International Society of Arthroscopy, Knee Surgery and Orthopaedic Sports Medicine Congress 2023に参加して
2023年6月18日から21日にかけて、アメリカのボストンで開催されましたInternational Society of Arthroscopy, Knee Surgery and Orthopaedic Sports Medicine (ISAKOS) Congress 2023に参加させていただきましたので、ご報告いたします。
ISAKOSは全国約92か国の会員が所属している関節鏡・膝関節およびスポーツを中心とした国際学会です。今回の学会は、越智学長が名誉会員にも選ばれた記念すべき学会でもありました。
今回、私は“The preoperative prognostic factors influencing of postoperative results of manipulation under anesthesia for frozen shoulder”という題名で発表させていただきました。肩関節疾患としてよく遭遇する疾患に凍結肩があります。俗にいう五十肩のことですが、腱板断裂や変形性関節症などの器質的疾患がないにも関わらず、頑固な肩関節痛や可動域制限を来たし、十分に寝られない、衣服の着脱が難しいなど、患者のADL(日常生活動作)を大きく低下させることもあります。鎮痛薬、関節注射、リハビリテーションなどの保存療法で治療されることが一般的ですが、それらに抵抗性を示す場合に、非観血的授動術(manipulation)を行うことがあります。本術式は外来で行えることが大きな長所ですが、その術前不良因子に関する報告は少ない状況でした。今回、我々はそれを見出すことができたため、その成績をe-posterで報告しました。
他にも、肩関節を中心に最近の治療法やその長期成績などの発表を聞いて知見を深めることができ、今後の治療や研究への刺激となりました。最後に学会発表にあたりご指導、ご支援いただきました整形外科学教室の皆様、ならびに大学院生海外発表支援関係者の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。