令和5年度後期国際学会参加報告2

氏名 研究室名 国際学会名
宮地 達也 生理機能情報科学 The 10th Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies Congress
粕谷 龍一 生理機能情報科学 The 10th Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies Congress
野口 颯真 神経薬理学 Neuroscience 2023
乗重 敦誉 周手術期・クリティカルケア開発学 27th East Asian Forum of Nursing Scholar
麻 思萌 薬効解析科学 Neuroscience Annual Meeting 2023
吉井 寛毅 歯周病態学 2024 IADR/AADOCR/CADR General Session & Exhibition
吉野 舞 歯周病態学 2024 IADR/AADOCR/CADR General Session & Exhibition
川端 紳悟 整形外科学 MIFAS 6th International Congress of Foot & Ankle Minimally Invasive Surgery
竹下 萌乃 口腔保健疫学 15th International Conference of the Asian Academy of Preventive Dentistry
吉丸 春香 周手術期・クリティカルケア開発学 27th East Asian Forum of Nursing Scholar
井上 雄翔 創薬標的分子科学 PLANT&ANIMAL GENOME CONFERENCE/PAG31
吉川 慧 神経薬理学 Neuroscience 2023

 

宮地 達也(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 生理機能情報科学)

 The 10th Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies Congressに参加して

この度2023年11月1日~4日の4日間、韓国で開催されました「The 10th Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies Congress」に参加し、「Isolation of Skeletal Muscle Stem Cells From a Mammalian Hibernator Syrian Hamster」という演題で、ポスター発表を行いました。冬眠哺乳類であるハムスターの骨格筋組織幹細胞を単離し、さらに単離した骨格筋組織幹細胞を低温環境で培養すると、マウスと比較して細胞死が認められず、また低温環境を経験した骨格筋組織幹細胞において、増殖能や分化能に影響がないことを報告しました。
今回初めての国際学会であったので、自ら話しかけられなかったり、自信がなく戸惑うことがありました。また、質問に対する受け答えも拙くなってしまいました。この経験から、英語力を身につけるとともに、どのように相手に伝えるかを試行錯誤していきたいと思います。また、ポスター発表を初めて経験し、周りの人から興味を持ってもらえるポスターにするためには、フォントや図の配置等をもっと工夫し、見る人にインパクトを与えることが重要であると感じました。
最後に、この度の海外発表にあたりご指導いただいた先生方、ご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に感謝申し上げます。

粕谷 龍一(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 生理機能情報科学)

The 10th Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies Congress 2023 に参加して

この度、2023年11月1日から4日にかけて韓国の大邱で開催された「The 10th Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies Congress 2023」に現地参加し、「Hibernation delays the regenerative processes in the skeletal muscle of the mammalian hibernator Syrian hamster」という演題でポスター発表をさせていただきました。
我々の研究室は、ツキノワグマなどの冬眠動物が冬眠の前後で骨格筋量が減少しないことに着目して日々研究を行っています。今回私は、冬眠動物であるシリアンハムスターにおいて骨格筋を人工的に損傷させ、そこからの再生過程を、非冬眠時と冬眠時の2条件において比較検討しました。その結果、非冬眠時と比較して、冬眠時において骨格筋の再生遅延が認められたことを報告しました。
初めて国際学会に参加し、自分とは異なる分野の研究をされている方々や、似た分野を学び研究されている方々から助言をいただいたり、興味のある発表を選んで聞くことができたりと、非常に充実した時間となりました。また、英語による資料作成や現地での質疑応答などの難しさを感じ、英語学習の大切さを改めて実感しました。
最後に、このような発表の機会を与えてくださいました、生理機能情報科学研究室の先生方、大学院生海外発表支援関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

野口 颯真(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 神経薬理学)

 Neuroscience 2023に参加して

2023年11月11日~15日の5日間、アメリカのワシントンD.C.で開催された「Neuroscience 2023」に参加しました。Neuroscience 2023は、世界に4万人以上の会員を抱え、神経科学分野では世界最大の学会である北米神経科学学会(Society for Neuroscience)が主催しています。
発表タイトルは「Detailed analysis of the mechanism underlying propofol-induced PKC translocation and activation.」で、静脈麻酔薬であるPropofolが細胞に対して引き起こすPKCを中心とした蛋白質の局在の変化や、PKCの活性化について報告しました。未だPropofolの作用発揮の機序は明確になっていないことが多いままですが、今回の発表内容は、Propofolの副作用の機序にPKCの活性化やタンパク質の局在変化がかかわっている可能性を示唆しました。今回の学会参加を通して得られた経験を踏まえ、今後も精進していきます。この度の海外発表にあたりご指導いただいた先生方、ご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に感謝申し上げます。

乗重 敦誉(博士課程前期2年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 周手術期・クリティカルケア開発学)

 27th East Asian Forum of Nursing Scholars 2024 (Hong Kong)に参加して

私は、2024年3月6日から7日に香港で開催された「27th East Asian Forum of Nursing Scholars 2024」に参加し、「Difficulty and Needs of Breast Cancer Patients Who Develop Chemotherapy-Induced Heart Failure」という演題でポスター発表を行いました。香港、韓国、タイ、フィリピン、台湾、日本、シンガポールの7か国から看護研究者が参加し、口頭発表とポスター発表を含めると発表演題が1,000以上ありました。私は、化学療法によって心不全を発症した乳がん患者9名を対象に、困難感とニーズに関してインタビュー調査を行った結果をe-poster形式で発表しました。
今回が初めての国際学会参加であり、国内外の参加者とうまくコミュニケーションをとり、ディスカッションできるか不安でした。しかし、広島大学から参加していた先生方の援助もあり、他大学の大学院生や看護研究者の皆さんと交流を深めるとともに、お互いの研究テーマに関する展望などをディスカッションし、共有することもできました。国際学会の雰囲気を楽しみながら、とても有意義な時間を過ごすことができたと感じています。国際学会に参加して、研究へのモチベーションが向上した一方で、自身の語学力が不足していることを痛感しました。今後は、さらに研究内容を深めるとともに、英語力を向上させることで、これからの研究活動をより発展させたいと思います。最後に、この度の国際学会発表にあたりご指導いただいた先生方、ならびにご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に感謝申し上げます。

麻 思萌(博士課程後期2年 総合健康科学専攻 薬科学プログラム 薬効解析科学)

 Neuroscience 2023 に参加して

私は、米国ワシントンD.C. にて、2023年11月11日から5日間にわたって開催された Neuroscience 2023に参加し、「Preventive effect of anti-HMGB1 nAb on the onset of distal infraorbital nerve chronic constriction neuropathy in female mice」 というタイトルでポスター発表を行いました。本研究は、雌性マウスに対して、ダメージ関連分子パターンの一種である high mobility group box-1 (HMGB1) の中和抗体を前処置することにより、外傷性三叉神経ニューロパチーの発症が予防できることを明らかしたものです。
今回、初めての国際学会での発表であり、この学会に参加したことは、私にとって貴重な経験となりました。例えば、ポスター発表での海外の研究者たちとの議論を通して、自身の実験に対する新たな視点を学ぶことができました。今後は新たに見つけた問題点に注意しながら、研究を進められるように頑張ります。
最後に、研究に関してご指導いただき、発表する機会を与えてくださいました 森岡 徳光教授、中島 一恵助教、中村 庸輝助教、ご支援いただきました大学院海外発表支援関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

吉井 寛毅(博士課程4年 医歯薬学専攻 歯学専門プログラム 歯周病態学)

2024 IADR/AADOCR/CADR General Session & Exhibitionに参加して

2024年3月13日~16日にアメリカのニューオーリンズで開催された、2024 IADR/AADOCR/CADR General Session & Exhibitionに参加し、「Mechanosignaling YAP/TAZ TEAD Axis Regulates the Immunomodulatory Properties of Mesenchymal Stem Cells」という題目でポスター発表を行いました。本発表では、間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cells(MSCs))の免疫調整能が、場の硬さ等の細胞外微小環境の刺激を生化学的な信号に変換して感知する、メカノシグナルYAP/TAZ-TEAD経路によって負に制御されていることを報告しました。私にとって、今回が初めての国際学会への参加となりました。いたるところで活発なディスカッションが行われ、非常に刺激的な瞬間でした。私の発表に対しても多くの質問をいただきました。ディスカッションを行い、ある程度は理解してもらえたと感じましたが、考えていることを表面的にしか伝えることが出来ず、英語力が圧倒的に不足していると感じました。また、人に伝えるためにもっと準備できることがあったとも思います。次回参加する国際学会では、英語力だけでなく伝える力もつけて再挑戦したいです。最後に、この度の海外発表にあたりご指導いただいた先生方、ご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 

吉野 舞(博士課程4年 医歯薬学専攻 歯学専門プログラム 歯周病態学)

2024 IADR/AADOCR/CADR General Session & Exhibitionに参加して

この度、2024年3月13日-16日にジャズ発祥の地、ニューオーリンズ(米国・ルイジアナ州)で開催された「2024 IADR/AADOCR/CADR General Session & Exhibition」に参加いたしました。IADRは、国際歯科研究学会という歯学を中心とした学問を取り扱う専門学術団体であり、そのGeneral Session & Exhibitionでは、歯学に関する幅広い内容をカバーすることができます。
今回私は、「The Development Of A Human Bone Marrow Adipose Tissue-like Cellular Construct」という題名で発表させていただきました。骨髄に存在する骨髄脂肪組織 Marrow Adipose Tissue (MAT)は、脂質の貯蔵を担う白色脂肪組織や熱産生を担う褐色脂肪組織とは異なり、骨代謝や免疫系制御に関わることが示唆されるなど、ユニークな性質を持っているため、近年注目を集めています。また、歯科領域においても骨に関する研究は重要な分野の1つであります。以上のことから私は、骨髄脂肪の起源となる骨髄間葉系幹細胞(MSCs)と、細胞自身が産生するECMからなる3次元間葉系幹細胞集塊 Clumps of MSCs/ECM complexes(C-MSCs)に脂肪誘導を施すことで、MAT様 in Vitroモデルの樹立を目指しました。その結果として、立体的MAT様構造体が得られたことを報告して参りました。今回発表時間内に6人の方と意見交換を行うことができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。空港に降り立った瞬間から音楽にあふれる素敵な都市で開催された、ある意味非日常的なこの度の経験は、今後の研究への刺激となるだけではなく、世界と戦っていかなければならない事実を再認識するとても良い機会となりました。
最後に学会発表にあたりご指導ご支援いただきました歯周病態学、口腔先端治療開発学の皆様、ならびに大学院生海外発表支援関係者の皆様に、この場を借りて厚く御礼申しあげます。 

川端 紳悟(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 整形外科学)

第6回 International Congress of Foot & Ankle Minimally Invasive Surgery(MIFAS) Congressに参加して

令和5年10月5日から7日にブラジルのリオデジャネイロで開催されました第6回 International Congress of Foot & Ankle Minimally Invasive Surgery(MIFAS) Congressに参加させていただきましたのでご報告いたします。今回、本学からは中佐 智幸先生と私が参加させていただきました。日本からは他に参加者がいなかったため、日本を代表する気持ちで渡伯いたしました。
中佐先生はパネルディスカッションでの発表、私はポスター発表に採択されました。 
私は「The anterior region of the subchondral bone bed is prone to subchondral bone sclerosis in osteochondral lesions of the talus」という演題でポスターを作成しました。個人的に嬉しかったのが、海外の先生が私のポスターを見ながら、じっくり議論している様子を目にしたことです。作成した論文は、中々その影響を感じる機会が多くないため、自身の研究に興味を持っていただけたその瞬間を見ることができたことで、モチベーションが高まりました。 
今回の学会参加では特に、Zadek osteotomyという手術法に感銘を受けました。自分が執刀したアキレス腱付着部症の患者さんの治療満足度が、他の疾患に比べて少し物足りないと感じていたためです。帰国して間もなく、この手法が適応と考えられた別の担当患者の治療方針を中佐先生に相談いたしました。少しでも術後の満足度が上がることを目標にこの手術を提案し、手術を行った結果、現在、術後経過良好です。その他にも、外反母趾手術に対するMIS手術;MICA(Minimally Invasive chevron/Akin osteotomy)が流行していることや、様々なMIS治療のトレンドを学ぶことができ、本学会に参加して大変よかったと感じております。 
最後になりましたが、この様な機会を与えていただきました安達 伸生教授をはじめ、ご指導いただきました中佐先生、不在中にご迷惑をおかけした足グループの先生方、また医局の先生方に、心より感謝いたします。 

竹下 萌乃(博士課程前期2年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 口腔保健疫学)

15th International Conference of the Asian Academy of Preventive Dentistry に参加して

2023年11月8日~11日に香港で開催された 15th International Conference of the Asian Academy of Preventive Dentistry に参加いたしました。ポスター発表のタイトルは「Associations Between Masticatory Ability, Oral Health Habits, and Physical Function: A Cohort Study」で、身体機能と咀嚼能力および口腔健康習慣の関連について報告しました。本研究は、65歳以上の地域在住高齢者を対象としたコホート研究で、高齢者における主観的な咬合状態および咀嚼習慣は、1年後の身体機能と関連があることを示唆したものです。
私自身、国際学会への参加は今回が初めてであり、演題登録やポスター作成といった準備の段階においても、国内での発表とは異なる部分が多く、戸惑うこともありましたが、それも含めて非常に貴重な経験となりました。当日の発表形式は、スライドにポスターが映し出される形で3分間のプレゼンテーションを行う口頭発表に近いものであり、英語での説明は非常に緊張しましたが、聴講いただいた皆様が興味を持って発表を聞いてくださり、有意義な時間であったと感じました。一方、自身の英語でのコミュニケーション能力等、今後の課題も認識することができましたので、より一層努力していきたいと思います。
最後に、この度の学会参加にあたり、ご指導くださった内藤 真理子教授および口腔保健疫学研究室の先生方、ならびにご支援いただきました大学院生海外発表支援の関係者の皆様に感謝申し上げます。

吉丸 春香(博士課程後期3年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 周手術期・クリティカルケア開発学)

 27th East Asian Forum of Nursing Scholars (EAFONS) Conferenceに参加して

2024年3月6、7日に香港大学で開催された「27th East Asian Forum of Nursing Scholars (EAFONS) Conference」にて、ポスター発表をいたしました。
研究のタイトルは、「Associated Factors Between Readiness and Adjustment to Nursing Home Life of Older Adults in Japan: A Cross-Sectional Study (邦訳:日本における高齢者施設入居者の適応と準備性の関連要因の検討)」で、有料老人ホームや軽費老人ホーム等の高齢者施設に入所する120名を対象とした横断的研究の報告を行いました。自身の高齢者施設での勤務経験から、入居者によって、施設での新たな生活に適応(馴染めている)している人と、そうでない人がおり、その要因を明らかにするため研究に取り組みました。先行研究では、高齢者施設への入所が自分の意志であった人は適応しやすいという結果がありますが、昨今の入院期間の短縮化により、退院先を吟味するような時間的猶予が少なくなり、入所の意思決定が本人に無いケースも多く見受けられます。そのため本研究では、“入所前に行った準備が入所後の適応に関連している”という仮説を立て、調査しました。調査では、「自分に入所の意思決定権があった」、「入所の理由は将来のためだった(入所前に入所の理由に切迫性がなかった)」、「入所することを知っていた」、「入所前に見学をした」、「入所の準備をした」、「自分の使い慣れた家具等を施設に持ち込んだ」、の6項目を聴取し、多変量解析の結果、「入所前に見学をした」という項目が入所後の適応に有意に関連していることが明らかとなりました。また、精神的健康も入所後の適応と関連していることがわかり、入所に向けての準備において、事前見学することがメンタルヘルスの安定にも繋がることが示唆されました。
本発表は、学会の最優秀ポスター演題賞の候補にノミネートされ、約1,500もの演題がある中で、17名の現地発表者に選ばれました。今回は残念ながら受賞は逃しましたが、大変光栄かつ貴重な経験になりました。また学会会場では、日本人のみならず、東アジアの研究者とも交流する機会があったため、他の研究者が行っている高齢者を対象とした研究について情報交換ができ、大変よい刺激となりました。
末筆ではございますが、本研究発表にあたりご指導いただいた先生方、教室の皆様、霞国際室関係者の皆様には心より感謝申し上げます。また本支援金により、大変多くの学びを得ることができたことにつきましても、深く感謝申し上げます。

井上 雄翔(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 薬科学プログラム 創薬標的分子科学)

Plant and Animal genome Conference 31の参加を通して

私は2024年1月12日~17日に、アメリカ合衆国サンディエゴで開催された「Plant and Animal Genome Conference 31」に参加し、「Increased HDR Efficiency By Cell Cycle-Dependent Regulation of High-Fidelity Cas9 variants」という演題でポスター発表を行いました。この発表では、ゲノム編集分野で幅広く使用されているCRISPR-Cas9(Cas9)システムの実用化を目的として、Cas9のオフターゲット作用が低いことが知られている変異体と、我々が以前に開発した細胞周期依存的なCas9の制御システムを組み合わせることで、オフターゲット作用をさらに低減し、HDR(Homology-Directed Repair)修復機構によるテンプレート挿入の効率を高める方法を提案しました。具体的には、HDR修復機構が細胞周期のS/G2期に特異的に活性化することを利用し、Cas9の切断活性をこのS/G2期に限定することで、HDR修復機構でのDNA修復を促進させました。このシステムと、元々オフターゲット作用の低いCas9変異体を組み合わせることで、相乗効果を得ることができました。
私は今回が初めての国際学会への参加であり、海外の研究者と議論を交わすことの重要性を感じることができました。発表では多くの関心と、様々な質問をいただくことができました。同時に英語での応答に苦労する場面もあり、自分自身の英語基盤のなさを痛感しました。今後はこの経験を活かし、さらなる研究の進展を目指します。
最後に、この貴重な発表機会を提供してくださった先生方、そしてご支援いただきました大学院生海外発表支援の関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

吉川 慧(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 神経薬理学)

Neuroscience 2023に参加して

私は、Society for Neuroscience(北米神経科学学会)が主催する「Neuroscience 2023(2023年11月11日~15日)」に参加いたしました。本学術大会はワシントンD.C.およびバーチャルのハイブリッド開催であり、今回はvirtual posterを用いたバーチャルでの発表でした。
発表した内容は、コーヒーが結腸癌由来Caco-2細胞に発現するモノアミントランスポーター(MAT)に及ぼす影響についての検討でした。コーヒーは世界中で長く親しまれている嗜好品として、その健康効果についても注目が集まっており、消化管に及ぼす影響についても多くの報告があります。しかしながら、その詳細な機序については未解明な点が多いのが現状です。消化管からはモノアミンとよばれる神経伝達物質が分泌され、神経系、血液を介して全身の生理機能を調整します。上皮細胞に発現するMATはその再取り込みを介して、利用可能なモノアミンの濃度調節、上皮細胞自体の機能調整を担っていると考えられています。今回、Caco-2細胞をモデル細胞として、コーヒーがこのMATの発現量を低下させる可能性を報告しました。
初めて海外の学会で発表をさせていただきましたが、非常に参考になるご指摘をいただけた貴重な機会となり、この後に行われた国内学会ではブラッシュアップした発表をすることができました。また、他の研究者の発表スライドは、国内学会のそれとはデザインや情報量について異なる点が多く、プレゼンテーションの細かい工夫も含め、今後の自身の発表にも上手に取り入れるべき技術をリアルタイムで学ぶことができました。
改めて、本発表にあたりご指導いただいた先生方および研究室の皆様、ご支援いただきました大学院生海外発表支援の関係者の皆様に心より御礼申し上げます。 


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