EU付加価値税の研究―わが国,消費税との比較の観点から―

EU付加価値税の研究

林 幸一 著

A5判 210頁 2020年8月1日刊行
3,850円(本体3,500円+税10%)
ISBN:978-4-903068-47-3

内容紹介

本書は、EUのVATにおける税の累積排除制度を中心に、比較法の視点からVAT制度について紹介・検討するものである。企業が負担する消費税は,支払った税額が完全に控除されることで,税の累積が排除される。VATが「即時税額控除」を権利として定めるのに対し,わが国の消費税において仕入税額控除は控除の時期・法的権利の位置付けの明確さに欠けるといわれる。
わが国の消費税は,VATを母法とする。消費税制度を,VAT制度と比較することは,消費税が,今後も景気動向に左右されない安定的な財源として制度の信頼性や透明性の向上のため必要と思われる。また、VATに見られるわが国の消費税にはない制度を紹介することは、国税の主要税目になった消費税制度を見直すうえで重要な視点となると考える。
第1部では、VATにおける税の累積排除制度を中心に、第2部では、累積排除制度以外のわが国の消費税にはない制度を紹介・検討している。

目次

はじめに

序章 VATの基本構造

第1部 VAT累積排除制度
 第1章 英国VATのゼロ税率―その変遷と今後―
 第2章 VATグルーピング
 第3章 事業移転制度
 第4章 コスト・シェアリング制度
 第5章 定率課税制度
 第6章 農業定率課税制度
 第7章 マージン課税制度
 第8章  VATオプション制度

第2部 わが国消費税との比較法研究
 第9章 人的役務に対する消費税軽減税率について
 第10章 フリンジ・ベネフィットと消費税
 第11章 委任取引と消費税―輸入取引を中心に―
 おわりに―わが国に与える示唆
 第12章 わが国消費税の転嫁問題

VAT 関連条文
索引

 

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