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不本意入学になる人とならない人の分岐点 ―第一志望でなければ不本意なのか―

竹内 正興 著

A5判 239頁 2022年2月28日刊行
2,640円(本体2,400円+税10%)
ISBN:978-4-903068-57-2

内容紹介

本書は、大学への不本意入学は必ずしも志望順位に依存するとは限らないことを示した上で、大学不本意入学者の特徴を、学習動機づけの要因、受験生が重視する合否を決める要素、高校生活の振り返り、アイデンティティの確立度という4つの観点から実証分析によって明らかにしている。多くの受験生にとっては、希望する大学に合格することが最大の関心事であると思われるが、それ以上に、最終的に進学した大学でも不本意入学とならずに充実した学生生活を送ることのできる環境を整えるため、複数のアンケート結果を用いて、大学入試を取り巻く構造と問題点を教育社会学的観点から示した上で、不本意入学者の現状を分析する。

目次

序 章
1.本書内でみる研究の目的と問題意識 
2.研究の方法
3.本書の構成と要旨

本 章
第1章 メリトクラシーと不本意入学の萌芽
 第1節 大学入試を取り巻く構造
  1.選抜・配分機能
  2.大学入試における公平性の検討
  3.受験機会が限定された入試制度
  4.努力主義と選抜システム
 第2節 学校歴社会が形成するメンタリティ
  1.なぜ学校歴は重視されるのか
  2.選抜試験と資格試験
 第3節 まとめ

第2章 大学入試の大衆化と不本意入学の問題
 第1節 大学進学率の変化がもたらしたもの
  1.大衆化による教育問題
  2.マス段階における不本意入学者
  3.不本意入学者層の変動-不本意就学者の拡大
 第2節 不本意入学者の実態に関する調査
  1.方法
  2.結果
  3.考察とまとめ

第3章 高校生のアイデンティティと高校の進路指導
 第1節 社会化と高校生のアイデンティティ
 第2節 高校の進路指導とメリトクラシーの再帰性
  1.相応の志望校選定
  2.自己選抜機能の揺らぎ
  3.現代の高校の進路指導
 第3節 まとめ

第4章 大学不本意入学者の特徴に関する実証分析
 第1節 不本意入学者が依拠する合否を決める要素に関する調査
  1.アンケート調査
  2.インタビュー調査
  3.不本意入学者が依拠する合否を決める要素についての特徴
 第2節 出身高校の属性による特徴と高校生活の振り返りに関する調査
  1.アンケート調査
  2.不本意入学者が所属していた出身高校の属性についての特徴
 第3節 不本意入学者のアイデンティティ確立度の特徴に関する調査
  1.アンケート調査
  2.不本意入学者のアイデンティティ確立度についての特徴
 第4節 不本意入学者の出願行動から見た自己選抜に関する調査
  1.アンケート調査
  2.不本意入学者の出願行動についての特徴

第5章 本書内で扱った研究から得られた知見
     
補 論 大学不本意入学者の予防と緩和・解消に向けて
 第1節 不本意入学の予防策①-学校教育活動の観点より
  1.バンディング型習熟度別編成の推進
  2.プランドハップンスタンス・セオリーを重視した進路学習の可能性
第2節 不本意入学の予防策②-大学入学者選抜制度改革からの視座
  1.AO 入試の可能性
  2.外部英語試験の活用
  3.共通テストと個別試験における配点の複数パターンの設定
第3節 不本意入学への対処法-緩和・解消策
  1.大学教育改革の可能性
  2.学部編入学試験の可能性

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