令和6年度前期国際学会参加報告2

氏名 研究室名 国際学会名
石田 礼乃 スポーツリハビリテーション学 World Congress of Sports Physical Therapy 2024
今岡 洸輝 消化器・移植外科学 American Transplant Congress (ATC) 2024
別木 智昭 消化器・移植外科学 American Transplant Congress (ATC) 2024
長ヶ原 一也 消化器・移植外科学 American Transplant Congress (ATC) 2024
田村 佑樹 スポーツリハビリテーション学 World Congress of Sports Physical Therapy 2024
前田 祐希 分子システム薬剤学 39th JSSX and 26th North American ISSX Meeting
佐々木 亘 皮膚科学 European Academy of Dermatology & Venereology (EADV)
西尾 良文 障害者歯科学 27th iADH(international Association for Disability & Oral Health) Scientific Conference
西野 領 障害者歯科学 27th iADH(international Association for Disability & Oral Health) Scientific Conference
髙上 凌弥 スポーツリハビリテーション学 The 14th Asia Conference on Kinesiology and Sport Science in 2024
伊東 銀二 スポーツリハビリテーション学 The 14th Asia Conference on Kinesiology and Sport Science in 2024
長尾 拓海 スポーツリハビリテーション学 World Physiotherapy Asia Western Pacific region Congress
小柳 円香 スポーツリハビリテーション学 World Physiotherapy Asia Western Pacific region Congress
奥垣 智仁 スポーツリハビリテーション学 World Physiotherapy Asia Western Pacific region Congress
原 辰嘉 スポーツリハビリテーション学 World Physiotherapy Asia Western Public region Congress

石田 礼乃(博士課程後期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

World Congress of Sports Physical Therapy 2024 に参加して

この度、2024年6月14日から15日の2日間にノルウェーのオスロで開催された、World Congress of Sports Physical Therapy 2024 に参加いたしました。私は、「Comparison of the distance between the talus and lateral malleolus during single-leg drop landing in individuals with and without chronic ankle instability」という題目でポスター発表をさせていただきました。
足関節捻挫の予防に向けて、三次元動作解析装置と超音波画像診断装置を同期させることで実現した本研究について、データの信頼性や再現性など、その方法論を中心に質問をしていただきました。そして、私自身課題と感じていた方法論の確立の点で、海外の研究者より多くのご助言をいただくことができました。スポーツ理学療法を取り扱う本学会では、一般的なスポーツ外傷である足関節捻挫をテーマにした発表も多く、世界各地の研究者と足関節捻挫や足部のバイオメカニクスについて、深くディスカッションを行うことができ、今後の自身の研究活動につながる非常に有意義な時間であったと感じています。
最後になりますが、本学会の発表に向けてご指導いただきました研究室の先生方、並びにご支援いただきました大学院生海外発表支援の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 

今岡 洸輝(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 消化器・移植外科学)

American Transplant Congress (ATC)2024に参加して

私は2024年6月1日~6月5日にアメリカのフィラデルフィアで行われたAmerican Transplant Congress (ATC)2024に参加し、ポスター発表を行いました。演題名は「Atherosclerosis Affects Anti-Tumor Activity of Liver Natural Killer Cells but Not Kidney Natural Killer Cells in Living-Donor Organ Transplantation」です。
当科では以前より肝臓内には末梢血よりも多くのナチュラルキラー(NK)細胞が存在し、肝内在性NK細胞の抗腫瘍分子tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)を高発現し高い抗腫瘍効果を発揮することを報告しています。そして、動脈硬化によって、肝内在性NK細胞のTRAIL発現低下する機序について報告しています。一方、各臓器によって臓器内在性NK細胞の表現型は異なり、動脈硬化によって受ける影響も異なる可能性があります。そこで生体腎移植時にドナー腎臓の灌流液中の腎臓NK細胞を始めとする単核球細胞を採取し、ドナーの動脈硬化の程度と腎臓NK細胞の活性化マーカーについて解析を行いました。また、動脈硬化マウスを用いて、腎臓内NK細胞のさらなる解析を行なった内容の一部を、この度ATC2024で発表しました。この内容を評価され、Poster Awardを受賞することができ、非常に嬉しく感じるとともに、現在進めている実験内容を今まで以上に洗練し、世界に発信していくモチベーションになりました。今後も高い志を持ち、研究に取り組んでいきたいと考えています。
国際学会に参加し、発表することはとても刺激的で今後の研究にも大変役立つと思いました。最後にご指導くださった大段教授、大平先生をはじめとした先生方に感謝申し上げます。 

別木 智昭(博士課程3年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 消化器・移植外科学)

American Transplant Congress (ATC) 2024に参加して

この度、2024年6月1日~5日の5日間、アメリカのフィラデルフィアで開催されたAmerican Transplant Congress (ATC) 2024に参加しました。
私は「Combination of C-reactive protein-albumin-lymphocyte index and donor liver immune status index is an independent prognostic risk factor of patients with hepatocellular carcinoma following liver transplantation」というタイトルでポスター発表を行いました。肝移植後の予後因子は複数報告されており、炎症性マーカーの中ではNLRが術前予後因子としてすでに報告されています。近年発表された新規炎症マーカーであるCALLY index(CRP,Alb,lymphocyteから算出)が肝移植後の予後予測因子と成り得るかを、当院の肝移植術データベースを用いて後方視的に検討し発表させていただきました。術前後でのCALLY indexの改善が肝移植後のRFS改善に寄与し、グラフト要因と組み合わせることで、肝移植後の予後を層別化できることを報告いたしました。昨年度よりも多くの質問をいただき、英語での質疑応答に未熟さを感じましたが、可能な限り回答しました。アジア圏からの参加者の英語力の高さに驚き、少しずつでも英語の勉強を進めないといけないなと感じました。今後は英語の勉強を進めつつ、基礎研究、論文執筆に取り組んでいきたいと考えています。
最後に、この度の海外発表にあたり御指導いただいた大段 秀樹教授、大平 真裕先生および研究室の皆様に感謝申し上げます。また、国際学会発表を御支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様に心より御礼申し上げます。 

長ヶ原 一也(博士課程2年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 消化器・移植外科学)

American Transplant Congress (ATC) 2024に参加して

2024年6月1日から6月5日に開催されたAmerican Transplant Congress (ATC) 2024に参加させていただきましたのでご報告いたします。ATCは、世界中から移植医療に携わる様々な職種が集い、最新の知見を共有する学会です。日本では目にすることがない技術も多く報告されており、非常に刺激的な日々を過ごすことができました。
今回私は「Experience of Dual Graft Liver Transplantation and Proposal of a New Surgical Strategy」というタイトルでポスター発表を行いました。日本を始めアジア諸国では、脳死ドナーが少なく、生体肝移植技術が発展してきました。ドナーから採取するグラフトは、残された肝臓がドナーの肝機能を担保し、かつ移植するグラフトがレシピエントの肝需要を満たす必要があります。しかし、容積の大きい右葉を摘出するとドナーの残肝機能が担保できず、左葉ではレシピエントの肝需要を満たす事ができない場合、これまでは適切な脳死ドナーが回ってくるまで長期間待たなくてはなりませんでした。しかし緊急性の高い患者においては時間的猶予がなく、dual graft肝移植という手術戦略が韓国から報告されました。この戦略は2人のドナーから肝臓を採取し、1人のレシピエントに移植をするというものです。当院ではそれをさらにブラッシュアップし、より虚血時間を短くし、合併症を減ずることのできる戦略を考案し、報告しました。質疑では、やはり馴染みのない術式ということもあり、詳細な手順に関するものがほとんどでした。
初めての国際学会でしたが、現地でfellowとして働く日本人も多く参加しており、懇親会等で現状や今後の目標等について熱くお話することができたことも大きな財産となりました。日本と世界の移植医療を取り巻く環境のギャップも肌で感じることができ、日本ならではの技術を磨き、そして世界における最先端技術が、日本でどのように活きるのかということを考えていく必要性を感じました。
最後に、この度の海外発表にあたり御指導いただいた大段 秀樹教授、大平 真裕先生および研究室の皆様に感謝申し上げます。また、国際学会発表を御支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様に心より御礼申し上げます。 

田村 佑樹(博士課程後期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

World Congress of Sports Physical Therapy 2024に参加して

2024年6月14日~15日にノルウェーのオスロで開催されたWorld Congress of Sports Physical Therapy 2024に参加しました。
世界中の約40か国から約700人の研究者たちが参加した本学会は、スポーツ理学療法の学会として世界最大規模の学会です。ヨーロッパ開催ということもあり、欧米諸国からの参加者が多数を占める一方で、日本からも約30人の研究者が参加していたことが印象的でした。発表テーマも多種多様で、各分野での最近のトレンドについて多くの報告があり、口頭発表やポスター発表、さらには臨床技術を学ぶことができるワークショップなど様々な形の発表形式がありました。
私は、サッカー選手の鼠径部状態を評価する自記式アンケートの日本語版作成、および妥当性と信頼性の検証に関する研究をポスター形式で発表しました。測定方法や発展性などについての質問をいただき、今後の参考となるようなディスカッションをすることができました。ポスター発表という限られた時間のなかで、研究内容を要約し簡潔に伝えることに難しさを感じた場面もあったため、今後の反省として活かしていきたいと思います。また、普段、私が主研究分野としているパラスポーツのセッションに参加したのですが、参加者が8名であったことに少し寂しさを感じました。しかし、パラスポーツに対する関心が高まりつつある現代において、パラスポーツ選手の傷害予防は必要不可欠な研究テーマになると思いますので、今後私が本分野で世界をリードするような研究者となれるように精進していきます。 

前田 祐希(博士課程前期2年 総合健康科学専攻 薬科学プログラム 分子システム薬剤学)

39th JSSX and 26th North American ISSX Meetingに参加して

 2024年9月15日から18日にかけて、アメリカのハワイで開催されました39th JSSX and 26th North American ISSX Meetingに参加いたしました。
本発表では、「HIGHLY DEEP QUANTITATIVE PROTEOMICS ELUCIDATE THE MECHANISM OF ALZHEIMERS’ DISEASE TARGETING REACTIVE ASTROCYTE」という題目でポスター発表を行い、アルツハイマー病患者の複数の脳部位におけるタンパク質発現データをもとに、アストロサイトの活性化機構について報告しました。脳部位ごとにアストロサイトの活性化機構が異なることを分子レベルで解明し、特定の部位では、ミトコンドリアのエネルギー代謝異常を介した活性酸素種の関与により、アストロサイトが活性化する新たな分子メカニズムを提案しました。発表後には5名の研究者から質問を受け、発見した分子の創薬標的としての可能性について、最前線で活躍する研究者の方々と貴重な議論を交わす機会に恵まれました。
初めての国際学会での発表となり、議論において自身の英語力の不足を痛感しましたが、この経験を今後の糧とし、英語のスキルをさらに向上させ、国際的に活躍できる一流の研究者を目指して精進してまいります。
最後に、日頃からご指導いただいている先生方、ならびに大学院生海外発表支援に関わる皆様に、心より感謝申し上げます。

佐々木 亘(博士課程2年 医歯薬学専攻 医学専門プログラム 皮膚科学)

European Academy of Dermatology & Venereology(EADV)に参加して

私は2024年9月25日から28日に、オランダのアムステルダムで開催されたEuropean Academy of Dermatology & Venereology(EADV)に参加し、「Epidemiological Study of Skin Adverse Reactions Associated with Nemolizumab Administration」について、ポスタープレゼンテーションを行いました。ヨーロッパで一番大きな臨床皮膚科学会ということもあり、学会は非常に大規模で、世界各国から御高名な先生方が多数来賓されていました。
学会の内容は最先端のことから教育的な内容まで幅広くありましたが、英語での発表内容を十分に理解することが難しく、英語力の必要性を強く感じました。私の発表テーマであるネモリズマブはヨーロッパでは未承認であることから、作用機序や効果についてなどの質問を受けました。ネモリズマブは今後、ヨーロッパでも承認を控えており、私たちの行った研究結果が適切な治療を行う一助になれば幸いです。

西尾 良文(博士課程4年 医歯薬学専攻 歯学専門プログラム 障害者歯科学)

27th iADH(international Association for Disability & Oral Health) Scientific Conferenceに参加して

この度、2024年9月26日~29日に、韓国のソウルで開催された27th iADH(international Association for Disability & Oral Health) Scientific Conferenceに参加しました。私は「Impaired cardiac baroreflex in patients with pacemakers is compensated by an increase in sympathetic reactivity.」というタイトルでポスター発表を行いました。
障害者の平均寿命が延びるにつれて、歯科治療において不整脈を呈する患者の割合も増加しています。徐脈性不整脈の場合、ペースメーカーを植え込み、心筋への電気刺激によりリズムを調節します。血圧は、心臓圧反射として知られる頸動脈と大動脈の圧受容器からの神経信号により心拍数を調節することで維持されます。その結果、ペースメーカー患者では、圧反射によって心拍数を正確に調節することができず、圧反射感度が低下し、血圧の調節性も低下するはずですが、健常者と同程度に維持されています。ペースメーカー使用患者は別の血圧制御機構によって補正している可能性があり、私たちはこの血圧制御機構が血管抵抗に関与する筋交感神経活動であると仮説を立て検証を行いました。結果としては血圧を維持するために、圧負荷に対する筋交感神経の反応が亢進していることが示唆されました。
今回の国際学会での発表および質疑応答を通して、本研究の更なる検討課題や改善点を発見することができましたので、今後ブラッシュアップしていく予定です。また、世界的に活躍されている先生方の発表を拝見できたことは、自分自身にとって大きな財産となりました。
今回、このような支援をいただきましたことを、改めましてここにお礼申し上げます。今回の経験を今後の研究活動に活かしていきたいと思っています。 

西野 領(博士課程2年 医歯薬学専攻 歯学専門プログラム 障害者歯科学)

27th iADH(international Association for Disability & Oral Health) Scientific Conferenceに参加して

私は、2024年9月26日~29日に韓国ソウルで開催された27th iADH(international Association for Disability & Oral Health) Scientific Conferenceに参加し、「Prevalence of Congenital Heart Disease in Patients Visiting a Department of Special Care Dentistry at a University Hospital in Japan」という演題でポスター発表をしました。
現在、先天性心疾患(CHD)患者の生存率は向上しており、また、その寿命も延伸していることから、成人先天性心疾患、いわゆるACHDの患者数が増加しています。それにより、CHDの手術後の遠隔症状がCHD患者の歯科治療において、有害事象リスクとして問題となっています。本研究では、2006年4月から2024年4月までに広島大学病院障害者歯科を受診した患者1,559人の診療録を後ろ向きに調査し、CHD有病率および感染性心内膜炎(IE)のリスク、発生率、その他治療中のイベント発生率を評価しました。その結果、広島大学病院障害者歯科のCHD有病率は5.5%(85人)であり、CHDを有する患者の36.5%がIEのリスクを有していました。これらの結果から、障害者歯科ではCHDの割合が高く、より専門的な治療や知識が必要であることが明らかとなりました。今回のポスター発表を通じて、障害者歯科を専門としている各国の歯科医に情報提供することが重要であると思いました。
最後になりましたが、このような貴重な発表の機会を与えていただき、ご指導いただいた諸先生方、ご支援いただいた大学院生海外発表支援関係者の皆様に深く感謝致します。 

髙上 凌弥(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

The 14th Asia Conference on Kinesiology and Sport Science in 2024に参加して

この度、2024年9月10日~12日にマレーシアのクアラルンプールで開催されたThe 14th Asia Conference on Kinesiology and Sport Science in 2024へ参加し、「Injury Survey of Japanese Electronic Sports Players Through Interviews」という題目で口述による発表を行いました。
esportsに関する研究は、アメリカ合衆国や韓国などのesportsが競技として発展をしている国で傷害調査が行われ、約3割の選手が傷害を経験し、中には傷害によりesports競技の引退を余儀なくされる選手の存在が示されています。ゲームを競技と捉えるesportsは、現在日本で発展途上の段階にあります。そのような日本国内で活動するプロesports選手を対象に、傷害に関するインタビュー調査を行いました。今回の口述発表では、傷害の経験に関する内容や医療職によるサポート体制に関する内容についてまとめ、今後日本国内のesports選手の傷害について目を向けていく必要があることを言及しました。
発表では、日本国内で活動するesports選手の傷害に関する実態について示すことができましたが、対象の選手の操作機器や、行うゲームを統一することなど、方法に関して貴重なアドバイスをいただきました。初めての国際学会参加、ならびに英語を用いた口述発表を経験させていただいたことで、より自身の研究の意義について客観視することができました。口述発表の質疑応答では正確に自身の研究について伝えることができず、コミュニケーションに難渋しました。今後は、聞きやすい、かつわかりやすい発表ができるよう英語能力の向上に努めていきます。

伊東 銀二(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

The 14th Asia Conference on Kinesiology and Sports Science in 2024に参加して

この度、2024年9月10日~12日にマレーシアのクアラルンプールで開催された The 14th Asia Conference on Kinesiology and Sports Science in 2024へ参加し、「Association between tennis court surface type and landing impact on the step」という題目で口述発表を行いました。
本研究はテニスでよく用いられるステップ動作の着地衝撃を、スマートシューズという簡便な測定が可能なデバイスを用いて測定し、サーフェス間で着地衝撃に差が生じるか比較することを目的としました。多くの参加者から測定に対する質問を受け、今後の研究をどのように進めていくかの見通しが立つ発表となりました。本学会のような大規模な国際学会への参加は初めてであり、多くの海外の研究者と直接ディスカッションすることができ、とても貴重な経験となりました。また、本研究や今後の研究についても貴重なアドバイスをいただくことができました。それとともに英語での発表と、質問への回答に手間取ってしまい、詳細な内容を伝える難しさを痛感いたしました。最後に、このような発表の機会を与えてくださった浦辺 幸夫教授、スポーツリハビリテーション学研究室の皆様、ご支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様に感謝申し上げます。 

長尾 拓海(博士課程後期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

World Physiotherapy Asia Western Pacific region Congressに参加して

この度、2024年9月26日~28日にインドネシアのバリで開催された、World Physiotherapy Asia Western Pacific region Congressに参加しました。本学会は名前の通り、世界理学療法連盟アジア・西太平洋地区の学会で、アジア圏内の理学療法に関わる研究者が参加されていました。私は「Does boccia throwing training with virtual reality acutely enhance technical and psychological skills?」という題目で口述形式で発表をしました。口述発表の会場は30名程度が着席できる比較的小規模な会場で行われたため、聴衆と演者との距離感が近く、アットホームな雰囲気のなかで発表することができました。質疑応答では今後の展望について座長の先生から質問いただき、拙い英語でしたが、身振り手振りを駆使しながらなんとか返答しました。英語で端的に分かりやすく説明する力は今後も養っていく必要があると感じました。
本学会ではnetworking sessionと呼ばれる、学会参加者同士が同一のテーマに関してざっくばらんにディスカッションができるセッションがあり、international student(学部生や大学院生といった学生)を対象にしたセッションにも参加しました。各国の理学療法士の養成システムや患者さんとの関わり方、文化の違いなどを同年代の学生とディスカッションすることができ、勉強になる良い経験となりました。今後も国際学会の参加を通じて、自身の研究成果を発信していく所存です。 

小柳 円香(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

World Physiotherapy Asia Western Pacific region Congressに参加して

この度、2024年9月26日~28日にインドネシアのバリで開催されたWorld Physiotherapy Asia Western Pacific region Congressへ参加し、「Any complaints among female Japanese university volleyball players: An online survey」という題目で口頭発表を行いました。
これまでバレーボール選手を対象に行われてきた傷害調査の大半は、競技に参加できなくなったものを傷害とするtime lossを傷害の定義としていますが、私はバレーボール選手に発生する傷害はoveruseによるものが多く、痛みを抱えながら競技を継続している選手が多いと考えました。そこで本研究では、日本国内の大学女子バレーボール選手を対象に、疼痛や不調などのあらゆる身体的訴えを傷害と定義するany complaintの実態を調査しました。301名を対象としたオンラインアンケート調査を行い、有効回答を得た112名中44名がany complaintを報告しました。any complaintのある選手の多くが練習や試合への参加を継続しており、疼痛がパフォーマンスに約30%の影響を与えることもわかりました。本調査から、バレーボール選手の傷害予防にはtime lossだけでなく、any complaintにも注目する必要があることが示唆されました。
国際学会への参加は初めてであり、国外の先生方との意見交換や、英語で発表と質疑応答を行うことは自分の実力を知る貴重な機会となりました。この経験を忘れずまた国際学会に参加できるよう日々精進したいと思います。最後になりましたが、このような発表の機会を与えてくださった浦辺 幸夫教授、スポーツリハビリテーション学研究室の皆様、ご支援いただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様に感謝申し上げます。 

奥垣 智仁(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

World Physiotherapy Asia Western Pacific region Congressに参加して

この度、2024年9月26日から9月28日にかけてインドネシアのバリ、デンパサールで開催されたWorld Physiotherapy Asia Western Pacific region Congressに参加致しました。
私は「Does the direction of arm swinging affect the foot progression angle during walking and running?」という題名で口述発表をさせていただきました。健常成人を対象に、歩行・走動作中の腕振りの方向が足角の大きさに影響を与えるかを調査した研究で、肩関節中間位・外旋位・内旋位の3条件を設定し、各条件の足角を測定しました。測定に環境設定が容易で簡便に使用できるスマートシューズを用いている点が特徴です。3条件のうち肩関節外旋位条件で最も足角が大きくなり、結果として腕振り方向の違いにより足角の大きさを操作することができる可能性が示唆されました。
国際学会への参加は今回が初めてであり、PresentationやDiscussionでうまくいかない部分も多かったですが、海外の研究者や学生との交流を通して、新たな知見や今後の課題を明確にすることができました。また、海外の、特にアジア圏の理学療法の知見に触れ、日本との違いや現在直面している課題について知ることができました。初めての海外渡航でもあり、とても有意義な経験を得ることができました。最後になりますが、本学会への参加にあたり、今回の貴重な機会を与えてくださった諸先生方、ご支援いただいた大学院生海外発表支援の関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。 

原 辰嘉(博士課程前期1年 総合健康科学専攻 保健科学プログラム スポーツリハビリテーション学)

World Physiotherapy Asia Western Pacific region Congressに参加して

この度、2024年9月26日~9月28日にかけて、インドネシアのバリで開催されました、World Physiotherapy Asia Western Public region Congressに参加させていただきました。
私は、「The occurrence of injuries and injury preventive behaviors among of Japanese soccer referees」という題名で口述発表をさせていただきました。サッカーの審判は選手と同等の運動量が必要だとされていることから、サッカー審判員の傷害発生およびその予防策に注目し、本研究を行いました。日本国内のサッカー審判員にインタビュー調査を行い、サッカー審判員には肉離れなどの傷害が発生していることがわかりました。また、試合日程やサッカー審判員としての仕事の影響で傷害予防策を実施できていないということがわかりました。将来どのように今回の研究を発展させていくか質問をいただきました。今後はこの結果を広め、選手だけでなく審判員の傷害発生数を少しでも減らせるよう取り組んでいきたいと思っております。
私自身初めての国際学会への参加であり、海外の研究者と英語でディスカッションを行うという非常に貴重な経験をさせていただき、より頑張らなくてはならないと感じることができました。最後に、私の研究をご指導いただき、国際学会の舞台で発表させていただく機会をくださった、浦辺 幸夫教授を始めスポーツリハビリテーション学研究室の皆様、ご支援をいただきました大学院生海外発表支援関係者の皆様に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。


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