
高橋 衛 著
四六判 255頁 2016年10月1日刊行
1,210円(本体1,100円+税10%)
ISBN:978-4-903068-39-8
内容紹介
本書は混迷を続ける近現代経済史研究に対し、そのトップレベルにあたる「大塚史学」と「宇野理論」を批判的に克服し、新たな経済理論の開発を目指すものである。内容は著者の自分史を交え平易にし、専門家から市民まで幅広い読者に親しみやすくなっている。
(著者のことば)
当書を読みだしていくと、著者の自叙伝ではないかと、まず思われてくる。
しかし読みすすんでいくうちに、いつの間にか書名の内容そのものに迫っていく。
このような方法で書きすすめられたのには、著者なりの、多分に研究者の理論体系には、幼児期から青春期にいたるビヘイビアが色濃く投影されているという思いがあり、とりわけ当書の内容には特定の政党などとの距離感が強く関連しているという思いがあり、加えて当書は入門的な役割もになっているので本文に近づきやすいという狙いもこめられている。
本文では「大塚史学」や「宇野理論」の積極的な批判と、そこから導かれた「新段階論」が開発され、その「新段階論」理論経済学(とりわけポスト・ケインジアン)とのマリア―ジュという大胆な問題が想起されている。理論ばなれした最近の傾向への警鐘でもある。
目次
はじめに
序 章 学問研究とは何か
第一章 マルクス経済学の影響
一 『資本論』を読む
二 「日本資本主義論争」を学ぶ
第二章 「研究」こと始め
一 広島大学で勉強
二 東京大学へ
三 学問研究とは
第三章 経済史研究の課題と理論
一 日本の経済史研究
二 「日本資本主義論争」の清算
三 「講座派」の変形
第四章 「大塚史学」批判
一 その輻輳した出発の影 戦時下の「良心」
二 三つの要素の問題点
三 「前期的資本」について
四 「前期的資本」の誤謬
五 共同体論の頑冥
六 「エトス」論の困惑
第五章 「宇野理論」に問う
一 「宇野理論」の背景
二 「宇野理論」の体系
三 「段階論」設定の諸難点
四 宇野「段階論」の究極の欠陥
五 レギュラシオン理論の寄与
六 真の「段階論」を模索して
第六章 「近代経済学」の活用
一 マルクスからケインズへ
二 ケインズ的論理の活用
三 マネタリズム的な政策の失敗
四 ポスト・ケインジアンの試み
五 数量経済史の貢献
六 ポスト・ケインズ的な理論と新「段階論」とのハイラート
七 師安藤良雄教授の遺訓
八 未来へ
あとがき
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