国立大学法人かつ総合大学として初めて広島大学がルワンダ大学と大学間交流協定を締結

2018年11月8日、広島大学とルワンダ大学との大学間協定が締結されました。日本の団体・組織とルワンダ大学との協定締結は過去に5件存在しますが、国立大学法人で総合大学としては広島大学が初めてとなります。

ルワンダ大学は6学部・研究科(農業・動物科学・獣医学、人文・社会科学、商業・経済学、医療・保健学、科学・技術学、教育学)を持ち、学生数は約30,000人、教職員数は教員約1,400人、その他の職員約800人を誇る、ルワンダを牽引する国立大学です。

2013年度より現在に至るまで、広島大学大学院国際協力研究科では、ルワンダからのJICA長期研修員を教育開発コースで合計20人(2019年2月時点で8人が在籍中)受け入れてきました。そのほとんどがルワンダ大学教育学部の前身であるKigali Institute of Educationの出身者で占められています。

2017年8月にルワンダ大学教育学部で開催された国際学会に同研究科の澁谷和朗特任准教授が参加し、ルワンダ大学教育学部学部長、教授らと意見交換を行いました。その結果、ルワンダ大学が世界銀行の支援でアフリカ域内の理数科教育の拠点機関として今後理数科教育の修士・博士課程の創設、研究力の強化を行う予定であること、そのため当該分野での研究・教育上の連携ニーズを有していることが分かりました。またルワンダ大学は1994年のジェノサイドの経験を踏まえ、平和構築分野を研究するCenter for Conflict Managementを有しており、広島大学が蓄積してきた平和構築分野の学術的知見・貢献との親和性も確認できました。2018年4月には馬場卓也研究科長が往訪し、ルワンダ大学副学長、教育学部学部長、教授らと研究、教育面での交流内容につき意見を交換し、今度の大学間協定締結に至りました。

ルワンダ大学との協定締結により、広島大学との関係が強化されることで、今後ルワンダと日本との教員や学生の教育面・研究面での交流が期待できます。また現在、広島大学がアフリカで協定を結んでいるザンビア大学、マラウイ大学との研究交流に、ルワンダ大学も参加することで、本学と連携し理数科教育を中心にアフリカ域内の研究協力の拠点づくりや研究成果の発信が期待できます。

ルワンダは1994年の内戦、ジェノサイドを経験し、その後、ジェノサイド加害者-被害者間の和解、被害者家族のトラウマへの対応や自立支援、異なる民族の共生など、平和教育・平和構築の研究フィールドとして重要な位置を占めます。本協定の締結により、これまでの協力に加えて平和教育・平和構築の分野でも共同研究や学生交流などを発展させていくことが期待されます。

新しい平和科学の理念「持続可能な発展を導く科学(Science for Sustainable Development)」の創生を目指す本学としては、アフリカのハブとして、またルワンダのトップ大学として活躍する、ルワンダ大学との教育、平和分野での交流の促進は大いに意義があると考えています。

ルワンダ大学教育学部長と意見交換する馬場卓也国際協力研究科長(中央右)

ルワンダ大学教育学部で開催された国際学会に参加した、HASHITUKY氏(2016年度修了)、
MICO氏(2017年度修了)、澁谷和朗国際協力研究科特任准教授

国際協力研究科在学中のルワンダ人留学生(2019年2月時点)

【お問い合わせ先】
広島大学国際交流グループ
TEL: 082-424-6045
E-mail: kokusai-group*office.hiroshima-u.ac.jp(*は半角@に置き換えてください)


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