八尾 隆生 著
A5判 493頁 2009年3月刊行
4,885円+税
ISBN:978-4-903068-12-1
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内容紹介
小農経営が社会の趨勢となっているヴェトナム北部デルタとは著しく異なった「丘陵の民」が現ハノイに新王朝=黎朝を建て、デルタ出身者と対立と分業・妥協しながら、「安定した小農社会の世紀」をもたらしたことを、新出史料をもとに論じたものです。官僚制度から土地制度、軍事制度までの再考察を求める意欲的な作品です。
目次
序章 藍山蜂起と『藍山實録』編纂の系譜
第I部 前期黎朝政権の生成
第1章 黎利集団の構成
第2章 黎朝初期武人宰相制度
第3章 清化集団の再編 -聖宗期軍事体制の分析から-
第4章 文臣登用策と南策勢力の出現
第II部 前期黎朝の土地政策と土地所有・開発の実態及び観念
第5章 紅河デルタにおける屯田所政策
第6章 紅河デルタ・ニンビン省袈瑰池社の開拓史 -国家と地方官、民との交渉-
第7章 紅河デルタ東縁安興県ハナム島の田地開拓 -聖宗期安興碑文の分析を中心に-
第8章 開国功臣ノ土地所有ト農業開拓
第9章 聖宗期の嘉興地方 -盆地の社会-
終章 聖宗没後に遺されたもの -清化集団の再々編と科挙官僚の葛藤-