大学院医系科学研究科
未病・予防医学共同研究講座
教授 杉山 政則
Tel:082-257-5280
FAX:082-257-5284
E-mail:sugi*hiroshima-u.ac.jp
(注: *は半角@に置き換えてください)
アレルギー性鼻炎は日本人の約4割が罹患していると言われています。目や鼻の不快感を伴うこの疾患は、時には睡眠や生活の質の低下に影響を及ぼし、また自然治癒率はわずか数%で、一度罹患すると半永久的にその症状に悩まされるという特徴があります。
広島大学大学院医系科学研究科未病・予防医学共同研究講座では、イチジクの葉から取得した植物由来乳酸菌(植物乳酸菌)の一種「Lactobacillus(Lb.)paracasei IJH-SONE68」がつくる細胞外多糖体(exopolysaccharide、 EPS)を摂取することで、通年性アレルギーの状態が軽減されることをヒト臨床研究で証明しました。
IJH-SONE68株がつくるEPSには、これまでにも接触性皮膚炎や潰瘍性大腸炎の症状を改善する作用があることが動物実験により判明していることから、このEPSは炎症性疾患の治療に対しても有効な薬となる可能性が大いに期待されます。
軽度のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ、涙目、頭重感といった複数の状態を日常的に感じている方に、IJH-SONE68株由来EPSを含むカプセルを12週間摂取してもらい、上記項目の状態に関する自己評価(アンケートとして回答)の変化を評価しました。
ヒト臨床研究の結果、本EPSが通年性アレルギー状態、特に、くしゃみの回数、鼻をかんだ回数、涙目、そして頭重感が改善されることが示唆されました。
本研究成果は11月11日にオンラインジャーナル「Nutrients:Impact factor = 5.719」に掲載されました。
臨床研究参加前後における自己評価スコアの合計値の変動
12週間の摂取期間開始前後における自己評価スコアの合計値について、試験食群と対照食群(プラセボ群)とでそれぞれの被験者の平均値を算出し、比較した結果、対照食群と比べ、試験食群ではスコアの合計値が有意に低下していました。
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掲載日 : 2022年01月14日
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