防災シニア・フェロー

豪雨災害のデジタルアーカイブ化

広島大学 名誉教授 河原能久(就任:2023/7/3)

専門分野は河川工学です。広島大学において外水・内水氾濫リスク軽減に関する研究を行ってました。また、広島県内の一級・二級河川の整備計画に参画してきました。大雨の頻発化、極端化とともに流域の社会・経済状況も変化しつつある今日、流域のだれでもが豪雨災害に関心を持ち活用できるように、災害の全体像をわかりやすい形式で整理し、動画を含めて、災害資料のデジタルアーカイブ化を進めたいと思います。

地域防災に真に役立つ活動とは ?

広島大学 名誉教授 山本春行(就任:2023/7/3)

途上国の防災支援や地域防災に関する教育や啓蒙活動を行ってきましたが、どこか「他人ごと」のように考えている自分自身がいるようようです。このあたりの克服が防災・減災活動の要点でしょうか。
また、消滅一歩手前限界集落の生き残りプロジェクトに関わるようになって中山間地の広大な荒れ果てた農地や山林をつぶさに観察し、地道で大変な草刈りや雑林整備作業をとおして地続きの防災問題の根源を見たように思います。

土砂災害の危険度を予測し、警戒避難に活用

広島工業大学 教授 森脇武夫(就任:2023/7/3)

地盤災害は降雨や地震などの誘因と地形・地質などの素因によって被害の場所や形態、規模が異なりますが、降雨による土砂災害においては、時間雨量と累積雨量をひとつにまとめた雨量指標R′を用いて、がけ崩れ、土石流の危険度を定量的に評価できます。できるだけ早い時期に土砂災害の危険度を予測し、警戒避難への活用を目指します。

地域と連携し、よりリアルな防災マップの試行と展開

公益社団法人日本技術士会 中国本部本部長 福田直三(就任:2023/7/3)

私は、当センターの元特任教授、前客員研究員として、東広島市で、市や地域と共同して被災後の状況を踏まえた防災マップ作りや地元説明会による普及活動に取り組んできました。また、呉市では呉高専と地域との共同で巨大地震を想定した地震防災マップを作成し、災害時の避難行動の理解を深めるワークショップを開催しました。現在、よりリアルな防災マップとして360度カメラの活用等も試行しています。地域や防災士などの支援組織との連携を図り、成果の水平展開を目指します。

先人の知恵に学ぶ

中電技術コンサルタント株式会社 代表取締役常務 金本 満(就任:2023/7/3)

約40年,建設コンサルタントで河川関係の業務に携わってきました。広域的・複合的かつ激甚化する洪水災害・土砂災害の防止・軽減対策,危機管理対策等,我々を取り巻く喫緊の課題は数多くあります。私の経験が少しでも活かせる場があれば幸いと考えています。また、当社において,先人達の知恵・ノウハウ等を保管・活用・継承するためのプロジェクトを立ち上げる予定です。オーラル・ヒストリーのようなイメージで、防災関連データの収集・整理に役立つかもしれません。

地域の防災力を高めて行くには

復建調査設計株式会社 河川砂防部 木村雄二(就任:2023/8/22)

建設コンサルタントとして約40年間、主に河川・砂防分野に関する調査・計画・設計に携わってきました。業務は予防保全的なものが主体ですが、災害についても入社以来、度重なる豪雨災害や地震災害等の復旧・復興に携わってきました。その経験を活かし、災害の発生原因や被災状況等を整理して、流域に暮らす多くの市民が関心を持ち、事前の対策や行動に結びつくような活動に微力ながら尽力できればと思います。

水害リスクの見える化

株式会社東京建設コンサルタント 中国支社長 宮田英樹(就任:2023/8/22)

民間の建設コンサルタントで約40年、河川の治水計画(工事実施基本計画、河川整備基本方針、河川整備計画)、防災・減災対策、水害リスク評価などの業務に従事してきました。広島に赴任して3年目になりますが、前任の大阪勤務時代に広島大学と土砂災害の危険度評価に関する共同研究を開始し、現在も継続しています。これまでの実務経験を活かして、少しでも地域の皆さまの防災・減災活動に貢献できればと考えています。

知恵と経験を共有し地域防災力を高める

基礎地盤コンサルタンツ株式会社 中国支社 理事 溝山 勇
(就任:2023/10/16)

中国地方整備局で36年間、河川災害の予防保全、道路防災、災害現場の復旧に行政として携わりました。退職後は民間コンサルタンツで防災実務のサポートを行っています。一般的に「災害は忘れた頃にやって来る」と言われます。また、最近では気候変動の影響もあり、災害がより甚大になる傾向です。地域、行政、業界、学識者が知恵と経験を共有し、地域の防災力を維持し高めることが重要です。行政と民間で培った経験と教訓を活かし、異なる人や組織の連携について考え、防災力の向上に貢献したいと思います。


up