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広島大学の7人の研究者が創発的研究支援事業(JST)に採択されました

 広島大学の7人の研究者が、2021年度創発的研究支援事業(JST)に採択されました。

 JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)創発的研究支援事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間にわたり長期的に実施するものです。

2021年度採択者 (※所属は採択時)

 大学院先進理工系科学研究科

  • 寺本 篤史  准教授
  • 富永 依里子 准教授
  • 清家 美帆  助教

 大学院統合生命科学研究科

  • 奥村 美紗子 准教授
  • 杉  拓磨  准教授
  • 大黒 亜美  助教
  • 加藤 節   助教
1. 寺本 篤史 准教授・大学院先進理工系科学研究科

研究課題:微生物を活用した居住者自身が行う建築材料の診断及び高耐久化方法の提案
 
研究提案概要:
本研究では微生物を活用して、居住者自身が建築物の性能を気軽に測ることができ、ニーズに応じて回復できる技術の開発に取り組みます。建築材料の表層部に生息する微生物は水分量やpH、養分となる有機物の付着状況により種類や量が変化すると推察されます。本研究では微生物の生息状況の変化から建築材料の経年劣化診断を行う方法を提案し、空隙を閉塞させる特徴を持つ特殊な微生物により表層部の緻密化  、高耐久化を目指します。

研究者情報:
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.7c9adb5f3f96323f520e17560c007669.html

2. 富永 依里子 准教授・大学院先進理工系科学研究科

研究課題:海洋光合成細菌が化合物半導体を結晶成長する機構の全貌解明

研究提案概要:
本研究は、細菌が呼吸をする際に利用する呼吸鎖  (電子伝達系)  のはたらきによる金属イオンの酸化還元反応を制御するという着眼点を基軸として遂行します。本研究提案者が独自に得た重金属を部分的に結晶として体外に合成する細菌を用いて、菌体最表層での酸化還元反応機構と合成重金属、特に化合物半導体の結晶化過程を解明し、光照射による半導体結晶の合成効率の向上と結晶化の制御を達成します。

研究者情報:
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.9797704fc927298d520e17560c007669.html

3. 清家 美帆 助教・大学院先進理工系科学研究科

研究課題名:巨大閉鎖空間近未来都市の火災安全設計

研究提案概要:
本研究では、巨大閉鎖空間災害時のフリーズ(硬直)を含めた避難意思決定モデルの再構築を目指します。巨大閉鎖空間火災時、多様な避難者(性別・年齢・多国籍・病歴等災害弱者)を個々で評価することも重要ですが、心理状況や避難挙動を加味した群衆避難解析を目指し、現在抱える閉鎖空間災害は勿論のこと、将来の巨大閉鎖空間災害避難に活用することを目標とします。

研究者情報:
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.b57045046e7a50e9520e17560c007669.html

4. 奥村 美紗子 准教授・大学院統合生命科学研究科

研究課題:動物における第 4 の光受容体が拓く光生物学の新領域

研究提案概要:
光を受容し応答することは生存にとって重要であり、動物では大きく分けて 3 種類の光受容体が報告されています。線虫は既知の光受容体を持ちませんが、光に対して忌避行動を示します。そのため、線虫は動物における第 4 の光受容体を持つと考えられ、本研究では、この未知の光受容体の同定に挑戦します。さらに光による発生制御、光による線虫防除に焦点を当て、光受容体を軸とした光生物学の新たな研究領域の創出を目指します。

研究者情報:
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.e9cc6843cb39d032520e17560c007669.html

5. 杉 拓磨 准教授・大学院統合生命科学研究科

研究課題:革新的リアルタイム三次元計測・操作技術の開発と応用

研究提案概要:
三次元空間の細胞や分子はミリ秒オーダーの活動や動態を示します。しかし既存の三次元スキャン計測による細胞の位置・活性の検出は秒オーダーの時間を要し、神経活動等ミリ秒の現象と時間スケールの乖離があります。本研究ではスキャンレスにシングルショット3D 検出するライトフィールド技術を基盤に、生命現象が生じる過程をリアルタイムにナノ分解能計測・操作する革新的技術を開発し、神経ネットワーク老化機構を解明します。

研究者情報:
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.6e06c4004a289b38520e17560c007669.html

6. 大黒 亜美 助教・大学院統合生命科学研究科

研究課題:匂い物質感受性の変化や個人差の解明

研究提案概要:
私たちは日常、身の回りの香水や柔軟剤など様々な匂いを感知して生活しています。これらの匂いを過敏に感じ取り神経症状が現れる化学物質過敏症が社会的に問題となっており、私たちも体調が悪い時には、これらの匂いを過剰に感知し、不快に感じられることがあると思います。しかし、匂い物質の感受性の個人差や体調による変化がなぜ生じるのかは不明です。本研究では嗅覚系の薬物代謝酵素に着目することで、その解明を目指します。

研究者情報:
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.b47149e5ef3510ca520e17560c007669.html

7. 加藤 節 助教・大学院統合生命科学研究科

研究課題:無秩序な細胞死の機構解明と制御

研究提案概要:
細胞の死は、細胞が生命を維持する能力に限界があることを示しています。この研究では様々な条件での微生物の死過程を 1 細胞レベルで観察し、多様で無秩序な死過程の共通点を整理して死の基本原理を解明することを目指します。その過程で細胞の脆弱点を特定し、その克服により応用微生物学、医学的な応用展開に繋げます。得られる成果は低炭素社会実現や人の健康促進に貢献し、持続可能で健康な社会の実現に役立つと考えられます。

研究者情報:
https://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.1847ce8a69a0b3e1520e17560c007669.html

 広島大学では、創発的研究の遂行にふさわしい適切な研究環境の整備に引き続き努めます。また、創発的研究を促進するため、創造的・融合的な成果に結びつける取組を推進しながら、優れた人材の意欲と研究時間を最大化し、破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指します。

【お問い合わせ先】
 広島大学 学術・社会連携室
 E-mail:ura*office.hiroshima-u.ac.jp (*は半角@に置き換えて送信してください。)


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