ハラスメントとは
1.ハラスメントの影響
ハラスメントは、被害にあった個人に、心身の不調や不本意な進路変更などの深刻な影響を与えます。周囲の人が信じられなくなったり、無気力や食欲不振に陥ったりすることがあります。その結果、休学(休職)や退学(退職)につながること もあります。
ハラスメント行為は、広島大学の構成員が安全で適切な環境の下で就学・就労することを阻害する行為なのです。
2.セクシュアル・ハラスメント
相手の意に反する性的な性質の不適切な言動によって、相手が精神的な面を含めて学業や職務遂行に関連して一定の不利益・損害を被るか、もしくは学業や職務に関連して一定の支障が生じること、または就学・就労のための環境を悪化させることをいいます。
○夜遅くまで大学に残っていると、いつも必ず先輩が帰りを待っていて、頼んでいないのに自宅まで送ると誘うこと。
○上司や教員が、部下や指導学生との出張や学会旅行中に、ホテルの一室に呼び出すこと。
○教員が学生に交際を断られたことの腹いせに、成績を認定しなかったり、評価を下げたりすること。
○職場や教室で、不快感をもよおすような性的な話題を頻繁に持ち出すこと。
○個人のプライベートに関すること(家庭環境、結婚の有無、子どもの有無など)を理由として、仕事や学業の能力に差があると決めつけること。
○同性愛やトランスジェンダーなどの性的マイノリティに対して、差別的な表現を使うこと。
3.パワー・ハラスメント
優越的な関係を背景とした業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動によって、相手が精神的な面を含めて、学業や職務遂行に関連して一定の不利益・損害を被るか、もしくは学業や職務に関連して一定の支障が生じること、またはそのようなおそれがあることをいいます。
パワー・ハラスメントは、職場や学校、サークル活動などにおけるいじめや嫌がらせのことをいいますが、このうち、指導教員と学生、教授と研究員など、教育・研究上の地位関係を利用して行われるハラスメントを、アカデミック・ハラスメントといいます。
○教員や上司が、学生や部下に対して、挨拶を返さない、机を叩く、物を投げるなど横柄で尊大な態度で接したり、威嚇したりすること。
○職員や学生が、国籍、民族、人種、性別、年齢などを理由に特定の職員や学生に対して侮蔑的な発言をすること。
○教員が学生に理由を示さずに単位を与えなかったり、卒業・修了の判定基準を恣意的に変更して留年させたりすること。
○「忙しい」、「君も大人なんだから」などと言って、教員がセミナーを開かなかったり、学生への研究指導やアドバイスを怠ったりすること。
○主指導教員が、学生の論文原稿を受け取ってから何ヶ月、あるいは何年経っても添削指導をしないこと(その結果、学生が、論文投稿や学位取得ができないこと、あるいは論文投稿や学位取得ができなくなるのではと不安にさせられることも含む。)。
○学生や部下の研究者が出したアイデアを使って、教員が無断で論文を書いたり、研究費を申請したりすること。
○教員が学生や部下の研究者に対し、他の教員や関連機関の悪口を常に聞かせること。
4.妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント
妊娠・出産に関する言動または妊娠・出産、育児・介護に関する制度もしくは措置の利用に関する言動によって、相手が精神的な面を含めて、学業や職務遂行に関連して一定の不利益・損害を被るか、もしくは学業や職務に関連して一定の支障が生じること、またはそのようなおそれがあることをいいます。
○育児短時間勤務をしている職員に対し、同僚が「あなたが早く帰るせいで、まわりは迷惑している」などと何度も言うこと。
○指導教員が、妊娠中につわりがひどく大学を休んだ学生などに対し、「学業に専念できないなら大学をやめてしまえ」などと言うこと。
○部下から妊娠を報告された上司が「次の契約更新はしない」「他の人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」などと言うこと。
5.そのほかのハラスメント
セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメントおよび妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントにはあたらないが、不適切な言動によって、相手が精神的な面を含めて、学業や職務遂行に関連して一定の不利益・損害を被るか、もしくは学業や職務に関連して一定の支障が生じること、またはそのようなおそれがあることをいいます。
○学生が指導教員や職員に対し、何度も繰り返し対応を求めたり、執拗に責め立てたり、威圧的な言動を繰り返したりすること。
○入院患者の家族が職員に対し、不当なサービスを要求したり、大声を出して威圧したりすること。
○施設利用者が職員に対し理不尽な要求を行い、何時間も居座ること。