疾患モデル解析

神沼 修 教授

【研究キーワード】
実験動物学、免疫学、遺伝子改変、ゲノム編集、体細胞クローン、放射線影響、T細胞、アレルギー

【最近のハイライト】
 各種抗原に反応するT細胞受容体を発現するCD4 陽性T細胞を用い、世界初となる一連のクローンマウスを作出することに成功しました(EMBO Rep, 18:885, 2017)。このマウスは、遺伝子改変操作を要さずに2ヶ月程度で作出でき、短期間で発症するさまざまな免疫疾患モデルに応用可能です。このT細胞クローンマウス技術を活用することで、T細胞レパトアの変化を伴う放射線影響の解析や、生体内に通常わずかしか存在しない病原性T細胞の詳細な解析が可能になることも明らかになりつつあります。近い将来、放射線医学や免疫学のブレイクスルーにつながる成果に発展することを期待しています。

【疾患モデル解析研究分野】 

氏  名 職名
神沼 修 Osamu KAMINUMA 教授
藤本 成明 Nariaki FUJIMOTO 准教授
三浦 健人 Kento MIURA 助教

教育内容
 ヒト疾患の発症・病態形成機構の全てを、臨床検体の解析だけから明らかにすることは困難です。当分野では、新しい疾患モデルを開発し解析することで、ヒト疾患の全容解明と治療法開発に役立つ研究を進めています。種々疾患の成り立ちや、その鍵となる分子、細胞の役割をどうすれば明らかにできるのか、さまざまな最先端のアプローチ法を学びながら、アイデアを生かして独創的な成果に結びつけてゆける人材の育成を目指しています。

研究内容
 最新の遺伝子改変/ゲノム編集/体細胞クローン技術を用い、放射線影響研究に役立つモデル動物の作出を進めると共に、免疫系疾患における細胞/分子メカニズムの解明と新しい診断/治療法の開発に取り組んでいます。
 1)新規T細胞クローンマウスの作製と応用
 2)モデル動物を用いた放射線影響解析システムの構築
 3)ヒト疾患モデル動物の開発と解析
 4)抗原・放射線過敏症における発症機構の解析
 5)免疫系疾患におけるT細胞の役割とその制御機構の解析
 6)新型コロナウイルス感染症の病態解析と新規制御法の開発
 7)腫瘍性疾患に対する新規診断・治療法の開発
 8)免疫療法における奏功機構の解析
 9)新規ゲノム編集技術の開発
 


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