令和6年度前期国際学会参加報告1

氏名 研究室名 国際学会名
皆本 瑛 視覚病態学 ARVO (The Association for Research in Vision and Ophthalmology) 2024 Annual Meeting
Habiba Shirin 成人看護開発学 American College of Preventive Medicine
小田 さくら スポーツリハビリテーション学 World Congress of Sports Physical Therapy
神谷 侑希 精神機能制御科学 12th IUHPE European Conference on Health
Promotion 7th International Conference on Salutogenesis
光井 満月 口腔保健疫学 International Symposium on Dental Hygiene 2024
水田 良実 スポーツリハビリテーション学 The 14th Asia Conference of Kinesiology and Sport Science in 2024
笠川 萌香 医療システム工学 45th Asia Pacific Dental Congress
杉本 美晴 生体運動・動作解析学 International Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM) 2024
松村 康平 生体運動・動作解析学 International Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM) 2024
池田 隆太郎 生体運動・動作解析学 International Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM) 2024
野村 晃生 分子内科学 LASLC 2024 World Conference on Lung Cancer (WCLC 2024)
岸 美里 放射線腫瘍学 AAPM 66th Annual Meeting & Exhibition
廣瀬 幸太 放射線腫瘍学 AAPM 66th Annual Meeting & Exhibition
和田 拓也 放射線腫瘍学 AAPM 66th Annual Meeting & Exhibition
貝塚 崚輔 スポーツリハビリテーション学 The International Federation of Foot & Ankle Societies (IFFAS) 2024

皆本 瑛(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 視覚病態学)

ARVO (The Association for Research in Vision and Ophthalmology) 2024 Annual Meetingに参加して

2024年5月5日~9日にかけて、アメリカ合衆国シアトルで開催されたARVO (The Association for Research in Vision and Ophthalmology) 2024 Annual Meetingに参加し、「Response to anti-VEGF antibodies in RPE to mechanical stress using animal models」という演題でポスター発表を行いました。
滲出型加齢黄斑変性症では病理組織学的にドルーゼンなどによる網膜色素上皮の隆起がみられ、このことが脈絡膜新生血管の発生に関与すると考えられています。本研究ではマウスの結膜下にビーズを挿入することで、機械的ストレスを網膜色素上皮に与え、その結果生じる血管新生関連因子の変化に関して検討しました。その結果、眼球組織におけるVEGFの発現上昇や、同時に加齢黄斑変性症の治療薬でもある抗VEGF抗体を硝子体内投与することで、VEGFの発現抑制を示し、本実験系が加齢黄斑変性症の病態のメカニズムを解析するためのモデルとなりうることが期待される結果となりました。
質疑応答では今後の研究を進めるにあたり大きなヒントを得るだけでなく、モチベーションの向上にもつながる他の演者との交流を得ることができ、非常に有意義な時間となりました。
最後にはなりますが、今回の貴重な機会を与えてくださいました諸先生方、ならびにご支援賜りました大学院生海外発表支援の関係者の皆様に深謝申し上げます。 

Habiba Shirin(博士課程後期3年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 成人看護開発学)

Attendance on American College of Preventive Medicine, 2024 April 18-21, Washington DC

I attended on American College of Preventive Medicine, 2024 April 18-21, Washington DC, and presented 「 A hospital-based randomized controlled trial to evaluate the effects of health education, ultrasonography and antenatal care visits to reduce unnecessary cesarean section in Bangladesh」.
Background: The rate of cesarean section (C/S) increasing globally, and it became about twofold from 12.1% to 21.1% in 2015. Medically unnecessary C/S was 77% in 2018 among all the C/S and mostly for avoiding labour pain, followed by increased previous uterine scar. In Bangladesh, C/S remains high and causes surgical-related complications and decreases mothers’ quality of delivery. Due to lack of medical insurance system in Bangladesh, it causes economic burden and money spends mostly from patients’ out of pocket. World Health Organization recommended pregnant women to have antenatal care (ANC) visit 8 times; however, in Bangladesh, ANC 4 visits or more is only 47%, and 8% did not receive any ANC in 2017. Therefore, the objectives of our study were to evaluate the effects of health education, additional ultrasonography (USG), and eight antenatal care visits to reduce unnecessary C/S among pregnant women in Bangladesh. Our secondary outcomes were to increase antenatal care (ANC) and post-natal (PNC) visits and increase the greater number of USG use among the pregnant women.
Methodology: We conducted our study in urban and rural hospitals of Bangladesh between November 28, 2021 and September 15, 2022. Pregnant women irrespective of their age who had no complications for the indication of caesarean section received interventions or usual care. 
Results: In total 288 pregnant women were enrolled from 4 different hospitals (72 from each hospitals), 144 in intervention and 144 in usual care group. Normal delivery was increased, caesarean section was decreased 2.6 times, ANC was increased 11.54% more, and USG was increased 33.34% more after providing intervention. 
Conclusion: Results of this study can be implmented in the health systems of other low and middle income countries to improve the maternal and child health and reduce maternal and child morbidity and mortality to achieve the sustainable development goal. 

小田 さくら(博士課程後期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

World Congress of Sports Physical Therapyに参加して

2024年6月14日~15日にノルウェーで開催されたWorld Congress of Sports Physical Therapy  (WCSPT)に参加して参りました。「Relationship between muscle swelling and muscle hypertrophy of peroneus muscles by resistance training」というタイトルでポスターでの発表を行い、発表を通じて多くの研究者と交流し刺激を受けることができました。本学会への参加は初めてで、私自身スポーツ分野を専門に研究を行っているため、スポーツ理学療法に特化した本学会への参加は学ぶことが多くありました。特にウィメンズヘルス分野では、現在のトレンドを知ることができたうえ、女性アスリートの尿失禁予防を目的に研究に取り組んでいる研究者の方と対面でディスカッションをすることができました。 自らの研究計画に関してアドバイスをいただくだけでなく、女性アスリートの尿失禁予防に関する現状について活発なディスカッションをすることができました。尿失禁に関する研究は、ヨーロッパを中心に国外で積極的に実施されています。そのため、海外の研究者と研究に関する話をしディスカッションを重ねることで、日本国内だけでは得ることのできない最新の情報を知ることができたと感じました。
最後に、この度国際学会で発表をするにあたり、熱心にご指導いただいた先生方、またご支援いただいた海外発表支援金関係者の皆さまに感謝申し上げます。 

神谷 侑希(博士課程後期2年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 精神機能制御科学)

12th IUHPE European Conference on Health Promotion 7th International Conference on Salutogenesisに参加して

この度、私は2024年6月19日から6月20日の2日間、ポーランドのウッチで開催された12th IUHPE European Conference on Health Promotion 7th International Conference on Salutogenesisに参加し、「Differences in levels of sense of coherence effect on the autonomic nervous system under acute stressful situation」というタイトルで口述発表を行いました。高い首尾一貫感覚を持つ人、すなわちストレス対処能力が高い人は急性ストレス時に適切な迷走神経調整が可能なことが示された一方で、低い首尾一貫感覚を持つ人はストレス後の迷走神経の回復が乏しいことを報告しました。
発表形式は5人の発表者がsalutogenesis(健康生成論)の理論をテーマに研究内容を共有し、最後に質疑応答を行うワークショップ形式でした。そのため、学会の成功に向けて、約1か月前からzoomを通じて海外の発表者や司会者とミーティングを重ね、入念に準備を進めました。今回が初めての国際学会であったため、当日の質疑応答では英語での対応が難しく、伝えたいことをうまく伝えられないもどかしさを感じました。しかし、ある海外の参加者が「彼は今回が初めての国際学会発表です。みなさん拍手を送りましょう。」と言ってくださり、大変嬉しく感じるとともに、研究へのモチベーションがさらに高まりました。今回の貴重な経験を通じて、英語力の向上を図り、今後の研究活動にさらに励んでいきたいと考えています。
最後に、この度の国際学会発表にあたりご指導いただいた先生方、並びにご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に感謝申し上げます。 

光井 満月(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健学科プログラム 口腔保健疫学)

International Symposium on Dental Hygiene 2024に参加して

2024年7月11日から13日にかけて、韓国ソウルで開催されたInternational Symposium on Dental Hygiene 2024に参加し、「Association of Sleep Duration with Swallowing Difficulty in Adults」というタイトルでポスター発表を行いました。
本研究は、大規模コホート研究である「Longitudinal Evaluation of Multi-phasic, Odontological, and Nutritional Associations in Dentists cohort study」のデータを用いて、日本人成人における睡眠時間と嚥下障害の関連を横断的に検討したものです。研究結果から、長い睡眠時間と嚥下困難感との間に有意な関連が示されました。この関連の機序として、長時間の睡眠により日中の活動時間が減少し、それが筋肉量の減少に繋がる可能性が考えられました。さらに、嚥下に関わる筋肉やエネルギーの減少が嚥下困難感を増大させることが示唆されました。
今回、初めて国際学会に参加し、大変緊張しました。世界中の参加者との意見交換や質疑応答、また様々な講演を通じて、歯科衛生士が口腔衛生の成果を最適化する上で果たす極めて重要な役割について、多角的な知見を得ることができました。また、発表や質疑応答において、英語でのコミュニケーションに苦労したため、今後の学びに活かしていきたいと考えています。
最後に、今回の発表に際してご指導いただいた内藤 真理子先生、口腔保健疫学研究室の皆様、そしてご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。 

水田 良実(博士課程後期3年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

The 14th Asia Conference of Kinesiology and Sport Science in 2024に参加して

この度、2024年9月10日~12日にマレーシアのクアラルンプールで開催されたThe 14th Asia Conference of Kinesiology and Sport Science in 2024に参加しました。「Reproducibility of the dynamic balance assessment in males and females: a longitudinal study」というタイトルで、性別ごとにジャンプ着地時の動的バランスの変動を経時的に追った研究成果を発表しました。結果として、日を改めて複数回動的バランスの測定をしたところ、男性に比べて女性の方がパフォーマンスの変動が大きいことが示唆されました。
この発表は光栄なことにYoung investigator awardを受賞しました。私自身、本学会のような大きな会場で研究成果の口述発表をした経験はほとんどなく、大変貴重な機会となりました。また、研究の意義やスポーツ現場での応用の観点から質問をいただけたので、今後の研究に活かしていきたいと思っています。本学会への参加にあたりまして、ご支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆さま、日頃よりご指導いただいている浦辺 幸夫教授はじめ研究室関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。 

笠川 萌香(博士課程前期2年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 医療システム工学)

45th Asia Pacific Dental Congressに参加して

この度、2024年5月2日から5日にかけて台湾の台北で開催された45th Asia Pacific Dental Congressに参加し、ポスター発表を行いました。演題名は「Evaluation of Extraction Socket Healing in Risedronate Analog-medicated Mice」です。
薬剤/ビスホスホネート関連顎骨壊死(MRONJ/BRONJ)は、ビスホスホネート(BP)等の薬剤を使用する患者に稀に見られる難治性の骨壊死であり、歯科治療の成功を妨げる大きな要因となります。2023年にはポジションペーパーが改定され、その発症には、骨リモデリングの阻害や細菌感染、血管新生阻害が関連しているとされている一方で、課題や未解決事項も指摘されており、更なる診断法や治療法の開発が求められています。リセドロネートアナログは、臨床で使用されている窒素含有BPとほぼ同じ構造を持ちながら、骨吸収抑制能を持ちません。そこで本研究では、マウスに対しゾレドロネートまたはリセドロネートアナログを投与することで、抜歯窩治癒様式の差異を評価することを目的としました。その結果、同じ窒素含有BPであっても、骨吸収の阻害効果により顎骨壊死の発症への寄与度には差があることが示唆されました。
今回の学会発表は私にとって初めての学会発表で、尚且つ初めての国際学会発表でした。アジア各国の研究に触れることができ、非常に貴重な経験となりました。英語での質疑応答は難しく、自分の考えを明確に伝えることができなかった場面もあったため、今後は英語力の向上にも力を入れていきたいです。
最後になりましたが、研究に関してご指導いただき、このような発表の機会を与えてくださいました村山 長教授および峯 裕一講師、そしてご支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様に深く感謝申し上げます。 

杉本 美晴(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 生体運動・動作解析学)

International Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM) 2024に参加して

この度、2024年6月1日~6日にオーストラリアのシドニーで開催されたInternational Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM) 2024に参加しました。
私は、「Dynamic feature of infrapatellar fat pad during walking in patients with knee osteoarthritis.」というタイトルでポスター発表を行い、変形性膝関節症患者および健常者における歩行中の膝蓋下脂肪体の形態変化量の違いについて報告しました。発表はe-poster形式であり、参加者が自由にデジタルパネル上にポスターを表示し閲覧するというシステムでした。
本学会はリハビリテーション分野に関わる全ての専門職が集まる学会であったため、聴衆の専門分野に配慮した説明となるように工夫しました。質疑応答の機会を得ることはできませんでしたが、聴衆を引き込むような話し方やレイアウトを工夫した発表に多く触れることができました。今回の参加を通して、聴衆を意識した資料作成や発表のあり方に対する視点が広がったと考えます。
一方で、一目見て内容が伝わるような資料作成や端的な表現での要約ができなかったことが、今回の課題です。今後、様々な専門分野の方とより深いディスカッションができるように、自身の研究の質および資料作成や発表技術の向上に努めるとともに、多くの研究に触れていきたいと思います。
最後になりましたが、学会発表にあたりご指導いただきました高橋教授をはじめ、生体運動・動作解析学研究室の皆様、ご支援くださった大学院生海外発表支援の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 

松村 康平(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 生体運動・動作解析学)

International Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM)に参加して

2024年6月1日から6日にかけて、オーストラリアのシドニーで開催されたInternational Society of Physical and Rehabilitation Medicine (ISPRM) 2024に参加いたしました。私は、「The effect of kinematics during squatting on medial meniscus extrusion in patients with knee osteoarthritis」という題目でポスター発表を行い、変形性膝関節症患者のスクワット動作における運動学的特徴が、同疾患の進行因子である内側半月板逸脱の増大に関与していることを報告しました。
今回の海外でのポスター発表を通じて、英語での研究発表の難しさを強く実感しました。自身の研究内容を簡潔に説明する際、専門用語に頼らず、わかりやすい言葉で伝えることの大切さを学びました。特に、異なる背景を持つ聴衆に対してどのように説明するかが課題となりました。
また今回の学会参加を通じて、国際的な研究ネットワークを広げることの重要性も認識しました。様々な国の研究者の方々との交流は、視野を広げるだけでなく、今後の研究活動にも大きな影響を与える貴重な機会となりました。今後も積極的に国際的な学会に参加し、自分の研究を発展させていきたいと思います。
最後になりましたが、学会発表にあたりご指導いただきました高橋教授をはじめ、日々ご支援をいただいている生体運動・動作解析学研究室の皆様、また大学院生海外発表支援の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。この場を借りて、深く御礼申し上げます。 

池田 隆太郎(博士課程前期2年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム 生体運動・動作解析学)

International Society of Physical and Rehabilitation Medicine(ISPRM)に参加して

2024年6月1日~6日の期間にオーストラリアのシドニーで開催されたInternational Society of Physical and Rehabilitation Medicine(ISPRM)に参加し、「Safety of early walking in patients with mild aneurysmal subarachnoid hemorrhage and factors that enable early walking: retrospective cohort study」という題目でポスター発表を行いました。本研究は、軽症のくも膜下出血(aSAH)患者の早期歩行における安全性と早期歩行が可能であった要因を調べたものです。研究の結果、軽症のaSAH患者において、早期歩行は重篤な合併症を引き起こす可能性は低く、脊髄ドレーン抜去後は早期歩行を考慮してもよい可能性や水頭症罹患を減少させる可能性が示唆されました。ポスター発表は、参加者がキーワードや名前を入力して、各自で自由に閲覧するe-posterというシステムを使用しており、ディスカッション等を行うことは叶いませんでした。
学会では、特別講演や口頭発表、企業展示を拝見しました。参加者やスタッフの方々と交流する中で、円滑なコミュニケーションに苦労する場面が多々あり、自身の語学力の至らなさを感じました。自身の語学力を高めながら、今後も国際学会に参加し、研鑽を重ねていきたいと思います。
最後になりましたが、学会発表にあたりご指導いただきました先生方をはじめ、ご支援くださった大学院生海外発表支援の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 

野村 晃生(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 分子内科学)

LASLC 2024 World Conference on Lung Cancer (WCLC 2024)に参加して

この度、2024年9月7日から10日に、アメリカ合衆国カリフォルニア州のサンディエゴで開催された、LASLC 2024 World Conference on Lung Cancer (WCLC 2024)に参加し、「Risk Factors for Ir-AEs in Patients with NSCLC Receiving Chemotherapy Combined with a PD-1/PD-L1 Inhibitor or Nivolumab and Ipilimumab」という演題でポスター発表しました。
進行非小細胞肺癌に対する標準治療として、化学療法に抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体を併用する治療と、化学療法に抗PD-1抗体のニボルマブと抗CTLA-4抗体のイピリムマブを併用する治療が行われています。現在、抗CTLA-4抗体を使用する後者の治療による重篤な免疫関連有害事象が問題となっておりますが、この有害事象発症に対するリスク因子は明らかにされておりません。
本研究では多施設共同の後向き観察研究により、化学療法に抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体を併用する治療と、化学療法にニボルマブとイピリムマブを併用する治療による重篤な免疫関連有害事象発症に対するリスク因子が、前者ではC反応性蛋白高値、後者では好中球/リンパ球比低値であることが明らかとなりました。
発表では多数の質問をいただき、海外の医師と議論を交わした経験は非常に刺激的でした。また、学会に参加して、肺癌についての最新の研究結果などに触れることもでき、有意義な時間を過ごすことができました。最後になりますが、このような貴重な機会を与えてくださった服部 登教授、分子内科学教室の皆様、ご支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様に感謝申し上げます。 

岸 美里(博士課程1年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 放射線腫瘍学)

AAPM 66th Annual Meeting & Exhibitionに参加して

2024年7月21日~7月25日にアメリカのロサンゼルスにて開催されましたAAPM 66th Annual Meeting & Exhibitionに参加し、「Deciphering Biochemical Signatures for Image Biomarkers Following Radiomics-Based Unsupervised Learning in Serous Ovarian Cancer」という題目で、General Poster Discussionの枠で発表しました。本研究では、漿液性卵巣がん患者の治療前CT画像から得られた定量的な画像特徴量をAIへ入力し、似た特徴をもつ患者群にクラスタリングをさせ、クラスターごとの遺伝子発現量の差から得られる生物学的機能を解析することで、腫瘍の新たなバイオマーカーの探索を試みました。研究の結果、患者は3つのクラスターに分類され、生存率の有意差検定にて予後不良とされた患者群では、卵巣がん治療の化学療法で用いられるパクリタキセル耐性をもつ機能や、腫瘍増殖の促進に関する機能を有することが示唆されました。
本会を通じて世界の研究レベルの高さを肌で感じることができ、国内ではなく世界へ目を向けた研究を行いたいと改めて思いました。また、1週間という短い期間でしたが、言語をはじめ異文化に多く触れることができ、非常に新鮮で貴重な経験となりました。この度は、このような発表の機会を与えてくださった諸先生方、並びにご支援いただいた大学院生海外発表支援関係者の皆様に深く御礼申し上げます。 

廣瀬 幸太(博士課程前期2年 総合健康科学専攻 医学物理士プログラム 放射線腫瘍学)

AAPM 66th Annual Meeting & Exhibitionに参加して

この度、2024年7月21日~25日にロサンゼルスで開催されたAAPM 66th Annual Meeting & Exhibitionに参加いたしました。
私は「Development of Hybrid CNN-Transformer Model for Synthesizing multi-contrast MR images to Aid in Stroke Region Detection」という題目で口頭発表およびポスター発表を行いました。本研究は、急性期脳梗塞患者に対して「AIを用いたMR画像生成」を行い、生成した画像に対して「AIによる病変検出能評価」という臨床応用可能な画像評価法を提案した内容になります。
学生では日本人初となる Best in Physicsという賞を受賞することができ、多くの方に注目していただける演題発表となりました。
口頭発表およびポスター発表を通じて十数名の先生方とディスカッションを行うことができ、様々なフィードバックをいただきました。我々の研究の今後の改良点などを多く持ち帰ることができましたので、研究活動に還元していきたいと思います。
また、同分野の専門家の方々の研究発表を聞き、知見を深めるとともに、医療領域におけるAIのトレンド・ニーズの把握ができ、今後の研究の為の学びが多くありました。
私にとって初めての国際学会での発表であり、研究内容を英語で説明する難しさを痛感するとともに、今後の英語学習のモチベーションが高まる良い機会になりました。
最後に、この度の受賞・発表にあたりご指導いただきました先生方、放射線腫瘍学教室の皆様、並びにご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。 

和田 拓也(博士課程1年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 放射線腫瘍学)

AAPM 66th Annual Meeting & Exhibitionに参加して

この度、2024年7月21日から25日にアメリカ合衆国のロサンゼルスで開催されたAAPM 66th Annual Meeting & Exhibitionに参加いたしました。私は、「Reduction in the Biological Effective Dose of SIB-VMAT By Extended Treatment Duration Analyzed Via Modified Linear Quadratic Model」というタイトルでポスター発表を行いました。
本発表は、放射線治療は様々な原因により治療期間が延長されることがありますが、その延長に伴う生物学的等価線量(BED)の低下量の算出および補償方法を検討したものになります。腫瘍の再増殖と治療期間の延長を考慮してBEDを解析したところ、治療期間が延びるほどBEDの低下率が増加することが確認されました。また、複数のターゲットがある症例では、計画標的体積(PTV)ごとにBEDの低下率が異なるため、BEDの低下を補償するには、PTVごとに独立した補償係数が必要であることが示唆されました。
現地参加することで、ネイティブの英語に触れる機会が得られ、自身の英語力の未熟さを痛感しましたが、今後の英語発表に向け良い経験となりました。また、国際的に注目されている研究分野を知ることができ、他の研究者と情報交換も行い、さらに現地のリクルート情報を調査することができるなど、多くを学ぶことができました、今後も国際学会に参加し、研鑽を重ねたいと思います。
今回の発表にあたりご指導いただいだき、このような貴重な機会を与えてくださいました研究室の皆様、ご支援いただきました大学院生海外発表支援の関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

貝塚 崚輔(博士課程前期2年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

The International Federation of Foot & Ankle Societies (IFFAS) 2024に参加して

2024年5月30日~6月1日に、韓国の江南で行われたThe International Federation of Foot & Ankle Societies (IFFAS) 2024に参加し、ポスター発表を行いました。演題名は「Rearfoot eversion in male adolescent athletes is associated with dynamic postural stability after jump landing」です。
本研究は、思春期の男性アスリートで「後足部回外」という足の向きが、ジャンプ後のバランスにどのように影響するかを調べたものです。後足部回外があるとバランスが悪くなり、けがのリスクが高まる可能性があることがわかりました。後足部回外は踵から見た足の角度を測ることで評価することができるため、スポーツ現場でも簡単にバランスの評価ができると結論づけました。本発表に対する質疑応答として3分間の時間が設けられていましたが、簡潔に説明することが難しく、自身の英語力を向上させる必要性を感じました。学会は足部に特化した内容で、現在の足部研究のトレンドである3DCTが、アメリカやヨーロッパの研究者によって取り上げられていました。未だ日本では普及していない技術であり、今後の研究の助けになると考えました。この国際学会での発表を通して、同分野の研究者と議論を交わすことで考えが深まり、非常に有意義な経験を得ることができました。
最後になりましたが、研究に関してご指導いただき、このような発表の機会を与えてくださいました浦辺 幸夫教授および浦辺研究室の皆様、そしてご支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様に深く感謝申し上げます。 


up