奥田 伸子,三時 眞貴子 編著
並河 葉子,山本 千映,磯野 将吾,大澤 広晃,森本 真美,竹内 敬子,江里口 拓 著
A5判 238頁 2025年12月26日刊行
3,520円(3,200円+税10%)
ISBN:978-4-903068-80-0
*電子版(Amazon Kindle) 注:機関向けも別途販売予定
2,420円(2,200円+税10%)
e-ISBN:978-4-903068-81-7
内容紹介
近代イギリスの労働史は、自由な契約に基づく「賃金労働者」を自明の前提としてきた。本書は、その「常識」を根底から問い直し、歴史の影に隠されてきた多様な「不自由な」労働者の実像に迫る野心的な共同研究の成果である。
舞台はイギリス本国と広大な帝国。奴隷、囚人、家事労働者、そして「保護」されるべき子どもたち。彼ら・彼女らが「自由」と「不自由」の間でいかに生きたのかを、帝国史とジェンダー史の視点から多角的に分析する。「自由労働イデオロギー」という呪縛が、いかに人々を選別し、新たな不自由を生み出してきたのかを鮮やかに描き出す。
歴史の深層を掘り下げることで、現代の非正規雇用やギグワークにも通底する「働くことの自由」の意味を再考させる、刺激的な一冊。
目次
序 章
―「不自由な」労働者とは誰か
奥田 伸子
第1部 イギリス, 帝国における「不自由な」労働者たち
第1章
奴隷の自由と不自由― 奴隷制廃止期英領西インド諸島の事例から―
並河 葉子
第2章
働かない男たち― 1851年センサスの分析―
山本 千映・磯野 将吾
第3章
「適切な養育を受けていない」少年少女への就労支援と「不自由」― 感化救護連合の活動報告(1881-1914)から―
三時 眞貴子
第4章
アフリカ人労働者の「不自由」と救済― 戦間期南アフリカにおけるヨーロッパ人・アフリカ人協議会の活動を中心に―
大澤 広晃
第5章
「追放された人」を家事労働者に― ヨーロッパ志願労働者の「不自由」―
奥田 伸子
第2部 「自由」労働,「不自由」労働をめぐる言説と思想
第6章
囚人労働と奴隷制 ― 19世紀前半のイギリス刑罰論争から―
森本 真美
第7章
イギリス工場法における「自由な」労働者という呪縛とジェンダー―1819年工場法の位置―
竹内 敬子
第8章
ビアトリス・ウェッブの人的資本論と自由主義批判― ロンドン調査に込められた視座から―
江里口 拓
終 章
結論にかえて
奥田 伸子
あとがき
索引
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