広島大学大学院医歯薬保健学研究院基礎生命科学部門の安井 弥教授、本学大学院医歯薬学総合研究科博士課程の後藤景介さんらによる研究グループは、胃がん、前立腺がんにおいて、特定の転写超保存領域(T-UCR)の発現異常が生じていることを突き止め、発現制御メカニズムとがんにおける機能を明らかにし、12月10日、広島大学霞キャンパスで記者説明会を行いました。
記者説明会の様子
【本研究成果のポイント】
1. 胃がん、前立腺がんにおいて、特定の転写超保存領域(T-UCR)の発現異常を発見。
2. T-UCRはDNAメチル化の影響、あるいはマイクロRNAとの相互作用により、がんの発生や増殖に関わっている。
3. がんにおける非翻訳RNAの複雑なネットワークが解明され、全く新しいがんの診断、治療法の開発が期待される。
この発見は、日本国内において罹患率の高い胃がん、近年増加が著しい前立腺がんの診断治療へ、新たな方向性をもたらしうると期待されます。
![]() 研究の概要を説明する安井教授(左) |
![]() 質問に答える後藤さん(右) |
本研究成果は、平成27年12月7日(英国時間)、英国科学誌「Oncogene」(オンライン版)に掲載されました。
<発表論文>
著 者
Keisuke Goto, Sho Ishikawa, Ririno Honma, Keiji Tanimoto, Naoya Sakamoto, Kazuhiro Sentani, Naohide Oue, Jun Teishima, Akio Matsubara, Wataru Yasui∗
* Corresponding Author(責任著者)
論文タイトル
The transcribed-ultraconserved regions in prostate and gastric cancer:DNA hypermethylation and microRNA-associated regulation
掲載誌
Oncogene
>論文掲載ページ
>報道発表資料
【お問い合わせ先】
広島大学大学院医歯薬保健学研究院基礎生命科学部門分子病理学
教授 安井 弥
TEL:082-257-5145
E-mail:wyasui*hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に置き換えてください)