この度、本機構の目的や取り組みを紹介し、専門家とともに高等学校・大学・社会をつなぐ新たな大学教育について考えることを目的として、12月13日(土)に広島大学未来創造人材教育機構キックオフシンポジウム「高校.大学.社会をつなぐ入試・学修支援の一体的変革―高大接続から「個人に寄り添う高等教育モデル」への転換を目指して―」を開催しました。当日は、高校教員や生徒の保護者、本学・他大学の教職員、学生等を含めて、広島国際会議場での対面とオンラインを合わせて約150名の方にご参加いただきました。
当日は、初めに、鈴木由美子機構長から開会挨拶がありました。続いて、山田浩之先生(本機構 高大接続・入学センター センター長)から「新たな大学教育への挑戦―高等学校・大学・社会を繋ぐ入試改革」、長尾篤志先生(東京学芸大学 先端教育人材育成推進機構 特命教授)から「高校の学びの変革と大学入学者選抜」、葛城浩一先生(神戸大学 大学教育推進機構 大学教育研究センター 准教授)から「ユニバーサル化時代の大学における高校・社会との「接続」の現実」と題して、それぞれご報告いただきました。
その後の指定討論では、影山和也先生(本機構 マネジメント室 室長)から3名のご報告の論点整理がありました。葛城先生のご報告については「大学のユニバーサル化は、学力の多様化・評価の空洞化・大学教育の質保証といった問題を孕んでいる。したがって、高大接続はもちろんのこと、大学と社会の接続を如何に果たすかが重大である」と整理し、「大学教育の危機と質保証」を再考しなければならないことを指摘しました。長尾先生のご報告については「高校教育は、生徒の経験やニーズなどの多様性や共通性に配慮してきており、探究的な学びや共感的な人間関係の形成はそれへの実践的応答である。こうした流れを生かしつつ、持続的に実践の改善を進めていけるように、大学入試も変わる必要がある」と整理し、「高校教育の持続的改善」が求められていることを確認しました。また、山田先生のご報告については「高校も大学も時代によって役割や使命は変わる。広島大学は既に、高大接続改革を進めてきている。現在は、未来創造人材教育機構の設立を皮切りにして、高校・大学・社会をシームレスに接続する、「個人に寄り添う高等教育モデル」を構築しようとしている。新入試・女子枠・育成型といった入試改革は、高校・大学を結ぶ取り組みの一環である」と整理し、「広島大学による改革モデル」が今後の高大接続や大学教育に果たす役割を述べました。
次に3名の先生方への問いとして、「現代の大学教育の実情をみたとき、大学の質保証を改めて定義し直す必要があるか?」「探究とは何か? それを評価する際、高校・大学・社会で規準に違いはありそうか?」「高校生・大学生の学びはどのようにありたいか、そのために大学は何をするべきか?」等を提示し、参加者も交えながら質疑応答を行いました。参加者からも多くの質問が寄せられ、高校での探究の実践や大学の質保証等について活発な意見交換が行われました。最後に熊本卓哉副機構長から閉会挨拶があり、シンポジウムを締めくくりました。
本学では来年度から「育成型」入試(https://www.hiroshima-u.ac.jp/AC/ikusei)が始まりますが、本機構が目指す「個人に寄り添う高等教育モデル」の構築に向けて、高校教員、保護者、大学教職員、学生等の様々な立場の参加者とともに考える機会となり、本機構のキックオフらしいシンポジウムになりました。本機構では、高校教育や大学教育をテーマとしたシンポジウムやセミナーを引き続き実施する予定です。今後も本機構をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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