for Physical Therapy Congress (WCPT) 2019に参加してポスター発表を行ってまいりました。会場はジュネーブ空港すぐそばのコンベンションセンターで、街の中心部からはバスで約20分ほどのところにありました。
私自身のWCPTでの発表は、2015年にシンガポールで行われた前々回の大会以来でした。WCPTは理学療法士の学会で最も規模の大きなものであり、シンガポール(2015年)と同様に今回(2019年)も大変多くの参加者で賑わい、一種のお祭りのようでした。企業展示の数も多く、患者の治療に役立つ最新の物理療法機器や、研究に役立つ新たな測定装置を体験することができました。
私の発表は学会2日目の昼でした。ポスター発表はランチタイムと同じ時間帯に設定されていたこともあり、ポスター展示会場は通路が人で溢れかえるほどでした。私のポスターの前でも多くの人が足を止めてくださり、その内6人ほどとディスカッションすることができました。
次回は2021年に中東ドバイで開催予定です。さらに次々回は日本での開催も予定されており、私たちも今後も、積極的に参加していきたいと考えております。

小林 怜司(博士課程前期2年 保健学専攻 スポーツリハビリテーション学)

World Congress on Science and Football 2019 (Melbourne) に参加して

2019年6月4日から7日に、オーストラリアのメルボルンにあるMelbourne Convention and Exhibition Centreで開催されたWorld Congress on Science and Football 2019に参加しました。World Congress on Science and Footballは全てのフットボール(サッカー/ラグビー/オーストラリアンフットボールなど)を研究の対象として、競技性の高いエリート集団の分析から初心者や初級者などのボトムレベルに至るまで、それぞれのフットボールについて科学的な探究と実践的な活動について報告して協議するフットボールに関する専門的な会議でした。
今回、私は「サッカー選手と動的姿勢制御の関係」についてポスター発表しました。発表時間は2分程度であり、質問は3人の専門家からいただきました。研究の方法や今後の展望について討議することができ、大変有意義な学会となりました。また、本学会はオーストラリア開催であり、オーストラリア出身の専門家が多く参加しており、オーストラリア人とコミュニケーションをとる機会が多くありました。しかし、オーストラリア英語は少し聞き慣れていないこともあり、会話することが困難な時もありました。それでも、身ぶり手ぶりで伝えることができました。日本の学会では経験できないことを経験でき、理解しやすいプレゼンテーションについても学ぶことができました。今後も積極的に海外の学会に参加したいと思います。

後藤 夏季(博士課程前期2年 保健学専攻 運動器機能医科学)

The American College of Sports Medicine (ACSM) 66th Annual Meeting (Orland, FL, USA)に参加して

この度、2019年5月28日から6月1日にフロリダ州オーランドにて開催された第66回のThe American College of Sports Medicine Annual Meating に参加し、ポスター発表を行いました。本大会では、運動器疾患や生活習慣病について基礎から臨床まで広い範囲での発表やシンポジウムが行われていました。多国の理学療法士やトレーナーの方が行っている研究活動を垣間見ることができ、とても貴重な経験となりました。
私の発表演題名は「Hyperbaric treatment with normal air prevents the progression of hyperglycemia in type 2 diabetes」で、空気による高気圧処置が2型糖尿病の高血糖症の進行に与える影響とその機序について報告しました。私は現在、2型糖尿病モデルラットを用いて、糖尿病に対する理学療法の有効性や2型糖尿病の骨格筋微小循環障害の経時的変化について研究しております。本大会に参加する中で、同モデルラットを使用している方のシンポジウムを聞くことができたり、異なるモデルラットを使用している方とその違いや研究方法について討論したりと、とても有意義な時間を過ごすことができました。また、知識の乏しさや英語能力の物足りなさを痛感し、今後の研究活動のためにさらに精進していこうと感じました。
最後に、このような発表の機会を与えて下さいました先生方、および大学院医系科学研究科の関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

鍵本 篤志(博士課程1年 医歯薬学専攻 放射線医科学専門プログラム 腫瘍外科)

World Conference on Lung Cancer 2019 (バルセロナ)に参加して

この度、2019年9月7日~10日にかけて行われた、World Conference on Lung Cancer 2019 (第20回世界肺癌学会 バルセロナ)にてポスター発表を行ってきましたので、ご報告させて頂きます。
世界肺癌学会は私が所属している外科のみならず、呼吸器内科・放射線治療科・放射線診断科・病理診断科といった複数の科から肺癌診療にかかわる医師が参加する、肺癌領域においては最大の学会になります。私は、腫瘍径が3cm以上の肺癌における、その臨床的・病理学的特徴と予後についての発表を行って参りました。3cm未満の小径の肺癌については、報告が多数ありますが、早期肺癌の中でもやや大きい部類に入る3cm以上の肺癌についての報告はあまりなされていません。
今回の学会は初めて参加させて頂きましたが、特に臨床研究の分野では日本からの発表も多く、世界の舞台でも日本人のactivityが高いこと、一方で韓国や中国といった他のアジア人の方と比較して英語の能力が日本人は低いこと、臨床分野と比較して基礎研究の分野では日本人からの発表が少ないこと、を感じました。
私の今回の発表は臨床分野からのものでしたが、肺癌のみならず様々な疾患で治療成績の飛躍的な向上には基礎研究から成り立つ新規の治療開発が不可欠であり、基礎研究を絡めたような発表が世界の舞台でできるようになることを目標に頑張っていこうと思います。

大谷 一郎(博士課程4年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 内視鏡医学)

Digestive Disease Week 2019(San Diego) に参加して

私は、2019年5月18日~21日にSan Diego Convention Centerで行われたDigestive Disease Week 2019に参加し、「ENDOSCOPIC INJECTION SCLEROTHERAPY FOR ESOPHAGEAL VARICES EXACERBATES PORTAL HYPERTENSIVE ENTEROPATHY」という演題でポスター発表をしました。
近年、肝硬変の患者さんの小腸病変として門脈圧亢進症性小腸症が注目されています。その発生・増悪には門脈圧の上昇が関係していますが、肝硬変患者さんの食道静脈瘤に対してしばしば行われる内視鏡的硬化療法は門脈圧を上昇させるという報告があります。今回我々は、内視鏡的な食道静脈瘤治療を受けた肝硬変患者さん42人分のデータを元に、治療前後の門脈圧亢進性小腸症の変化を検討し、その結果を発表しました。門脈圧亢進症性小腸症の臨床的意義については未だ明らかになっておらず、研究している施設も多くはありません。今回の学会では、同様の研究をされている先生とお話させていただく機会もあり、今後の研究に活かせる貴重な意見を得る事ができました。
最後になりましたが、このような発表の機会を与えて下さいました茶山一彰教授、田中信治教授、そして、広島大学病院消化器・代謝内科および内視鏡診療科の皆様に深く感謝いたします。

山口 拓朗(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 外科学)

53rd Annual  Pancreas Club Meeting (San Diego, CA) に参加して

2019年5月17-18日、米国サンディエゴで開催された53rd Annual  Pancreas Club Meetingに参加し、「KRAS-mutated circulating tumor DNA predicts early recurrence in patients with pancreatic ductal adenocarcinoma」という演題名でポスター発表を行いました。
Circulating tumor DNA(以下、ctDNA)は無細胞状態で体液中に存在している断片化したDNAで、術前末梢血中にctDNAを有する患者では全生存率が不良であることが報告されています。本研究では術後末梢血検体を用い、未だ十分解明されていない術後ctDNAの臨床的意義を解析しました。全生存率、無再発生存率に関しては、残念ながら多変量解析で独立した予後予測因子であることを示すことはできませんでしたが、手術後の早期再発に関しては従来の腫瘍マーカーよりも優れた予測因子であることが示されました。ctDNAを含むliquid biopsyの分野はhot topicであり、更なる症例の蓄積を行い解析を進めて行くことが重要であると思われました。
本研究のご指導を頂き、このような発表の機会を与えてくださった外科学教室の諸先生方、ならびに大学院海外発表支援関係者の皆様に深謝いたします。

清水 千昌(博士課程4年 医歯薬学専攻 歯学専門プログラム 障害者歯科学)

第1回アジア障害者歯科学会(高雄)に参加して

この度私は、2019年4月12日から14日に台湾(高雄)にて開催された第1回アジア障害者歯科学会に参加させていただきました。
近年、本邦では高齢化率が25%を超え、さらに高齢化が進んでいます。これに伴い、障害をもつ患者においても高齢化が予測されています。そこで、広島大学病院障害者歯科における近年の患者実態を把握する目的で患者層の統計的観察を行い、その結果を発表して参りました。当院障害者歯科の中高齢化率(40代以上の割合)は2009年の21.2%から継続して増加し、2018年には42.3%に達し、2倍も増加しています。つまり、本邦の高齢者の割合が急速に増加している中で障害者の人口構成も高齢化に向かっていると考えられます。しかし、65歳以上に目を向けると、日本の人口統計と比較して、患者総数に対する割合が低いままで、有意な増減も認めませんでした。その背景として介助者の高齢化、不足により歯科外来への通院が困難となっていることが考えられます。日本のみならず、世界各国で高齢化は問題となっており、今後障害者の高齢化については、加齢に伴う生理学的変化や基礎疾患への対応が必要であると考えます。
最後になりましたが、今回このような貴重な発表の機会を与えていただき、ご指導いただいた諸先生方、ご支援いただいた大学院生海外発表支援関係者の皆様に深く感謝致します。


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