附属福山中等教育学校(仮称)の教育課程

教育課程の特色

① 日常の授業は、前期課程・後期課程とも、50分授業×6時間(週30時間)でおこない、二期制とします。
② 前期課程では、日常の授業以外の場面(長期休みの期間など)で、特設の教科活動を実施します。
 (例)
 ・各教科でデータを扱う際のスキルや見方・考え方を集中的に学ぶ
 ・事前に理科的な知識を学ぶ→工場を見学→振り返りで学びを深める
 ・事前に地域について学ぶ→社会見学旅行で実際に訪れて確かめる→実地で得た知識や経験をもとにまとめ、発表する
③ 前期課程において、後期課程の内容を前倒しで学習します。
 (前倒しで学習する教科・科目)歴史総合・数学Ⅰ・数学A・物理基礎・化学基礎・英語コミュニケーションⅠ
④ 通常の授業時間内の一部で、教科を越境する授業を展開します。
 ※教科を越境する授業の取り組みについては、下のリンクを参照してください。
⑤ 後期課程は単位制とし、5年・6年では、教科・科目の受講を生徒それぞれの目的に合わせて選択することを可能とし、卒業に必要な単位を74単位とします。
⑥ 後期課程では、授業外で生徒が主体的に学ぶ活動をおこなった場合、一定の条件の下で単位を認める制度を導入します。
⑦ 前期課程3年の総合的な学習の時間と、後期課程の総合的な探究の時間は、4学年合同でフィールド(地域)ベースのゼミを開講し、多様なテーマ、多様な学年のメンバーで、地域の課題に取り組みます。

教育課程表

教科を越境する取り組みについて

中等教育学校で実施する教科を越境する取り組みについて、附属福山中・高等学校の2024年度・2025年度の公開研究会において、授業実践をおこないました。これらの授業について、後日、紹介ページを公開します。
※なお、すべての授業を中等教育学校で取り扱うとは限りません。

越境とは?

中等教育学校でおこなう「越境」は、次のような特色があります。
○越境の前提
 ・領域が明確であること
   「ホーム」となる領域があることを指します。
   「教科」を越境する場合、各教科で学んだことが「ホーム」となります。
 ・領域間の視点が異なり葛藤が生じ、それを乗り越えようとすること
   教科ごとの視点は異なることがあります。
   その場合、「どの教科の視点を取り入れるか?」で葛藤が生じます。
○推進する越境
 ・「学校」を越境する
 ・「学年」を越境する
 ・「教科」を越境する
○越境の効果
 ・葛藤を乗り越えようとする体験をもとにして、 
  学問(discipline) や文化・価値(perspective)や信念(belief)を
  壊したり再構成したり統合したりする。
 ・越境の往還を繰り返すことにより、エージェンシーが育成される。

越境すると、2度の葛藤が生じます(下の図を参考にしてください)。1回目は、越境をしているときに、自分の領域(ホーム)の視点が使えなかったり、他の視点とのかかわりを考えるなかで生まれる葛藤です。2回目は、越境を体験したあと、自分の領域に戻ってきたときに、これまでの視点だけでよいのか、他の視点を取り入れるべきかといったことを考えるなかで生まれる葛藤です。この2つの葛藤を通して、いろいろな変化がもたらされます。この繰り返しが、エージェンシーの育成につながっていきます。

葛藤とは?

中等教育学校での越境する際にみられる葛藤は、以下の4つに分類しています。

○内容でない葛藤
越境する内容ではない、表現方法などに対する葛藤

○個人内葛藤・観点間葛藤
2つの対立する見方・考え方(観点)に出会ったとき、それらを取り込む前後での個人内における葛藤
この場合、自分がどの観点を大事に思っていてもよい

○個人間葛藤・意見間葛藤
複数の見方・考え方(観点)を勘案した決断が、人によって不一致だったときに生じる個人間における葛藤

○対社会葛藤
自分の(または他者の)明確な見解と、実社会で採用されている見解との間での「対社会」の葛藤
自分や他者の考えだと、社会の方が間違っているのではないかという疑問

一般的には、内容でない葛藤→個人内葛藤・観点間葛藤→個人間葛藤・意見間葛藤→対社会葛藤の順に葛藤が起こりますが、題材や学習者の性質によっては順序通りに葛藤が起こらないこともあります。

越境やエージェンシー、葛藤についての研究は、以下のリンクからご覧いただけます。


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