細胞修復制御

田代 聡 教授

【研究キーワード】
放射線被ばく、染色体異常、ゲノム修復機構、細胞核高次構造、生物学的線量評価法

【最近のハイライト】
肺がん検診での低線量CTの使用による染色体DNAへの影響が極めて小さいことを示す初の研究成果を報告し、より安全な医療放射線被ばくの管理体制の確立とともに、低線量CT検診の普及に伴う肺がん死亡率減少につながることが期待されます。(Biological Effects of Low-Dose Chest CT on Chromosomal DNA. Sakane H, et al. Radiology. 2020 May;295(2):439-445)
DNA損傷シグナル因子ATMがDNA損傷の修復を促進するだけでなく、抑制による適切な活性調節を行うことで、染色体異常の形成を防いでいることが明らかになりました。(Distinct roles of ATM and ATR in the regulation of ARP8 phosphorylation to prevent chromosome translocations.Sun J., et al. Elife. 2018 May 8;7. pii: e32222.)

【細胞修復制御研究分野】 

氏  名 職名
田代 聡 Satoshi TASHIRO 教授
孫 継英 Keiei SON 准教授
堀越 保則 Yasunori HORIKOSHI 助教

 

【教育内容】
 学部の講義では、平和科目、分子生物学の一部を担当している。研究科では、分子細胞生物学、生化学、放射線生物学の一部などを担当している。
 リーディングプログラムでは、放射線生物学などを担当している。

【研究内容】
 私たちは、放射線や薬剤などにより細胞が受けるさまざまな障害、特にゲノム修復のエラーにより染色体転座が形成される分子機構に注目し、細胞修復の制御システムの解明とその臨床応用を目指している。このために、分子細胞生物学的手法、生化学的手法、分子遺伝学的手法を用いて、ゲノム損傷応答におけるさまざまな蛋白質の局在、動態解析や、染色体転座形成の分子機構についての解析を進めるとともに、新しい放射線被ばくの生物学的線量評価法の開発に取り組んでいる。

【写真説明】 DNA損傷を誘導するための紫外線レーザーを搭載した最新の3D-SIM超解像顕微鏡


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